項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 2698-41-1 |
名称 | 2-クロロベンジリデンマロノニトリル |
物質ID | R02-B-003-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2013年度(平成25年度) 2006年度(平成18年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性という情報 (ICSC (2002)) がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団として不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素及びフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雄: 1,366 mg/kg、雌: 1,284 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)、NTP TR377 (1990)、HSDB (Access on April 2020)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、旧分類で使用した (1) はばく露時間が不明のため、旧分類から分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) ラットの半数致死ばく露量L (ct) 50値 (エアロゾル、ばく露時間不明): 88,480 mg・min/m3 (ACGIH (7th, 2001)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は強い刺激物であり、直接ばく露により粘膜刺激性を示す、ヒトにおいても本物質による刺激性の報告がある (US AEGL (2014))。 (2) 本物質は暴動時の鎮圧剤として使用され、ヒトの皮膚や眼に対して強い刺激性を有し、直接のばく露により眼の刺激、流涙、結膜炎、皮膚の火傷を示す (ACGIH (7th, 2019)、HSDB (Access on April 2020))。 (3) 皮膚及び眼に対し強い刺激性を有する (GESTIS (Access on April 2020))。 【参考データ等】 (4) 本物質 (5%) は人工皮膚モデル (Episkin) を用いた皮膚腐食性試験 (OECD TG 431) において腐食性物質ではないことが示され、OECD TG 439類似の手法によって刺激性物質であることが確認された (REACH登録情報 (Access on May 2020))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
【分類根拠】 (1)~(4) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は強い刺激物であり、直接ばく露により粘膜刺激性を示す、ヒトにおいても本物質による刺激性の報告がある (US AEGL (2014))。 (2) 本物質は暴動時の鎮圧剤として使用され、ヒトの皮膚や眼に対して強い刺激性を有し、直接のばく露により眼の刺激、流涙、結膜炎、皮膚の火傷を示す (ACGIH (7th, 2019)、HSDB (Access on April 2020))。 (3) 皮膚及び眼に対し強い刺激性を有する(GESTIS (Access on April 2020))。 (4) 本物質は皮膚腐食性物質 (区分1) に区分されている。 【参考データ等】 (5) 本物質 (5%) は牛摘出角膜を使用した眼損傷性試験 (OECD TG 437) において腐食性ではないことが示され、OECD TG 492に準拠した再構成ヒト角膜上皮モデル (SkinEthic) を用いた眼刺激試験において刺激性物質と判定された (REACH登録情報 (Access on May 2020))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分1とした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) OECD TG 442D (Keratinosens) に準拠した皮膚感作性試験においてImaxは1.5を上回り、陽性と判定された (REACH登録情報 (Access on May 2020))。 (2) 皮膚を感作する可能性がある (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))。 (3) 本物質を取り扱う業界において主として首及び腕の皮膚炎の発症により感作性が疑われる (HSDB (Access on April 2020))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、in vivo試験で陰性、一部のin vitro試験で陽性であったが、専門家判断に基づき、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いる小核試験で経口・腹腔内投与ともに陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 (2) in vitroでは、 細菌の復帰突然変異試験では全般的に陰性 (NTP TR377 (1990)、ACGIH (7th, 2019)、CEBS (Access on April 2020))、哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験、姉妹染色分体交換試験、染色体異常試験で陽性の報告がある (NTP TR377 (1990)、ACGIH (7th, 2019)、CEBS (Access on April 2020))。 【参考データ】 (3) 本物質は、in vitroで細胞の有糸分裂に係る紡錘体損傷に影響し染色体の異数性を誘発、in vivoで肝臓又は腎臓のDNAには結合しなかったが、これらの臓器の核蛋白質に結合した (US AEGL (2014)) 。 |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) の既存分類結果、及び (2)、(3) の実験動物における発がん性試験の結果より区分に該当しないとした。