政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 534-52-1
名称 4,6-ジニトロ-o-クレゾール
物質ID R02-B-005-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)   2014年度(平成26年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団としてニトロ基を含むが、UNRTDGにおいてUN 1598、クラス6.1に分類されていることから、優先評価項目の爆発物には該当しないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性 (ICSC (2004)) という情報がある。
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団としてニトロ基を含むが、UNRTDGにおいてUN 1598、クラス6.1に分類されていることから、優先評価項目である自己反応性化学品には該当しないと考えられるため、タイプGとした。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が340℃ (ICSC (2004)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団 (ニトロ基) を含むが、純品が爆発物の区分に該当しないので、鈍性化爆発物も区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(8) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 7 mg/kg (MOE初期評価第10巻 (2012)、GESTIS (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 10 mg/kg (HSDB (Access on April 2020))
(3) ラットのLD50: 20~85 mg/kg (EHC 220 (2000))
(4) ラットのLD50: 25~85 mg/kg (MAK (DFG) vol.19 (2003))
(5) ラットのLD50: 25 mg/kg (ATSDR (2018))
(6) ラットのLD50: 30 mg/kg (ATSDR (2018))
(7) ラットのLD50: 31 mg/kg (ACGIH (7th, 2019))
(8) ラットのLD50: 40 mg/kg (MOE初期評価第10巻 (2012))
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分3とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 200 mg/kg (MOE初期評価第10巻 (2012)、ATSDR (2018)、HSDB (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 200~600 mg/kg (MAK (DFG) vol.19 (2003))
(3) ラットのLD50: 600~2,000 mg/kg (EHC 220 (2000))
(4) ウサギのLD50: 1,000 mg/kg (MOE初期評価第10巻 (2012)、ATSDR (2018)、EHC 220 (2000)、MAK (DFG) vol.19 (2003)、GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020)
(5) ウサギのLD50: 1,671 mg/kg (ATSDR (2018))
(6) ウサギのLD50: 1,732 mg/kg (ATSDR (2018))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分2とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.0013 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 230 mg/m3 (0.23 mg/L) (EHC 220 (2000)、MAK (DFG) vol.19 (2003))
(2) 本物質の蒸気圧: 0.00012 mmHg (25℃) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.0013 mg/L) (HSDB (Access on April 2020))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1)~(4)より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの皮膚を刺激し、皮膚に付くと皮膚の黄変を生じる (MOE初期評価第10巻 (2012))。
(2) 本物質 (0.5 g) をウサギの皮膚に4時間半閉塞適用した皮膚刺激性試験において紅斑と軽度の浮腫を生じ、刺激性を示した (EHC 220 (2000)、GESTIS (Access on April 2020))。
(3) 本物質は眼に対し、刺激性あるいは腐食性を示し、皮膚に対し刺激性を示す。また、感作性を示す可能性がある (GESTIS (Access on April 2020))。
(4) 本物質はウサギの皮膚に浮腫を生じさせ、ウサギの眼に腐食性を示す (EHC 220 (2000))。

【参考データ等】
(5) EU CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの眼に対して腐食性を示し、眼に入ると発赤、痛みを生じる (MOE初期評価第10巻 (2012))。
(2) 本物質はウサギの皮膚に浮腫を生じさせ、ウサギの眼に腐食性を示す (EHC 220 (2000))。

【参考データ等】
(3) EU CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質はモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において感作性を示す (EHC 220 (2000))。
(2) 本物質はモルモットに対し皮膚感作性を示す (HSDB (Access on April 2020))。

