政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 834-12-8
名称 2-エチルアミノ-4-イソプロピルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン (別名:アメトリン)
物質ID R02-B-096-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素、塩素及びフッ素を含まない有機化合物であり、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 673 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2007))
(2) ラットのLD50: 雌: 1,009 mg/kg、雄: 1,356 mg/kg (EPA Pesticides RED (2005)、HSDB (Access on June 2020))
(3) ラットのLD50: 雌: 1,010 mg/kg、雄: 1,360 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2007))
(4) ラットのLD50: 1,162 mg/kg (EPA Pesticides RED (2005))
(5) ラットのLD50: 雌: 1,420 mg/kg、雄: 1,810 mg/kg (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: > 2,020 mg/kg (EPA Pesticides RED (2005)、食安委 農薬評価書 (2007)、HSDB (Access on June 2020))
(2) ウサギのLD50: 8,160 mg/kg (Patty (6th, 2012)、GESTIS (Access on June 2020)、HSDB (Access on June 2020))
(3) ラットのLD50: > 3,100 mg/kg (Patty (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2020))
(4) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (3.4E-005 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 5.03 mg/L (EPA Pesticides RED (2005)、食安委 農薬評価書 (2007))
(2) ラットのLC50 (4時間): > 5.17 mg/L (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))
(3) ラットのLC50 (4時間): > 6.50 mg/L (Patty (6th, 2012))
(4) 本物質の蒸気圧: 2.74E-006 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 3.4E-005 mg/L)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しない (国連分類基準の区分3相当) とした。

【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2500に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で、非刺激物と判定されている (EPA Pesticides RED (2005))。
(2) 本物質はウサギを用いた眼及び皮膚刺激性試験において米国EPA では陰性と判断されたが豪州APVMA では軽度の刺激性ありと判断された (食安委 農薬評価書 (2007))。
(3) 本物質はウサギの皮膚に対して軽度の刺激性を示すと報告されている (Patty (6th, 2012))。
(4) 本物質のOECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で パッチ除去1時間後にごく軽度の紅斑がみられたが、24時間後には消失した (REACH登録情報 (Access on September 2020))。

【参考データ等】
(5) 本物質の製剤 (乳剤) のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、軽度の刺激性 が認められ、紅斑は14日後、浮腫は4日後までに消失した (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))。
(6) 本物質の製剤 (水和剤) のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性は認められなかった (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分2とした。なお、細区分の明白な根拠が得られないことから、細区分は除外し、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2400に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で、角膜には傷害はみられず、軽度の結膜刺激性 (発赤、浮腫、分泌物) がみられたが、洗眼群では適用72時間後までに回復した (EPA Pesticides RED (2005))。
(2) 本物質はウサギを用いた眼及び皮膚刺激性試験において米国EPA では陰性と判断されたが豪州APVMA では軽度の刺激性ありと判断された (食安委 農薬評価書 (2007))。
(3) 本物質はウサギの眼に対して軽度の刺激性或いは非刺激性と報告されている (Patty (6th, 2012))。
(4) 眼に対して中等度の刺激性を示す (HSDB (Access on June 2020))。

【参考データ等】
(5) 本物質の製剤 (乳剤) のウサギを用いた眼刺激性試験で、軽度の刺激性 (角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤ならびに腫脹) が認められたが、1/6例については角膜の混濁が軽減はしたが観察終了時でも消失しなかった (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))。
(6) 本物質の製剤 (水和剤) のウサギを用いた眼刺激性試験で、角膜及び結膜への刺激が認められ、多くは2日後には消失したが、1/6例については7日後まで持続した (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))。
(7) 本物質 (20 mg) のOECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で、非刺激物と判定されている (REACH登録情報 (Access on September 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2600に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性と報告されている (EPA Pesticides RED (2005))。
(2) 本物質はモルモットを用いた皮膚感作性試験で米国EPA では陰性と判断されたが、豪州APVMA では軽度の皮膚感作性と判断された (食安委 農薬評価書 (2007))。
(3) EU Method B.6 (Skin Sensitisation) に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性と報告されている (REACH登録情報 (Access on September 2020))。

【参考データ等】
(4) 本物質はモルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性と報告されているが、皮内投与 (閉塞、10回/日) による皮膚感作性試験で、貼付による惹起では感作性はみられなかったが、皮内投与による惹起では陽性反応がみられている (Patty (6th, 2012))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、 区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、優性致死試験において陰性の報告がある (Patty (6th, 2012))。マウスの骨髄細胞を用いる小核試験、ラットの肝臓を用いる不定期DNA合成試験及びコメットアッセイにおいて陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2007)、CEBS (Access on June 2020))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験、マウスリンフォーマ試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2007)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993)、Patty (6th, 2012))。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より区分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):2017年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雄で精巣間細胞腫、精巣上体中皮腫及び甲状腺ろ胞細胞腫瘍、雌で肝細胞腺腫及び乳腺腺がんの増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2007))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の増加はみられなかった (食安委 農薬評価書 (2007))。
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌による2世代繁殖試験において、親動物毒性 (低体重、体重増加抑制及び摂餌量減) がみられる用量で児動物に低体重及び体重増加抑制がみられたが、繁殖能への影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2007))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (活動性の低下、死亡率の上昇、低体重等) がみられる用量 においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2007))。
(3) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡、行動の変化、摂餌量及び体重減少、着床部位の出血性変性) がみられ、胎児では低体重及び骨化遅延がみられたが催奇形性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2007))。
(4) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重及び摂餌量の減少、肝の絶対及び比重量の増加) 用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2007))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2 (神経系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。(1)、(2) より、区分2 (神経系) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質によるラットの急性中毒症状 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくともLD50値 (経口: 雄: 1,810 mg/kg 雌: 1,420 mg/kg、経皮: > 5,000 mg/kg、吸入: > 5,170 mg/m3、区分2の範囲) 付近で影響がみられたと想定) として、自発運動量の低下、流涎、腹臥、横臥、鎮静、歩行異常がみられた (農薬工業会「日本農薬学会誌」第18巻第4号 (1993))。
(2) マウスの単回経口投与試験において、1,600 mg/kg (区分2の範囲) 以上で、過剰な唾液分泌、流涙、振戦、運動失調、横臥がみられた (REACH登録情報 (Access on October 2020))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (血液系、肝臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物では、(1)、(2) より区分2の用量で血液系及び肝臓への影響がみられていることから、区分2 (血液系、肝臓) とした。新たな情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの90日間混餌投与試験では、500 ppm (ガイダンス換算値: 25 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上でプロトロンビン時間の延長、雌ではヘマトクリット値の低下及びALP上昇、2,000 ppm (ガイダンス換算値: 100 mg/kg/day、区分2の範囲) で赤血球数の減少、ヘモグロビンの低下、雄では脾臓へのヘモジデリン沈着がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2007))。
(2) イヌの1年間混餌投与試験では、2,000 ppm (ガイダンス換算値: 100 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上で貧血、AST、ALT、ALP及びγ-GTPの上昇、肉芽腫性肝炎、化膿性肝炎、リンパ球性肝炎、単細胞壊死、色素沈着、空胞変性、胆管増生及び壊死、リンパ組織、精巣、唾液腺の萎縮等がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2007))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(ミシッドシュリンプ)96時間LC50 = 2.3 mg/L(EPA RED, 2006)であることから、区分2とした。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BODによる4週間分解度:0%(METI既存点検結果, 2001))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.24 mg/L(EPA RED, 2006)から、区分2とした。慢性毒性の分類方法の変更により、旧分類から分類結果が変更となった。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る