政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 2212-67-1
名称 S-エチル=ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-カルボチオアート (別名:モリネート)
物質ID R02-B-091-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点が100℃ (closed cup) (GESTIS (Access on June 2020)) という情報より、区分に該当しない。
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 369 mg/kg (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、GESTIS (Access on June 2020))
(2) ラットのLD50: 雌: 560 mg/kg、雄: 614 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
(3) ラットのLD50: 雌: 560.2 mg/kg、雄: 613.7 mg/kg (農薬抄録 (2014))
(4) ラットのLD50: 雄: 584 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
(5) ラットのLD50: 雌: 660 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
(6) ラットのLD50: 雄: 722 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。
なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
(2) ウサギのLD50: 3,540 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020))
(3) ウサギのLD50: > 10,000 mg/kg (HSDB (Access on June 2020))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.06 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 雌: 1.39 mg/L、雄: 2.91 mg/L (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)、農薬抄録 (2014))
(2) 本物質の蒸気圧: 0.0056 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.06 mg/L)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない (国連分類基準の区分3相当) とした。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990))。
(2) ウサギを用いた24時間閉塞適用による皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (農薬抄録 (2014))。

【参考データ等】
(3) 本物質は皮膚刺激性を示さない (EHC 76 (1988))。
(4) 本物質の 1%溶液を、接触皮膚炎または非アレルギー皮膚炎の患者294 人に皮膚塗布した試験で、刺激性及びアレルギー反応はみられなかった (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分2Aとした。区分2A相当を示す新しいデータ (4) が得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質は中等度の眼刺激性を有する (EHC 76 (1988)、HSDB (Access on June 2020))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度~強度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度の刺激性が認められ、72時間後には回復した (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990))。
(4) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度~強度の刺激性が認められ、適用11日目には全て回復した (農薬抄録 (2014))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) の記載はあるが、詳細が不明或いは分類に利用できない情報であり分類できない。得られたデータを再検討した結果、分類結果を変更した。

【参考データ等】
(1) 本物質の1%溶液を接触性皮膚炎または非アレルギー皮膚炎の患者294 人に皮膚塗布した試験で、刺激性及びアレルギー反応はみられなかった (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性であった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (Open Epicutaneous Test) で陰性であった (農薬工業会「日本農薬学会誌」第15巻第1号 (1990)、農薬抄録 (2014))。
(4) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(2) in vitroでは、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験において代謝活性化系存在下で弱い陽性の報告があるが、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験などその他のin vitro試験において陰性の報告である (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014)、農薬工業会「食品衛生研究」第51巻第1号 (2001))。
(3) 本物質は生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられるとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2014))。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より区分2とした。新たな情報源を用いて検討し、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenicity, but not Sufficient to Assess Human Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):2000年分類)、EU CLP分類でCarc.2 (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した2つ (Wistarラット及びSDラット) の慢性毒性/発がん性併合試験において、Wistarラットを用いた試験では、雄で精巣間細胞腫の発生頻度の有意な増加が、SDラットを用いた試験では、雄で腎細胞腺腫及びがん合計の発生頻度の有意な増加が認められた。どちらの試験においても雌では腫瘍発生は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、本物質による生殖影響が示され、(1) より、雌雄生殖器毒性による生殖能への影響がみられていることから区分1Bとした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌による2世代繁殖試験において、雄親動物に10 ppm (0.8~1.1 mg/kg/day) 以上で異常精子数増加、15 ppm (1.3 mg/kg/day) で精子運動能低下等、雌親動物に50 ppm (4.7~5.6 mg/kg/day) 以上で卵巣間質細胞空胞化及び肥大、副腎束状帯のび漫性微細脂肪変性等がみられ、両世代の雄15 ppm (P: 1.3 mg/kg/day、F1: 1.6 mg/kg/day)、雌300 ppm (P: 28.8 mg/kg/day、F1: 34.5 mg/kg/day) で生存児数 (出生時及び哺育期) 減少、F1世代の雄15 ppm (F1: 1.6 mg/kg/day)、雌300 ppm (F1: 34.5 mg/kg/day) で交配成功率低下等がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、重篤な母動物毒性 ((切迫屠殺1例)、流涎、体重体重増加抑制、摂餌量減少、赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害 (20%以上)) がみられる用量 (140 mg/kg/day) で、早期及び中期吸収胚数増加、生存胎児数減少、低体重、外表、内臓及び骨格変異増加がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、重篤な母動物毒性 (流産 (4例)、体重増加抑制、肝絶対及び比重量増加) がみられる用量 (200 mg/kg/day) で、胎児に骨格変異 (胸骨分節不完全骨化、第15肋骨短小化) がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。

【参考データ等】
(4) 上記 (1) の繁殖試験において、ラットで精子運動性低下、交配成功率低下等が認められたことから、機序検討試験を実施した結果、雄の繁殖毒性の発生機序はコレステロール代謝障害によるステロイド合成阻害であることが示唆された (食安委 農薬評価書 (2013))。
(5) EU CLP分類はRepr. 2に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系)、区分2 (生殖器 (男性))、区分3 (気道刺激性)



