政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 298-81-7
名称 9-メトキシ-7H-フロ[3,2-g][1]ベンゾピラン-7-オン  (別名:8-メトキシプソラレン)
物質ID R02-B-075-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性 (HSDB (Access on May 2020)) という情報がある。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雄: 791 mg/kg (NTP TR359 (1989)、HSDB (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: 雌: 930 mg/kg、雄: 1,170 mg/kg (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) の記載はあるが、区分に十分なデータはなくデータ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質を含有する製品において適用後、過度の紫外線照射による発赤、水疱、腫脹、痂皮等の皮膚障害が報告されている (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))。
(2) ラットを用いた実験で光毒性を示すことが報告されている (HSDB (Access on May 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) においてSI値は3を上回らず、陰性と判定された (Maeda Y et al., J Applied Toxicol 38:1316-1322 (2018))
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス腹腔内投与による染色体異常試験で陽性、小核試験で曖昧な結果の報告がある (CEBS (Access on May 2020))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性、姉妹染色分体交換試験で陽性の報告がある (NTP TR359 (1989)、CEBS (Access on May 2020))。
6 発がん性 区分1A


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) の既存分類結果に基づき区分1Aとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでMethoxsalen (本物質) plus UVA radiationとしてグループ1 (IARC 100A (2012))、NTPでMethoxsalen (本物質) with Ultraviolet A TherapyとしてK (NTP RoC (14th, 2016)) に分類されている。
(2) ヒトにおいて本物質とUVAの併用投与による発がん性に関する十分な証拠がある。本物質とUVA照射との併用は皮膚がん (扁平上皮がん) を生じる (IARC 100A (2012))。
(3) マウスに本物質を経口又は経皮適用し、同時にUVA照射した多くの発がん性試験で皮膚がんの発生増加が認められている。本物質とUVA照射との併用は実験動物で十分な発がん性の証拠がある (IARC 100A (2012))。
(4) 本物質単独でもラットの混餌投与で発がん性を示したとの報告もある。本物質単独では、実験動物で発がん性の限られた証拠がある (IARC 100A (2012))。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、母動物毒性がみられるものの胎児毒性の重篤度を考量して区分1Bとした。なお、新たな情報が得られたため旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、肝臓相対重量増加) がみられる用量で、胎児に胚吸収率増加、生存胎児数減少、胎児体重の低値、骨格変異及び奇形 (主に側脳室の拡大) の頻度増加がみられた (NTP Abstract for TER91017 (Access on July 2020))。

【参考データ等】
(2) 雌ウサギの妊娠6~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (一過性の体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量においても、胎児に影響はみられていない (NTP Abstract for TER91016 (Access on July 2020))。
(3) 妊娠ラット及び妊娠マウスの妊娠7日目から13日目まで、本物質を反復投与したところ、いずれの動物種においても催奇形作用を認めなかった (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (麻酔作用)


警告
H336 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
本物質単独でのヒトでの単回ばく露に関する有害性の報告はない。(2) より中枢抑制作用が疑われるが、用量が不明であるため、(1)、(2) より区分3 (麻酔作用) とした。新たな情報の採用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) マウスの一般薬理試験では、経口投与により、100 mg/kg (区分1の範囲) 以上で自発運動量の抑制、400 mg/kg (区分2の範囲) で最大電撃痙攣の抑制がみられたとの報告がある (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))。
(2) 用量は不明だが、マウスやラットを用いた単回投与毒性試験では、経口投与や皮下投与による中毒症状として、自発運動の抑制、呼吸数減少、呼吸のひっ迫、唾液分泌、間代性痙攣、振戦、嗜眠、催涙がみられたとの報告がある (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))。

【参考データ等】
(3) 本物質はUVA照射と組み合わせて皮膚疾患の治療に用いられ、ヒトでは本物質とUVAの併用治療による免疫系の障害が報告されているが、本物質単独での副作用は報告されていない (NTP TR359 (1989))。
(4) 尋常性白斑患者を対象とした本物質の副作用情報として、錠剤では紅潮、腹痛、吐き気、めまい、不眠、顔面浮腫、胸内苦悶、抑うつ、頭痛、肝機能障害が報告されている (JAPIC医療用医薬品集2017 (2016))。
(5) 本物質の経口投与による最も一般的な副作用は吐き気であり、約10%の患者に発生する。本物質を使用したUVA照射療法でも胃腸への影響が起こる可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (甲状腺、腎臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
本物質単独のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物では、(1)~(3) より区分1以上の用量で甲状腺、腎臓への影響がみられていることから、区分1 (甲状腺、腎臓) とした。新たな情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの3ヵ月間経口投与試験では、25 mg/kg (区分2の範囲) 以上で肝細胞腫大・肥大、腎皮質尿細管上皮細胞肥大、下垂体腺細胞肥大、甲状腺の小胞小型化・上皮細胞腫大、副腎の束状体細胞腫大、脾臓のリンパろ胞腫大が認められたとの報告がある (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))。
(2) ラットの103週間経口投与試験では、雄で37.5 mg/kg (区分2の範囲) 以上で腎尿細管上皮の局所的過形成、慢性腎症 (尿細管の拡張と萎縮を伴う尿細管上皮の変性及び再生、硝子様円柱、顆粒状円柱、基底膜の肥厚、間質性線維症、糸球体硬化症)、甲状腺のびまん性肥大、75 mg/kg (区分2の範囲) で腎臓の髄質及び腎乳頭の鉱質沈着がみられたとの報告がある (NTP TR359 (1989))。
(3) ラットの3ヵ月間経皮ばく露試験では、5 mg/kg (区分1の範囲) 以上で肝細胞腫大・肥大、腎皮質尿細管上皮細胞肥大、下垂体の前葉充血・腺細胞肥大、甲状腺の 小胞小型化・上皮細胞腫大・コロイド減少、副腎の束状体細胞腫大、塗布局所皮膚の棘細胞・基底細胞の腫大、所属腋下リンパ節のろ胞腫大・ 洞カタル・神経細胞腫大等が認められたとの報告がある (IF (オクソラレン錠 10 mg) (2019年4月 (改訂第13版)))。

【参考データ等】
(4) 本物質はUVA照射と組み合わせて皮膚疾患の治療に用いられ、ヒトでは本物質単独での副作用は報告されていない (NTP TR359 (1989))。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データがなく分類できない
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データがなく分類できない
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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