政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 25321-14-6
名称 ジニトロトルエン (異性体混合物)
物質ID R02-B-017-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団としてニトロ基を含むが、UNRTDGにおいてUN 3454、クラス6.1に分類されていることから、優先評価項目の爆発物には該当しないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性 (ICSC (2005)) という情報がある。
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団としてニトロ基を含むが、UNRTDGにおいてUN 3454、クラス6.1に分類されていることから、優先評価項目である自己反応性化学品には該当しないと考えられるため、タイプGとした。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が400℃ (ICSC (2005)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団 (ニトロ基) を含むが、純品が爆発物の区分に該当しないので、鈍性化爆発物も区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分3とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 268~660 mg/kg (SIAR (2005))
(2) ラットのLD50: 1,000 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2005))
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しないとした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のデータはないが、本物質の構成成分となる各種ジニトロトルエン (DNT) 異性体の情報 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質の構成成分となる各種DNT異性体のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) において2,5-DNTで中等度、2,3-DNTと3,4-DNTで軽度の刺激性を示し、2,4-DNT、2,6-DNT、3,5-DNTでは刺激性はみられなかった (厚労省リスク評価書 (2009)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、ACGIH (7th, 2001)、GESTIS (Access on April 2020))。
(2) ウサギに2,4- DNT及び2,6-DNT (用量不明) を適用した皮膚刺激性試験で、軽度の刺激性がみられた (NITE初期リスク評価書 (2005))。
(3) 2,4-DNT、2,6-DNTはウサギの皮膚に対し、軽度の刺激性を示す (ATSDR (2016))。

【参考データ等】
(4) 本物質をウサギの耳介の内側に閉塞適用した試験で刺激性を示さなかった (SIAR (2005)、AICIS IMAP (Access on April 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) 及び本物質の構成成分となる各種ジニトロトルエン (DNT) 異性体の情報 (2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質はウサギを用いた眼刺激性試験 (非TG試験) でごく軽度の刺激性を示し、7日以内に回復した (SIAR (2005)、AICIS IMAP (Access on April 2020))。
(2) 本物質の構成成分となる各種DNT異性体のウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) において、6 つの異性体は全て刺激性を示さなかった (厚労省リスク評価書 (2009)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、ACGIH (7th, 2001)、AICIS IMAP (Access on April 2020)、GESTIS (Access on April 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のデータはないが、本物質の構成成分となる各種ジニトロトルエン (DNT) 異性体の情報 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。新たなデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質の構成成分となる各種DNT異性体のモルモット (10 匹、性別不明) を用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において2,6-DNT では2/10 例が陽性であったが、他の異性体は全て陰性であった (厚労省リスク評価書 (2009)、NITE初期リスク評価書 (2005)、ATSDR (2016)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、AICIS IMAP (Access on April 2020)、GESTIS (Access on April 2020))。
(2) 本物質の主要な構成物である2,4-DNTはモルモット を用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) では陰性であり、次に主要な2,6-DNTは軽度の感作性であることから、本物質がヒトに感作性を示す可能性は低い (AICIS IMAP (Access on April 2020))。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分2とした。新たな情報を追加し、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの優性致死試験において陰性の報告がある (SIAR (2005))。また、マウス骨髄細胞の小核試験及びマウススポット試験で陰性、ラットリンパ球の姉妹染色分体交換試験で弱陽性、ラットの肝臓を用いた不定期DNA合成試験で陽性の報告がある (SIAR (2005))
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性、ほ乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (SIAR (2005))。
(3) 本物質の主要構成成分である2,4-DNT(CAS番号 121-14-2、約80%)及び2,6-DNT(CAS番号 606-20-2、約20%)の本項はいずれも区分2である (2020年度GHS分類結果)。

