項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 2275-23-2 |
名称 | チオりん酸O,O-ジメチル-S-{2-[1-(N-メチルカルバモイル)エチルチオ]エチル}(別名:バミドチオン) |
物質ID | R02-B-051-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2006年度(平成18年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性 (ICSC (2001)) という情報がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団として (P-O) を含むが、UNRTDGにおいてUN 2783、クラス6.1に分類されていることから、優先評価項目である自己反応性化学品には該当しないと考えられるので、タイプGとした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | UNRTDGにおいてUN 2783、クラス6.1、PG Ⅲに分類されていることから、優先評価項目の自然発火性物質には該当しないため、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 半金属 (P) を含むが、水に非常によく溶ける (ICSC (2001)) というデータが得られており、水と急激な反応をしないと考えられるため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (P) と結合しているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 103 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998)) (2) ラットのLD50: 雌: 110 mg/kg (JMPR (1985)) (3) ラットのLD50: 64 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 | P302+P352 P362+P364 P280 P312 P321 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 1,160 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、JMPR (1973)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (2.1E-005 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 1.73 mg/L (JMPR (1985)、GESTIS (Access on May 2020)) (2) 本物質の蒸気圧: 1.4E-006 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 2.1E-005 mg/L) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とする明確な知見はなく、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス骨髄細胞を用いた小核試験で陰性の報告がある (JMPR (1985))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験において陽性の報告がある (同上)。 |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1) より区分に該当しないとした。新たな情報源の利用により分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 雌雄のラット及びマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、両種とも発がん性は認められなかった (JMPR (1982))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた強制経口投与による2世代生殖毒性試験において、F0、F1親動物にコリンエステラーゼ (ChE) 活性の抑制がみられる用量 (赤血球及び血漿ChE活性の抑制は中用量以上、脳ChE活性の抑制は高用量) においても生殖影響はみられなかった。なお、F1離乳児において高用量のみで赤血球及び血漿ChE活性抑制 (親より軽度) がみられた (JMPR (1988))。 (2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重及び摂餌量減少) がみられる用量においても、胎児に影響はみられていない (JMPR (1985))。 (3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (下痢、体重及び摂餌量減少) がみられる用量においても、胎児に影響はみられていない (JMPR (1985))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2 (神経系) |
警告 |
H371 | P308+P311 P260 P264 P270 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質のデータは (1) しかないが、本物質は有機リン系農薬であり、コリンエステラーゼ活性阻害作用を有すると考えられることから、区分2 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 作物に対して本物質を使用している18人を調査した結果、空気中の製品濃度は散布地点から50メートル離れた場所で0.024 mg/m3であり、症状として8人の被験者で脈拍数と動脈血圧のわずかな低下がみられた (JMPR (1985)、HSDB (Access on May 2020))。 【参考データ等】 (2) 本物質も含まれる有機リン系農薬のばく露により、ヒトではムスカリン症状 (気管支分泌の増加、過度の発汗、唾液分泌、流涙、縮瞳、気管支収縮、腹部痙攣 (嘔吐と下痢)、徐脈)、ニコチン症状 (筋肉の線維束性収縮 (fasciculation of fine muscles)、頻脈)、中枢神経系の症状 (頭痛、めまい、落ち着きのなさ、不安、精神錯乱、痙攣、昏睡、呼吸中枢の抑制) が生じる。軽度の中毒には、ムスカリン性及びニコチン性の兆候のみが含まれる場合があり、重症の場合は中枢神経系の関与も示す。症状の組み合わせにより、呼吸不全になり、時には肺水腫を引き起こす (EHC 63 (1986))。 (3) 本物質を含む有機リン系農薬は、吸入、摂取、皮膚吸収を含むすべての経路で吸収され、その毒物学的影響は、神経系のアセチルコリンエステラーゼ阻害によるものであり、呼吸器、心筋、神経筋の伝達障害を引き起こす (IPCS PIM G001 (1998))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(5) より、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は有機リン系殺虫剤である。有機リン系殺虫剤は強力なコリンエステラーゼ (ChE) 酵素阻害剤である (HSDB (Access on 2020))。 (2) 健康な男女ボランティア6~11名に本物質の水溶液 (9.6又は37.2 μg本物質/kg/day) を3週間、別のグループには本物質の水溶液 (78.8又は122.8 μg本物質/kg/day) を5週間経口投与した結果、投与に関連する臨床症状はみられなかった。いずれのグループでも血漿ChE活性の低下はみられなかったが、122.8 μg本物質/kg/day投与群の3名で赤血球ChE活性の低下がみられた (JMPR (1973))。 (3) ラットに本物質2、5、10 mg/kg/day (いずれも区分1の範囲) を3ヵ月間強制経口投与した結果、血清アセチルコリンエステラーゼ (AChE) 活性阻害 (2 mg/kg/day群: 35%; 5 mg/kg/day群: 12%; 10 mg/kg/day群: 8%) がみられた (JMPR (1973))。 (4) ラット、マウスに本物質0.1~100 ppmを24ヵ月間混餌投与した結果、いずれの試験でも毒性症状はみられなかったが、10 ppm (ラット0.5 mg/kg/day: マウス: 1.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で血清及び赤血球ChE活性の低下がみられ、ラットでは10 ppm (0.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄、マウスでは100 ppm (15 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で脳ChE活性の低下もみられた (JMPR (1982))。 (5) イヌに本物質を52週間経口投与した結果、0.5 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で血漿および赤血球ChE活性阻害が、5.0 mg/kg/day (区分1の範囲) で後肢の硬直による歩行異常、脳ChE活性阻害 (20~30%) がみられた (JMPR (1988))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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