危険
警告
H370
H371
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。(1)~(6) より、区分1 (神経系)、区分2 (生殖器 (男性))、区分3 (気道刺激性) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 雌ラットの単回経口投与試験において、200 mg/kg (区分1の範囲) 以上で運動量低下、1,000 mg/kg (区分2の範囲) 以上で鎮静、流涎、流涙、呼吸困難、頻尿、体温低下がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(2) 雄ラットの単回経口投与試験において、464 mg/kg (区分2の範囲) 以上で、鎮静及び頻尿がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(3) 雄ラットの単回経口投与試験において、492 mg/kg (区分2の範囲) 以上で鎮静、流涎、過度の咀嚼運動がみられ、1,060 mg/kg (区分2の範囲) 以上で運動機能低下、流涙がみられた。1,060 mg/kgの死亡例で運動失調、間欠性の振戦、眼周囲の血液滲出、頻尿及び体温低下がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(4) ラットの単回経口投与試験において、288 mg/kg (区分1の範囲) 以上で後肢痙攣、眼脂分泌がみられ、死亡時には間代性痙攣または振戦がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(5) ラットの経口投与による急性神経毒性試験において、350 mg/kg (区分2の範囲) の雄で体重及び摂餌量低下、赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害、精巣萎縮がみられ、雌で体重低下、脳ChE活性阻害、脳梨状皮質及び歯状回神経細胞の壊死 (1例) がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(6) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、0.41 mg/L (区分1の範囲) 以上で流涎、2.59 mg/L (区分2の範囲) で流涙、1.09 mg/L (区分2の範囲) 以上で鼻漏がみられた。2.59 mg/L (区分2の範囲) 以上で音に対する反応性の低下、呼吸深度増加、呼吸数減.、反射反応低下、鎮静、運動量低下、呼吸速度低下及び呼吸深度増加、振戦、歩幅拡大、うずくまり、運動機能低下、異常呼吸音 (上気道に対する軽微な刺激) がみられた。雄の剖検時には、精巣の退色及び形状の縮小、腎肥大及び淡色化がみられ、病理組織学的検査では精巣に両側性の梗塞、精巣上体の精子数減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、筋肉、生殖器 (男性))、区分2 (副腎、生殖器 (女性))


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分1 (神経系、筋肉、生殖器 (男性))、区分2 (副腎、生殖器 (女性)) とした。新たな情報を用いて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、50 ppm (雄/雌: 4.0/4.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で神経障害標的エステラーゼ (NTE) 活性が用量相関的に低下したほか、150 ppm (雄/雌: 11.7/13.9 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌で脳及び赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害が、450 ppm (雄/雌: 35.5/41.0 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で脳及び赤血球ChE活性阻害がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(2) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、70 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雄で尿細管細胞変性、副腎皮質細胞空胞化が、140 mg/kg/day (区分2超) の雄で精子無形成を伴う精細管の退行性変化、雌で卵巣萎縮、副腎皮質細胞空胞化がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、16 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌で卵巣間質細胞泡沫空胞形成が、32 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌で副腎重量増加、副腎皮質細胞空胞化がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(4) ラットを用いた慢性毒性/発がん性併合試験の結果、50 ppm (雄/雌: 1.97/2.55 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で眼検査における網膜異常、骨格筋の筋線維変性、雄で精細管萎縮が、100 ppm (3.90/5.13 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌で網膜の限局性萎縮が、200 ppm (7.90/10.5 mg/kg/day、雄は区分1、雌は区分2の範囲) の雄で骨格筋の衛星細胞過形成、雌で卵巣絶対重量増加がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(5) ラットを用いた慢性毒性/発がん性併合試験の結果、7 ppm (0.3/0.4 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄で骨格筋の萎縮及び衛星細胞過形成が、40 ppm (1.8/2.0 mg/kg/day、区分1) 以上の雌雄で坐骨神経の変性及び脱髄、雌で骨格筋の萎縮及び衛星細胞過形成が、300 ppm (13/15 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で後肢内転、後肢の運動失調、赤血球ChE活性阻害、脊髄の好酸性小体が、雄で精巣上体の精子減少、脊髄の変性、雌で卵巣の卵胞膜/間質細胞空胞化/肥大等がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(6) マウスを用いた18か月発がん性試験の結果、100 ppm (10.4/13.9 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雄で精巣の精細管変性が、1,000 ppm (105/133 mg/kg/day、区分2超) 以上の雌雄で赤血球数、ヘモグロビン及びヘマトクリット値減少、副腎のセロイド又はリポフスチン沈着、石灰化、脳の好酸性小体増加、坐骨神経の脱髄、シュワン細胞過形成が、雌で白血球数減少、脊髄の好酸性小体増加、卵巣の卵胞膜/間質細胞過形成が、2,000 ppm (200/249 mg/kg/day、区分2超) の雌雄で後肢筋衰弱、後肢内転及び運動失調、肺のクララ細胞過形成、雄で精巣重量減少、小葉中心性肝細胞肥大、脊髄の好酸性小体、雌で乳腺及び子宮の萎縮等がみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(Cypridopsis)96時間LC50 = 0.25 mg/L(EHC 76, 1988)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.32 mg/L(農薬抄録, 2014)から、区分2とした。慢性毒性の分類方法の変更により、旧分類から分類結果が変更となった。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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