【参考データ等】
(3) EU CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、旧分類の主な根拠が本物質を50%含む農薬を被験物質としたものであることから、今回根拠として採用しなかった。新たな情報を追加したが、明確な陽性知見はAmesのみで、in vivoにおける遺伝子突然変異の知見がなく、データ不足で分類できないとした。旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) in vivoにおいて、腹腔内投与したラットの骨髄細胞で染色体異常が陽性 (EHC 220 (2000)、 ATSDR (2018))、腹腔内投与したラットの肝細胞でDNA二重鎖切断を誘発 (EHC 220 (2000)、ATSDR (2018)、MOE初期評価第10巻 (2012)) の報告がある。一方、経口投与したラットや腹腔内投与したマウスの骨髄細胞で染色体異常が陰性、腹腔内投与したマウスの骨髄細胞で小核が陰性、経口投与したラットの肝細胞で不定期DNA合成が陰性 (EHC 220 (2000)、MOE初期評価第10巻 (2012)) の報告がある。
(2) in vitroにおいて、細菌の復帰突然変異試験 (Ames) 及びほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験で陰性又は陽性の報告がある (EHC 220 (2000)、 ATSDR(2018)、MAK (DFG) vol.19 (2003)、MOE初期評価第10巻 (2012))。
(3) EHC 220 (2000) では、「結論として、いくつかの陽性がサルモネラ、ショウジョウバエ、哺乳類細胞のin vitro及びin vivoで認められた。しかし、in vivoでのGLP試験は陰性であった。入手可能なすべてのデータに基づくと、本物質の変異原性は曖昧なままである。」の報告がある (EHC 220 (2000))。

【参考データ等】
(4) 本物質を50%含む 「KrezonitE」 という農薬を被験物質とした場合、in vitroにおいて、S9無添加のヒト白血球 (初代培養) で染色体異常が陽性、in vivoにおいて、マウスの生殖細胞経世代変異原性試験 (優性致死突然変異、減数分裂染色体、F1胎仔 (胚) の染色体異常) で陽性 (EHC 220 (2000)、MAK (DFG) vol.19 (2003)、MOE初期評価第10巻 (2012)) という知見がある。EHC 220 (2000)では、このin vivoの陽性結果は 「KrezonitE」 に含まれる本物質とは別の成分によるものと考えられている。
(5) EU CLP分類 (Access on April 2020): Muta.2 に分類されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、本物質の既存分類結果はない。また、ラットの試験結果は参考データ (1) が得られているが、マウスの試験結果は得られていない。

【参考データ等】
(1) 雌雄のラットに本物質を104週間混餌投与 (0.00025、0.0015、0.01%) した試験で、腫瘍発生率の増加はなかった (MOE初期評価第10巻 (2012))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、母動物に一般毒性がみられる用量で授乳期同腹児数の減少がみられていることを分類根拠として、ガイダンスに従い区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験において、母動物毒性のみられない用量 (30 ppm) 以上で授乳期の同腹児数の減少がみられ、母動物毒性 (妊娠期、授乳期の体重増加抑制) のみられる用量 (100 ppm) で児動物の体重減少がみられている (EHC 220 (2000)、MOE初期評価第10巻 (2012))。しかし、EHC220 (2000) では、高用量での影響 (母動物毒性のみられる用量での授乳期の児動物の体重減少、授乳期の同腹児数減少) は限定的であるとしており、中用量での影響 (母動物毒性のみられない用量での授乳期の同腹児数の減少) は有害影響としていない。結論として、本物質は体重減少や児の授乳期の同腹児数減少という形でわずかな生殖影響を与えるが、その他の生殖パラメータに影響はないとしている。一方、MOE初期評価第10巻 (2012) では、母動物毒性のみられない用量でみられた授乳期の同腹児数の減少を有害影響としている。

【参考データ等】
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に飲水投与した発生毒性試験において、母動物毒性、胚/胎児毒性はみられていない (EHC 220 (2000)、MOE初期評価第10巻 (2012))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に投与と関連しない死亡 (投与開始後5日までに4/16例)、努力性呼吸のみられる用量で、胎児に奇形 (小眼球症又は無眼球症、水頭症又は小頭症) がみられている。また、この試験では妊娠26日、27日に各1匹が死亡したが、剖検で肺と腸の感染症を認めている (EHC 220 (2000)、MOE初期評価第10巻 (2012))。感染症や投与と関連しない死亡が多くみられ試験の質が低いと考えられることから参考情報とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、心血管系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1 (中枢神経系、心血管系) とした。List 1の情報源の情報を中心に見直しを行い、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ヒトにおける急性毒性の症状は細胞代謝への影響に起因し、激しい喉の渇き、疝痛、下痢及び嘔吐が含まれる。呼吸困難、チアノーゼ、頻脈、無呼吸、狭心症を伴う心不全も報告されている。中枢神経系への影響の初期症状は、通常、多幸感であり、その後、めまい、虚脱傾向、不安と落ち着きのなさ、混乱、意識消失、終末期痙攣が生じる (MAK (DFG) vol.19 (2003))。
(2) 4歳の男児の中毒事故では、皮膚から吸収後、初期症状として嘔吐、頭痛がみられ、黄疸 (特に腕)、頻呼吸、心拍の減弱、重篤な一般状態の悪化がみられた。検死の結果、腸粘膜の限局性の出血、脳、肝臓、肺、腸壁、心筋、腎臓におけるうっ血 (capillary blood (plethora))、肺水腫及び脳の浮腫がみられた (ACGIH (7th, 2019))。
(3) 1例の中毒例では、気中濃度4.7 mg/m3で本物質による中毒が生じた。気中濃度が2.5 mg/m3に低下すると症状はなくなった。主な症状は発熱、基礎代謝率の増加、頻拍、頻呼吸、多汗症、息切れ、咳であった (ACGIH (7th, 2019))。

