政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 97-56-3
名称 2-メチル-4-(2-トリルアゾ)アニリン  (別名:2-アミノアゾトルエン)
物質ID R02-B-078-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に連続する窒素原子 (アゾ基) を含むが、芳香族アゾ基であり爆発性に関連する原子団ではないので、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性という情報 (GESTIS (Access on May 2020)) 、粉体は粉じん爆発を起こすという情報 (GESTIS (Access on May 2020)) がある。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素、酸素及び塩素を含まない有機化合物であり、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) からは区分を特定できず、分類できないとした。

【参考データ等】
(1) ラットのLDLo: 1,500 mg/kg (MAK (DFG) (2013)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014)、GESTIS (Access on May 2020))
(2) マウスのLDLo: 800 mg/kg mg/kg (MAK (DFG) (2013)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの手や腕にアレルギー性接触皮膚炎を起こすことが報告されており、さらにヒトでのパッチテストでも確認された。構造的に類似するアゾ染料や他の関連化合物との交差反応も報告されている (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。

【参考データ等】
(2) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (Open epicutaneous test、2%/ワセリン×10回適用) が実施され、びらん性及び滲出性の反応がみられたが、結論は得られていない (MAK (DFG) (2013)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。
(3) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2020))。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。情報源の精査により、分類結果を変更した。なお、旧分類に記載の「マウスを用いた特定座位試験で陽性」の結果は、「マウスリンフォーマTK試験での陽性」と推察される。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの腹腔内投与による小核試験で陽性、ラットの腹腔内投与による小核試験で陰性、マウスまたはラットの強制経口投与による不定期DNA合成試験で陽性、マウスの腹腔内投与による姉妹染色分体交換試験で陽性、lacZトランスジェニックマウスを用いた遺伝子突然変異試験で陽性、マウスのコメットアッセイで陽性 (腹腔内投与:胃、結腸、肝臓、膀胱、肺、脳)、(強制経口投与: 結腸、肝臓、肺)の報告がある (MAK (DFG) (2013)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。
(2) in vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陽性、哺乳類培養細胞を用いた姉妹染色分体試験で陽性、染色体異常試験で陰性の報告がある (MAK (DFG) (2013)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、IARCはグループ2Bに分類しているが、複数の実験動物で複数の組織部位に腫瘍発生がみられており、より新しい既存分類結果に基づき、区分1Bとした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ2B (IARC Sup7 (1987))、産衛学会で第2群B (産業衛生学雑誌許容濃度等の勧告 (1991年提案))、NTPでR (NTP RoC (14th, 2016))、MAK (DFG) で2 (MAK (DFG) (2013))、EU CLP分類でCarc.1B (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。
(2) 本物質は、複数の実験動物に、複数のばく露経路で複数の異なる組織部位に腫瘍を引き起こした。本物質の混餌投与では、雌雄マウスで肝細胞腺腫又はがん、雄ラットで腺腫、肝細胞がん、胆管腫、又はその他のがん、雌雄のハムスターで肝細胞腺腫又はがん、イヌで肝細胞腺腫又はがん、腺がん、又は胆管腫、雌雄マウスでは、肺腫瘍と良性の血管腫瘍(肺の血管内皮腫)を引き起こした。さらに、両性のハムスターで膀胱の乳頭状又は移行上皮がん、イヌで膀胱がん、雌ハムスターで胆嚢腫瘍 (乳頭腫又はがん)、イヌで腺がん、雌ハムスターで乳腺がん (腺がん) がみられた (NTP RoC (14th, 2016))。
7 生殖毒性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質が呼吸器刺激性を有する可能性があるとの情報がある (GESTIS (Access on May 2020))。
(2) 生体内で生成される本物質の還元的分解生成物により、メトヘモグロビン生成による血液中の酸素輸送機能の低下や赤血球の損傷、さらには遠位尿路への直接的な刺激や腎臓の機能障害・損傷が予想される (GESTIS (Access on May 2020))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データがなく分類できない
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データがなく分類できない
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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