政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 133408-50-1
名称 (E)-α-メトキシイミノ-N-メチル-2-フェノキシベンゼンアセトアミド (別名:メトミノストロビン)
物質ID R02-A-025-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 熱に対して250℃まで安定 (農薬抄録 (2011)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 708 mg/kg、雄: 776 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) からは区分を特定できず、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 1.88 mg/L (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 5%)で、陰性であった (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、in vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験において陰性の報告がある (同上)。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)、(2) より、雄ラットで発がん性が認められていることから区分2とした。

【根拠データ】
(1) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雄で肝細胞腺腫及び顆粒性大リンパ球 (LGL) 白血病の発生率の有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2010))。
(2) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与による腫瘍性病変の発生増加はみられず、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2010))。

【参考データ等】
(3) 肝細胞腺腫については、発生機序は遺伝毒性メカニズムとは考え難く、評価にあたり閾値を設定することは可能であると考えられた。LGL白血病については、Fischerラットに好発すること、本物質に遺伝毒性は認められなかったことから、発生機序は遺伝毒性メカニズムによるものではないと考えられた。また、ヒトのLGL白血病は稀であり、腫瘍の生物学的特性もラットと大きく異なっていることから、同腫瘍の増加についてヒトへの外挿性は極めて低いものと結論された (食安委 農薬評価書 (2010))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) において、親動物毒性がみられる用量で繁殖能に影響はみられていないものの、雌の生殖器及び性周期等に影響がみられていることから区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物では、雄で腎の硝子円柱等、雌で小葉中心性肝細胞肥大、卵巣萎縮、黄体数及び二次卵胞数減少、子宮径小型化、膣の円柱上皮細胞多層化 (P雌)、性周期の乱れ、発情回帰の遅れ(F2a離乳時期)がみられる用量で、児動物においては、小葉中心性肝細胞肥大等が認められた。繁殖能に対する影響は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2010))。

【参考データ等】
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に死亡、流涎、体重増加抑制及び摂餌量低下、肝補重量増加が認められる用量においても、胎児に影響は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2010))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重及び摂餌量減少) が認められる用量で胎児に過剰肋骨を有する胎児の発生率の増加認められた。過剰肋骨は催奇形作用を示唆する所見ではないと考えられた (食安委 農薬評価書 (2010))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2 (中枢神経系) 、区分3 (麻酔作用)



警告
H371
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。実験動物では、(1)、(2) より、区分2 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの単回経口投与試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくとも死亡例がみられ始めた390 mg/kg (区分2の範囲) より低用量で影響がみられたと想定) において、雌雄で自発運動の低下、筋緊張の低下、昏睡、呼吸緩徐又は努力呼吸、痙攣がみられ、雄で円背位が認められた (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。
(2) マウスの単回経口投与試験において、雄: 1,014 mg/kg及び雌: 780 mg/kg (いずれも区分2の範囲) 以上で、自発運動の低下、筋緊張の低下、昏睡、呼吸緩徐または努力呼吸がみられ、雄で眼瞼下垂、雌で痙攣が認められた (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。

【参考データ等】
(3) ラットの4時間吸入ばく露試験において、1.8 mg/L (区分2の範囲) 以上で、ばく露終了時から雌雄全例で全身の軽度の被毛汚染がみられた (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (肝臓、腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの反復ばく露に関する有害性の報告はない。実験動物では (1)~(3) で区分2の用量で肝臓、腎臓への影響がみられていることから、区分2 (肝臓、腎臓) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの2年間混餌投与試験では、350 ppm (雄/雌: 16.3/19.7 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) 以上の雄で肝の変異細胞巣増加、雌で糸球体硬化、尿細管上皮内硝子滴、間質性細胞浸潤及び尿細管好塩基性化がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。
(2) イヌの1年間カプセル経口投与試験では、30 mg/kg (区分2の範囲) 以上でALP増加、さらに雄では小葉中心性~中間帯性肝細胞/すり硝子様細胞質がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2010))。
(3) マウスの18ヵ月間混餌投与試験では、300 ppm (雄/雌: 30.54/26.90 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) 以上で門脈周囲性肝細胞肥大、さらに雄では単細胞壊死がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。

【参考データ等】
(4) ラットの2年間混餌投与試験では、3,500 ppm (雄/雌: 167.1/212.3 mg/kg/day、いずれも区分2超) でヘモグロビン減少、血小板数及びフィブリン増加、γGT増加、総コレステロール及びリン脂質増加、肝の暗調化、腎の表面顆粒状、小葉中心性肝細胞肥大、さらに雄で赤血球数及びヘマトクリット値減少、肺及び脾の絶対及び比重量増加、肝の白色斑点、脾肥大、肝の海綿状変性、尿細管上皮限局性過形成、尿細管拡張、糸球体硬化、雌で平均赤血球容積 (MCV)、平均赤血球血色素量 (MCH) 及び平均赤血球血色素濃度 (MCHC) 減少、腎の暗調化、腎の硝子円柱がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2010)、農薬抄録 (2011))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 = 4.08 mg/L(農薬抄録, 2011)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性は区分2であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る