【参考データ等】
(4) EU CLP分類でMuta. 2に分類されている (EU CLP分類 (Access on April 2020))。
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
ヒトではジニトロトルエンへのばく露と発がん性との関係が明確な情報はない。(1) のEU CLP分類結果、(2) 及び (3) の本物質の構成成分の2,6-DNTの分類結果より、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001))、EU CLPでCarc.1B (EU CLP分類 (Access on April 2020))、MAK (DFG) で2 (DFG List of MAK and BAT Values 2019) に分類されている。
(2) 本物質の主たる構成成分である2,4-DNT 及び2,6-DNTの本項分類結果はそれぞれ区分2及び区分1Bに分類された(2020年度GHS分類結果)。
(3) 雄ラットに、2,4-DNT (CAS番号 121-14-2)、2,6-DNT (CAS番号 606-20-2)、工業用ジニトロトルエン (2,4-DNT 76%、2,6-DNT 18%) を52週間混餌投与した試験で、2,4-DNTは1/20に肝腫瘍性結節がみられただけであったが、2,6-DNTでは肝細胞がん又は肝腫瘍性結節の用量依存的な発生率の増加に加え、肝腫瘍の肺への転移、胆管がんがみられた (IARC 65 (1996)、MOE初期評価第9巻 (2011))。一方、工業用ジニトロトルエンでは、肝腫瘍性結節、肝細胞がん、胆管がんがみられたが、2,6-DNTに比べて発生率は低く、肺への転移もなかった。この結果から、2,6-DNTには発がん性があり、工業用ジニトロトルエンの発がん作用のほとんどがそれに含まれる2,6-DNTで説明できることが示された (MOE初期評価第9巻 (2011)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2016))。

【参考データ等】
(4) 肝臓のγ-GTP陽性細胞巣を指標とし、ラットにジニトロトルエンの各異性体 (2,3-DNT、2,4-DNT、2,5-DNT、2,6-DNT、3,4-DNT、3,5-DNT) 及び工業用ジニトロトルエンを投与して実施したイニシエーション-プロモーション試験の結果、2,6-DNT及び工業用ジニトロトルエンで弱いイニシエーション活性を認めたが、その他の異性体でイニシエーション活性はみられなかった (MOE初期評価第9巻 (2011)、NITE初期リスク評価書 (2005))。また、ジニトロトルエンのプロモーション活性の有無を検討するために、雄ラットにN-ニトロソジエチルアミンの単回腹腔内投与2週間後から2,4-DNT、2,6-DNT、工業用ジニトロトルエンを混餌投与し、肝臓のγ-GTP陽性細胞巣を指標とした試験系では、いずれの物質もプロモーション活性を認め、2,6-DNTの活性は2,4-DNTよりも約10倍高かった (MOE初期評価第9巻 (2011)、NITE初期リスク評価書 (2005))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、雄性生殖器毒性がみられていること、及び (2) 、(3) より、混合物である本物質においても区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた本物質 (ジニトロトルエン (DNT) 異性体混合物) (異性体組成:2,3-DNT 1.54%、2,4-DNT 76.49%、2,5-DNT 0.65%、2,6-DNT 18.83%、3,4-DNT 2.43%、3,5-DNT 0.040%) の104週間混餌投与試験において、血液や肝臓に対する影響のほか雄性生殖器に対する影響 (精巣の矮小、精巣重量減少、精巣の変性、精子形成減少) が認められている (2,4-DNTのMOE初期評価第5巻 (2006))。
(2) 2,4-DNTでは雄性生殖器毒性に関連すると考えられる生殖能に対する影響が親動物毒性用量でみられたため、本年度 (2020年度) 分類において区分2に分類している。
(3) 2,6-DNT及び3,5-DNTでは雄性生殖器毒性がみられ、異性体である2,4-DNTで雄性生殖器毒性に関連すると考えられる生殖能に対する影響がみられていることを根拠として本年度 (2020年度) 分類において区分2に分類している。

【参考データ等】
(4) 雌ラットの妊娠7~20日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性用量 (死亡率46%) で吸収胚の増加傾向が認められた (2,4-DNTのMOE初期評価第5巻 (2006))。なお、この試験については、複数の評価書 (SIAR (2005)、2,4-DNTのMOE初期評価第5巻 (2006)、MAK (DFG) vol.6 (1994) 等) では、母動物毒性はみられるが胚、胎児に対する影響はないとしている。また、このデータは、旧分類の分類根拠であるが、母動物毒性が死亡率46%と高いことから分類根拠としなかった。
(5) 種々のDNT異性体 (2,3-DNT、2,4-DNT、2,5-DNT、2,6-DNT、3,4-DNT、3,5-DNT) について雄ラットを用いた14日間反復投与毒性試験が実施された。その結果、2,4-DNT、2,6-DNT及び3,5-DNTで雄性生殖器に影響 (精巣の矮小、精巣の重量減少、精細管の変性及び精巣における多核巨細胞形成) がみられた。一方、2,3-DNT 、2,5-DNT及び3,4-DNTでは、雄性生殖器に影響 (精巣及び精巣上体の重量及び病理組織学的影響) はみられていない (ATSDR (2016))。
(6) EU CLP分類ではRepr. 2に分類されている (EU CLP分類 (Access on April 2020))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (血液系)、区分3 (麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1 (血液系)、区分3 (麻酔作用) とした。

