項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 12122-67-7 |
名称 | N,N’-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛 (別名:ジネブ) |
物質ID | R02-B-040-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2006年度(平成18年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性 (ICSC (2017)) という情報がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点が149℃ (ICSC (2017)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 金属 (Zn) を含むが、水溶解度が約10 mg/L (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) というデータが得られており、水と急激な反応をしないと考えられるため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素、塩素及び酸素を含まない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(4) より、区分に該当しないとした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993)) (2) ラットのLD50: > 5,200 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) (3) ラットのLD50: > 5,600 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (4) ラットのLD50: > 10,000 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(4) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993)) (2) ラットのLD50: > 2,500 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (3) ラットのLD50: > 7,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (4) ラットのLD50: > 10,000 mg/kg (HSDB (Access on May 2020)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 |
危険 |
H331 | P304+P340 P403+P233 P261 P271 P311 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分3とした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 1.5E-006 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 0.8 mg/L (GESTIS (Access on May 2020)) (2) 本物質の蒸気圧: 1.0E-007 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 1.5E-006 mg/L) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質はウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (GESTIS (Access on May 2020))。 (2) 本物質は50人を対象としたパッチテストで49人には皮膚刺激性は認められなかったが、残りの1人で刺激性がみられた (GESTIS (Access on May 2020))。 【参考データ等】 (3) 本物質を含むジチオカルバメートは皮膚及び眼に対して刺激性を有する (EHC 78 (1988))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 本物質はウサギの眼に対して明白な刺激性を示さない (HSDB (Access on May 2020))。 【参考データ等】 (2) 本物質を含むジチオカルバメートは皮膚及び眼に対して刺激性を有する (EHC 78 (1988))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で陽性と報告されている (農薬工業会「農薬時報別冊「 農薬技術情報」」第14号 (1993))。 (2) 本物質は労規則35条において、皮膚障害が記載されている (労働省告示第三十三号 (1996))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。旧分類で根拠とされたマウス宿主経由試験での陰性知見は直接的評価には使えず、新たに得られた情報をもとに分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告、ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある (CEBS (Access on May 2020)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993))。 【参考データ】 (2) マウスでのin vivo遺伝毒性試験(宿主経由試験)で陰性の報告がある (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1) よりIARCでグループ3に分類されているが、発がん性に関する情報が限られており、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ3 (IARC Sup7 (1987)) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では投与に関連した腫瘍の発生はみられなかった (EHC 78 (1988)、JMPR (1993))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による3世代生殖毒性試験において、繁殖機能、胎児の発育に影響はみられていない (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993))。 (2) ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (摂餌量減少) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993))。 【参考データ等】 (3) 本物質 (純度85.5%、0.35%エチレンチオウレア (ETU) を含む) を妊娠ラット、マウスに経口投与した発生毒性試験において、ラットでは母動物毒性 (体重減少) がみられる高用量 (2,000 mg/kg/day) で奇形 (水頭症、骨格異常、短尾、曲尾等) がみられているが、不純物であるETUが原因の可能性も考えられるとしている。一方、マウスでは奇形はみられていない (EHC 78 (1988))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3 (麻酔作用、気道刺激性) |
警告 |
H336 H335 |
P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分3 (麻酔作用、気道刺激性) とした。(1) で、痙攣、意識喪失との記載があるが、その他のデータには中枢神経系を標的とする記載がないため、中枢神経系を標的とするには不十分であると判断した。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) スプレー又は粉じんの形態では、本物質は、皮膚及び呼吸器粘膜を中程度に刺激する。ヒトが本物質を吸入後の初期症状には、疲労感、めまい、脱力感などがあり、より深刻な症状には、頭痛、吐き気、疲労、発話不明瞭、痙攣、意識喪失などがある (HSDB (Access on May 2020))。 (2) マウスの単回経口投与試験において、2,000 mg/kg群で投与後15~30分から、半数例に自発運動の抑制、うずくまり、うとうと状態あるいは閉眼がみられた。しかし、6時間後には全例正常に復した。5,000 mg/kg群では、自発運動量の低下が認められた (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第14号 (1993))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(2) より、ヒトの疫学調査でみられた影響のうち、慢性気管支炎を影響と判断した。したがって、区分1 (呼吸器) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質製造に従事している137人の労働者 (51人の男性と86人の女性) に関する疫学調査において、肝胆嚢炎 (労働者の28.4%、対照では13.5%)、中枢神経系の障害に関連する栄養血管性筋緊張異常 (vegetovascular dystonia) (34.9%、対照群では22.3%)、慢性気管支炎 (4.4%、対照群では0.5%)、接触性皮膚炎 (11.9%、対照群では0.1%)、月経周期の障害 (16.91%、対照群では4.3%) が報告されている (EHC 78 (1988))。 (2) ラットを用いた4ヵ月間吸入毒性試験 (6日間/週、1日のばく露時間不明) において、2 mg/m3 (0.002 mg/L) 以上で上気道粘膜の局所刺激性がみられている (EHC 78 (1988))。 【参考データ等】 (3) ラット、イヌを用いた複数の経口経路での慢性毒性試験において、甲状腺の過形成がみられているが、いずれも10,000 mg/kg/day と区分2の範囲を大幅に超えた用量でみられている (EHC 78 (1988))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間LC50 = 0.97 mg/L(EHC 78, 1988)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BODによる4週間分解度:0%(METI既存点検結果, 2002))、急性毒性は区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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