なお、旧ガイダンスではACGIHの分類A4を分類できないと評価していたが、最新のガイダンスではACGIHの分類A4を区分に該当しないと評価するようになったため、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2019)) に分類されている。 (2) ラットを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験 (0.075、0.25、0.75 mg/m3) において、雌雄ともに被験物質の投与に関連した腫瘍の発生は認められなかった。これより、雌雄ラットともに発がん性の証拠なしと結論された (NTP TR377 (1990))。 (3) マウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験 (0.75、1.5 mg/m3) において、雌雄ともに被験物質の投与に関連した腫瘍の発生は認められなかった。なお、雌で濃度依存的な下垂体腺腫及びリンパ腫の発生率の減少がみられたが、雌雄マウスともに発がん性の証拠なしと結論された (NTP TR377 (1990))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) より、発生影響はみられていないが、性機能、生殖能に関するデータがない。したがって、データ不足のため分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 雌ラットの妊娠6~15日、雌ウサギの妊娠6~18日に吸入ばく露した試験において、胚・胎児死亡、催奇形性のいずれもみられず、着床数及び腹当たりの胎児数 (litters produced) への影響も認められていない (ACGIH (7th, 2019))。 【参考データ等】 (2) 雌ラットの妊娠6、8、10、12、14日に腹腔内投与した試験において、胚・胎児死亡、催奇形性のいずれもみられず、着床数及び腹当たりの胎児数 (litters produced) に影響はみられていない (ACGIH (7th, 2019))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (呼吸器) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4) より、区分1 (呼吸器) とした。情報源の情報を見直し、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質は催涙ガスとして使用される強力な刺激剤であり、ばく露による症状は流涙、眼瞼痙攣、瞼の紅斑、胸部圧迫感、鼻・口・喉への刺激による鼻汁、唾液の分泌や咳、吐き気、嘔吐 (過剰な唾液の飲み込みによる)、皮膚の刺激である (US AEGL (2014))。 (2) 本物質に接触したヒト (複数) で眼及び皮膚の強い刺激、咳、呼吸困難、胸部圧迫感、鼻汁、めまい、吐き気、嘔吐がみられた。症状が生じる濃度は12~20 mg/m3であり、ばく露後約20秒で症状が現れた。症状は、新鮮な空気のある場所に移したあと5~104分間続いた (ACGIH (7th, 2019))。 (3) ボランティア男性4名に本物質のエアロゾル1.5 mg/m3を90分間ばく露した結果、3名に頭痛が生じ、2名ではばく露後24時間、頭痛が続いた。1名で眼及び鼻のわずかな刺激が生じた。4~5 mg/m3のばく露では、計算問題を解く作業が困難となったが、結果の正確さに影響はみられなかった。ばく露による主な影響は、眼刺激、結膜炎、流涙、皮膚の熱傷であった (ACGIH (7th, 2019))。 (4) ラットに本物質のエアロゾルを454~560 mg/m3の濃度で25~90分吸入ばく露し14日後に病理組織学的検査を行った試験で、ばく露開始直後に興奮し過活動となり、30秒以内に流涙及び唾液分泌、5~15分後に嗜眠及び呼吸困難を生じた。ばく露終了後、呼吸困難が約1時間持続し、他の症状は約5分で鎮まった。病理組織学的検査により、気道と結膜における杯細胞数の増加、粒子が表面に影響を与えた例では気道と消化管の壊死がみられ、偶発的に肺水腫と副腎における出血がみられた (US AEGL (2014))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、ラット、マウスへの吸入ばく露試験において、区分1の範囲で呼吸器への影響がみられていることから、区分1 (呼吸器) とした。 【根拠データ】 (1) ラット、マウスに本物質のエアロゾル (本物質94%、コロイダルシリカ5%、ヘキサメチルジシラザン1%) を13週間 (6時間/日、5日/週) 吸入ばく露 した結果、ラットでは0.4 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0003 mg/L、区分1の範囲) 以上で鼻腔の病変 (鼻腔粘膜の上皮過形成、扁平上皮化生等)、3 mg/m3 (同 0.002 mg/L、区分1の範囲) 以上で喉頭の上皮過形成等が、マウスでは1.5 mg/m3 (同0.001 mg/L、区分1の範囲) 以上で鼻腔の病変 (鼻甲介の扁平上皮化生等) がみられた (NTP TR377 (1990)、ACGIH (7th, 2019))。 (2) 本物質のエアロゾル (本物質94%、コロイダルシリカ5%、ヘキサメチルジシラザン1%) を2年間 (6時間/日、5日/週) 吸入ばく露 した結果、ラットは0.25 mg/m3以上、マウスは0.75 mg/m3以上 (いずれも区分1の範囲) で鼻腔の病変がみられた (NTP TR377 (1990)、ACGIH (7th, 2019))。 【参考データ等】 (3) 本物質は催涙ガスとして使用される強力な刺激剤であり、ばく露による症状は流涙、眼瞼痙攣、瞼の紅斑、胸部圧迫感、鼻・口・喉への刺激による鼻汁、唾液の分泌や咳、吐き気、嘔吐 (過剰な唾液の飲み込みによる)、皮膚の刺激である (US AEGL (2014))。 (4) 男性7名に1~13 mg/m3の濃度で15日間ばく露した結果、1名でチモール混濁試験値 (肝機能検査値の一種) が増加した以外に影響はみられなかった (ACGIH (7th, 2019)) 。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
魚類(ニジマス)96時間LC50 = 0.22 mg/L(ECOTOX, 2020)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性は区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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