項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 615-05-4 |
名称 | 2,4-ジアミノアニソール |
物質ID | R02-B-079-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2006年度(平成18年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性という情報 (ICSC (2005)) がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(6) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 450~830 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (2) ラットのLD50: 460 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020)) (3) ラットのLD50: 460~831 mg/kg (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014)) (4) ラットのLD50: 515 mg/kg (MAK (DFG) vol.6 (1994)) (5) ラットのLD50: 831 mg/kg (MAK (DFG) vol.6 (1994)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) の記載はあるが、データ不足のため分類できない。旧分類の根拠となったデータが本物質の2.5%水溶液あるいは塩酸塩の10%水溶液のものと思われることから分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) の10%水溶液は、ウサギの皮膚に対し、軽度の刺激性を示す (MAK (DFG) vol.6 (1994)、GESTIS (Access on May 2020))。 (2) 本物質の2.5%水溶液は、ウサギの皮膚に対し、軽度の刺激 (軽度の浮腫) を示す (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014)、GESTIS (Access on May 2020))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2) の記載はあるが、データ不足のため分類できない。旧分類の根拠となったデータが本物質の2.5%水溶液あるいは塩酸塩の10%水溶液のものと思われることから分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) の10%水溶液はウサギの眼に対し刺激性を示さない (MAK (DFG) vol.6 (1994)、GESTIS (Access on May 2020))。 (2) 本物質の2.5%水溶液はウサギの眼に対し刺激性を示さない (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014)、GESTIS (Access on May 2020))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。なお、硫酸塩の知見を基に分類をおこなった。 【根拠データ】 (1) 本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (open epicutaneous test、適用濃度 3%) において、陽性反応は認められていない (MAK (DFG) vol.6 (1994))。 (2) 本物質の硫酸塩のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 5%) において、初回惹起時に不明瞭な結果が2/10例に、再惹起時に1/10例に陽性反応がみられた (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014)、GESTIS (Access on May 2020)、MAK (DFG) vol.6 (1994))。 (3) ヒトのパッチテストにおいて陽性の結果が報告されているが、交差反応による可能性も示唆されている (GESTIS (Access on May 2020))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、ラット腹腔内投与の肝細胞を用いたDNA損傷試験で陽性、陰性の結果、マウス腹腔内投与の骨髄細胞を用いる姉妹染色分体交換試験で陽性、ラット経口投与又はマウス腹腔内投与の骨髄細胞を用いる小核試験でそれぞれ陰性、ラット腹腔内投与の優性致死試験で陰性 (IARC 79 (2001)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、細胞形質転換試験で陰性 (IARC 79 (2001))。 【参考データ等】 (3) Muta.2 (EU CLP分類 (Access on May 2020))。 |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質の発がん性試験結果は得られていないが、(1) の既存分類では本物質の硫酸塩を用いた発がん性試験結果からMAK (DFG) が2とし、EU CLP分類でもCarc.1Bと分類していること、及び (2)~(4) の本物質の硫酸塩の発がん性試験結果より、マウス及びラットともに腫瘍発生が認められ、ラットを用いた独立した2つの発がん性試験では共通した発がん性の証拠が示されており、動物データにおいて十分な証拠があることから、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ2B (IARC 79 (2001))、産衛学会で第2群B (産業衛生学雑誌許容濃度等の勧告 (1991年提案))、MAK (DFG) で2 (DFG List of MAK and BAT Values (2019)、EU CLP分類でCarc.1B (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。 (2) 本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) を雌雄のラットに78週間混餌投与した発がん性試験において、雄で甲状腺、皮膚、包皮腺及びジンバル腺に、雌で甲状腺及びジンバル腺に悪性腫瘍の発生増加がみられた (IARC 79 (2001)、MAK (DFG) vol.6 (1994))。 (3) 本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) を雌のラットに82~86週間混餌投与した発がん性試験において、甲状腺及び陰核腺に悪性腫瘍の発生増加がみられた (IARC 79 (2001)、MAK (DFG) vol.6 (1994))。 (4) 本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) を雌雄のマウスに78週間混餌投与した発がん性試験において、雌雄で甲状腺腺腫又はがんの発生増加がみられた (IARC 79 (2001)、MAK (DFG) vol.6 (1994))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1) のとおり動物試験において神経系への影響が示唆されているが、詳細が不明であることから分類できないとした。 【参考データ等】 (1) 本物質のラットへの経口投与による毒性の徴候として、嗜眠、立毛、唾液分泌量の増加、運動失調、尿の過剰分泌 (利尿) などが報告されているが、詳細は不明である (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (甲状腺) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
【分類根拠】 本物質のデータは不足しているが、本物質の硫酸塩 (CAS番号 39156-41-7) を用いた動物試験では (1)~(3) にて区分2の用量から甲状腺への影響がみられたことから、区分2 (甲状腺) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質の硫酸塩を用いたラットの8週間混餌投与試験では、0.25% (ガイダンス90日換算値: 78 mg/kg/day、本物質換算: 46 mg/kg/day、区分2の範囲) で甲状腺刺激ホルモン (TSH) の血清濃度上昇、トリヨードチロニン (T3) の血清濃度低下がみられたとの報告がある (IARC 79 (2001))。 (2) 本物質の硫酸塩を用いたラットの78週間混餌投与試験では、0.5% (ガイダンス換算値: 250 mg/kg/day、本物質換算: 146 mg/kg/day、区分2超) で甲状腺の肥大、暗赤色化や黒色化、濾胞性嚢胞がみられたとの報告がある (MOE初期評価第9巻(2011))。 (3) 本物質の硫酸塩を用いたマウスの78~96週間混餌投与試験では、0.24% (ガイダンス換算値: 360 mg/kg/day、本物質換算: 211 mg/kg/day、区分2超) で雄に甲状腺濾胞細胞の過形成がみられたとの報告がある (MOE初期評価第9巻(2011))。 【参考データ等】 (4) 本物質の甲状腺及び下垂体形態への影響を調べた動物試験において、6週間の投与により甲状腺上皮の肥大化や色素沈着がみられたとの報告があるが、詳細は不明である (HSDB (Access on May 2020))。 (5) 本物質の硫酸塩を用いたラットの経皮投与試験では毒性影響はみられなかったとの報告がある (MAK (DFG) vol.6 (1994)、IARC 79 (2001))。 (6) 本物質の硫酸塩を用いたラットの12週間強制経口投与試験では、23 mg/kg/day (90日換算: 15 mg/kg/day、区分2の範囲) で雌のみに成長抑制、赤血球数及び白血球数の減少、肝臓・腎臓及び脾臓の相対重量の軽度増加、複数の臓器における赤血球破壊の軽度増加がみられたとの報告がある (MAK (DFG) vol.6 (1994))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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