【根拠データ】
(1) ヒトに関する情報として、ジニトロトルエンによる急性中毒はメトヘモグロビン形成によって生じ、チアノーゼ、頭痛、過敏症、めまい、虚弱、吐き気、嘔吐、呼吸困難、嗜眠、意識喪失を引き起こし、死に至る可能性もあるとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 実験動物の情報として、ジニトロトルエンの急性毒性には、中枢神経抑制、呼吸抑制、筋肉協調運動障害、チアノーゼが含まれるとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。

【参考データ等】
(3) ジニトロトルエンの一般的な組成は、2,4-DNTが約75%、2,6-DNTが約20%である (NITE初期リスク評価書 (2005))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、血液系、肝臓)、区分2 (生殖器 (男性))


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1 (神経系、血液系、肝臓)、区分2 (生殖器 (男性)) とした。旧分類の分類根拠のうちヒトの情報については限定的な根拠であると考えられることから採用しなかった。また、旧分類では (3) のラットの情報に基づき腎臓、副腎を標記臓器としているが、腎臓への影響については加齢に伴う変化の可能性が考えられること、副腎への影響については用量反応性を確認できず分類根拠として不十分と考えられることから、これらは標的臓器としないこととした。従って旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ジニトロトルエンの一般的な組成は、2,4-DNTが約75%、2,6-DNTが約20%である (NITE初期リスク評価書 (2005))。
(2) ジニトロトルエンの約75%を占める2,4-DNTは、区分1 (神経系、血液系、肝臓)、区分2 (生殖器 (男性)) に分類されている (本年度GHS分類結果)。
(3) ラットに本物質 (2,4-DNT (76.5%)、2,6-DNT (18.8%)、3,4-DNT (2.4%)、2,3-DNT (1.5%)、2,5-DNT (0.7%)、3,5-DNT (0.7%)) を104週間混餌投与した結果、3.5 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌雄で肝臓絶対重量の増加、雄で変異肝細胞巣、肝細胞の好塩基性化、巨大化、空胞化及び壊死が、14 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌雄で副腎の変性 (副腎の変性 については14 mg/kg/dayのみ) (ATSDR (2016) には副腎の病理組織学的影響はみられなかったと記載されている)、14 mg/kg/day (区分2の範囲) の雄で網状赤血球と白血球数の増加、赤血球数、ヘマトクリット値及びヘモグロビン量の減少が、35 mg/kg/day (区分2の範囲) の雄で慢性間質性腎炎の悪化、膵臓における間質性色素の増加、髄外造血、精巣の変性、精子形成減少、雌で網状赤血球と白血球数の増加、赤血球数、ヘマトクリット値及びヘモグロビン量の減少がみられた (ATSDR (2016)、SIAR (2005)、ACGIH (7th, 2001))。

【参考データ等】
(4) 職業ばく露及び動物試験の結果から、ジニトロトルエンによる最も鋭敏な標的臓器は血液 (メトヘモグロビン血症、貧血、及び代償性造血) 及び神経系 (神経毒性、運動失調、振戦、脚の衰弱、痙攣) である。動物試験では、高用量では肝臓、気道、および生殖器への影響も示されている (ATSDR (2016))。
(5) 入手可能なヒトの情報は、適切な対照群が含まれておらず、ばく露濃度も報告されていないため、限定的な証拠である (ATSDR (2016))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(クロレラ属)96時間ErC50 = 0.9 mg/L(SIAP, 2004、SIAR, 2005)であることから、区分1とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(異性体比: 2,4-体82.1%、2,6-体17.9%)(METI既存点検結果, 1975))、急性毒性は区分1であることから、区分1とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
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  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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