政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 107-94-8
名称 3-クロロプロピオン酸
物質ID R02-B-037-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2009年度(平成21年度)  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性 (GESTIS (Access on May, 2020)) という情報がある。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、この酸素及び塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) マウスのLDLo: 1,040 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (200 g/L) のpHは0.9である (GESTIS (Access on May 2020))。
(2) 本物質及び水溶液は眼及び皮膚に対して強度刺激性~腐食性を示す (GESTIS (Access on May 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (200 g/L) のpHは0.9である (GESTIS (Access on May 2020))。
(2) 本物質及び水溶液は眼及び皮膚に対して強度刺激性~腐食性を示す (GESTIS (Access on May 2020))。
(3) 本物質は皮膚腐食性 (区分1) に区分されている。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性の報告がある (安衛法変異原性試験結果 (Access on July 2020))。

【参考データ】
(2) 本物質は労働安全衛生法第57条の3に基づき変異原性が認められた既存化学物質である。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1) で雌ラットに腫瘍発生の増加傾向が認められ、本物質のがん原性が示されたことから、区分2とした。雌ラットにおける結果を限定的な発がん性の証拠と解釈し、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 雌雄のラット及びマウスに本物質を2年間飲水投与したがん原性試験において、ラットの雌で子宮内膜間質性ポリープと子宮内膜間質性肉腫の発生増加が認められ、本物質のF344/DuCrj (Fischer) ラットの雌に対するがん原性が示された。マウスでは雌雄とも本物質の投与による腫瘍の発生増加は認められず、本物質のCrj: BDF1マウスの雌雄に対するがん原性は示されなかった (がん原性試験 (1994))。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分1 (呼吸器) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質の吸入は、気道の領域に強い刺激 (粘膜の灼熱感、呼吸器疾患、咳など) を伴うことが予想され、気道に深刻な損傷 (咽頭の炎症、肺水腫) のリスクがある (GESTIS (Access on May 2020))。

【参考データ等】
(2) 本物質の偶発的な経口摂取では、局所的な腐食作用のみ (消化管の損傷) の可能性があるため、高いリスクを伴うと想定する必要がある (GESTIS (Access on May 2020))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
経口経路では分類根拠となる所見はみられていない。他の投与経路のデータがないため分類できないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた13週間飲水投与試験において、最高用量である8,000 ppm (1,600 mg/kg/day、区分2超) において、忌避作用による摂水量減少のほか、摂餌量減少、体重増加抑制、血液生化学的検査で栄養障害を示す所見がみられた (がん原性試験 (1994))。
(2) マウスを用いた13週間飲水投与試験において、ラット同様に4,000 ppm (800 mg/kg/day、区分2超) 以上で忌避作用による摂水量減少、体重増加抑制、8,000 ppm (1,600 mg/kg/day、区分2超) で血液生化学的検査で栄養障害を示す所見がみられた (がん原性試験 (1994))。
(3) ラットを用いた104週間飲水投与試験において、7,200 ppm (900mg/kg/day、区分2超) の雌雄で鼻腔の嗅上皮のエオジン好性変化、網膜萎縮、雄で胆管増生がみられた (がん原性試験 (1994))。
(4) マウスを用いた104週間飲水投与試験において、1,000 ppm (200 mg/kg/day、区分2超) の雌で腎盂上皮の剥離、4,000 ppm (800 mg/kg/day、区分2超) 以上で鼻腔に呼吸上皮のエオジン好性変化、16,000 ppm (3,200 mg/kg/day、区分2超) で鼻腔の嗅上皮のエオジン好性変化がみられた (がん原性試験 (1994))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
藻類(デスモデスムス属)72時間EC50 = 45.3 mg/L(REACH登録情報, 2020)であることから、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性に関する十分なデータが得られておらず、急性毒性は区分3であることから、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る