項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 130000-40-7 |
名称 | 2’,6’-ジブロモ-2-メチル-4’-トリフルオロメトキシ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボキスアニリド (別名:チフルザミド) |
物質ID | R02-A-024-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 熱に対して150℃まで安定 (農薬抄録 (2014)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 塩素を含まず、酸素及びフッ素を含む有機化合物であるが、この酸素及びフッ素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)) (2) ラットのLD50: > 6,500 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): > 5.0 mg/L (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験で、適用24/48/72時間後の平均スコアは1以下であり、軽度の刺激性が認められたが、適用72時間後には消失した (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) のデータは共に区分1Bの基準を満たさないため、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法) で、陰性であった (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第30号 (2001))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 5%) で、陽性率は20%であり、軽度の感作性と報告されている (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、単回腹腔内投与したマウス骨髄細胞を用いた小核試験及び単回経口投与したラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる遺伝子突然変異試験及び不定期DNA合成試験において陰性の結果が得られている (同上)。 |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)、(2) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変はみられず、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変はみられず、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物で小葉中心性/中間帯肝細胞空胞化等、児動物では体重増加抑制がみられたが、繁殖能に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に脱毛、流涎及び体重減少/体重増加抑制がみられる用量において、胎児に低体重が認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (削痩、体重減少及び摂餌量減少) がみられる用量において、胎児に低体重が認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。実験動物では、(1)~(4) より、経口、経皮、吸入のいずれの経路の試験からも区分判定が可能な用量では、標的臓器を特定できる所見は得られず、区分に該当しないとした。なお、(4) で痂皮形成がみられているが、異常呼吸音を含め他の中毒症状がみられず、皮膚刺激性試験やウサギの急性経皮適用試験においても皮膚刺激性がみられていないことから、鼻部及び眼周囲の痂皮形成は鼻や眼からの分泌物が乾燥したものと考えられたため、標的臓器を特定できる所見ではないと判断した。 【根拠データ】 (1) ラットの単回経口投与試験において、2,000 mg/kg (区分2上限) 以上で泌尿生殖器周辺被毛汚れ、口及び鼻周囲部赤色汚れ、自発運動低下、軟便、下痢、粘液便、泌尿生殖器周囲・後肢脱毛、運動失調、眼周囲分泌物、糞・尿減少、体温降下がみられ、6,500 mg/kg (区分2超) の雄で前胃多発性潰瘍及びびらんがみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) ラットの単回経口投与試験において、5,000 mg/kg (区分2超) で一過性糞尿着色、糞減少、毛づくろい不良、顔面暗色部がみられた(食安委 農薬評価書 (2019))。 (3) ウサギの単回経皮適用試験において、5,000 mg/kg (区分2超) で死亡例はなく、明らかな毒性影響の症状も認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。 (4) ラットの4時間吸入ばく露試験において、4.3 mg/L (区分2の範囲) 以上で鼻部周囲赤色・褐色痂皮、眼周囲痂皮形成がみられた (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (肝臓) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 本物質のヒトでの反復ばく露に関する有害性の報告はない。実験動物では (1)~(3) で区分1の用量で肝臓への影響がみられていることから、区分1 (肝臓) とした。(1)、(2) では血液系への影響もみられたが、いずれも片性への影響であり、標的臓器とする十分な情報ではないと判断した。 【根拠データ】 (1) ラットの90日間混餌投与試験では、200 ppm (雄/雌: 13.4/16.9 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) 以上の雄で小葉中心性肝細胞空胞化、1,000 ppm (雄/雌: 67.3/82.3 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) 以上の雄でALP増加、肝比重量加、雌でヘマトクリット値及び平均赤血球容積 (MCV) 減少、平均赤血球ヘモグロビン濃度 (MCHC) 増加、コレステロール (Chol) 増加、肝絶対及び比重量増加、小葉中心性肝細胞空胞化がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) イヌの1年間カプセル経口投与試験では、100 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上でALP及びChol増加、さらに雄ではMCHC増加がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。 (3) ラットの2年間混餌投与試験では、100 ppm (雄/雌: 4.75/6.54 mg/kg/day、いずれも区分1の範囲) 以上で小葉中心性肝細胞脂肪化がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。食安委 農薬評価書 (2019) では、小葉中心性肝細胞脂肪化は肝毒性を示唆する所見とされている。 【参考データ等】 (4) ラットの90日間混餌投与試験では、5,000 ppm (雄: 322 mg/kg/day、雌: 382 mg/kg/day、いずれも区分2超) 以上で糞量減少、γGT及びBUN増加、グルコース減少、腎盂腎炎、さらに雌では死亡 (1 例)、好中球増加、ALP増加、無機リン増加、アルブミン減少、尿細管拡張/嚢胞がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。 (5) イヌの1年間カプセル経口投与試験では、1,000 mg/kg/day (区分2超) でMCV増加、視覚刺激反応欠如、脚力低下/失調性歩行、姿勢反応異常、眼球振盪、さらに雄では脊髄の神経線維軸索の断片化/変性及びミエリンの崩壊/変性の程度の増加、下小脳脚路の海綿状変性、雌ではMCHC増加がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 |
- |
H401 | P273 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 1.4 mg/L(農薬抄録, 2014)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 |
- |
H411 | P273 P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(緑藻)の72時間NOErC = 1 mg/L(農薬抄録, 2014)から、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 1.4 mg/L(農薬抄録, 2014)から、区分2となる。 以上の結果から、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
|