【参考データ等】
(4) 本物質は基礎代謝率の増加作用を有し、かつてはやせ薬として使用されていた (ATSDR (2018))。
(5) 本物質は酸化的リン酸化を遮断し、エネルギーが熱として放出され体温が上昇する。体温を下げるために、体は代償メカニズムの一部として脈拍数と呼吸数を増加させる。急性、中間、または慢性ばく露から生じる最も重要で鋭敏な影響は、基礎代謝率の増加に関連したものである (ATSDR (2018))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (中枢神経系、眼、心血管系、血液系、肝臓、腎臓、皮膚)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ヒトの経口摂取後の主影響は肝臓傷害であり、この他に中枢神経系、眼、心血管系、血液系、腎臓、皮膚への影響が考えられることから、区分1 (中枢神経系、眼、心血管系、血液系、肝臓、腎臓、皮膚) とした。List 1の情報源の情報を中心に見直しを行い、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ヒトでの慢性中毒症状は頭痛、虚弱、食欲不振及び顕著な体重減少である。後期には心筋、肝臓、腎臓に変性様変化、神経炎、白血球減少、ハインツ小体、メトヘモグロビン血症の進行がみられる。時には無顆粒球症、重度の中毒性皮膚炎もみられる。経口摂取後の主影響は肝臓傷害である (MAK (DFG) vol. 19 (2003))。
(2) 本物質を3年間服用した女性の左眼に真珠大に腫脹した白内障の症例、白内障の診断後に右眼に点状のレンズの混濁が現れ最終的に失明した症例の報告がある (ATSDR (2018))。

【参考データ等】
(3) 本物質は基礎代謝率の増加作用を有し、かつてはやせ薬として使用されていた (ATSDR (2018))。
(4) 本物質は酸化的リン酸化を遮断し、エネルギーが熱として放出され体温が上昇する。体温を下げるために、体は代償メカニズムの一部として脈拍数と呼吸数を増加させる。急性、中間、または慢性ばく露から生じる最も重要で鋭敏な影響は、基礎代謝率の増加に関連したものである (ATSDR (2018))。
(5) ジニトロフェノール類はヒトで白内障形成作用を示すことが知られている。白内障形成の機序は本物質の作用機序である酸化的リン酸化の阻害に関連していると考えられている (ATSDR (2018))。
(6) ラットに90日間混餌投与した結果、2.5 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で甲状腺ホルモンの減少、脂質代謝の亢進、5 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上でヘモグロビン、ヘマトクリット値、MCH/MCVの増加、BUN増加、尿中クレアチニン減少、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で脳の相対重量の増加、20 mg/kg/day (区分1の範囲) で死亡 (5/20例)、ALT増加、唾液腺と眼底の病理組織学的変化、副腎と膵臓の病変、胸腺、脾臓、リンパ節の萎縮または発育不全、循環リンパ球の減少、卵巣における黄体の消失、子宮の発育不全 (juvenile uteri)、精子無形成症がみられた (ATSDR (2018))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ミジンコ)48時間EC50 = 0.145 mg/L(MOE初期評価第10巻, 2012)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急速分解性がなく(難分解性、BODによる4週間分解度:4%(METI既存点検結果, 2004))、魚類(ファットヘッドミノー)の31~34日間NOEC = 0.183 mg/L(MOE初期評価第10巻, 2012)から、区分2とした。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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