政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 460-19-5
名称 オキサロトリル (別名:ジシアン)
物質ID R02-B-099-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分1


危険
H220 P210
P377
P381
P403
爆発限界6.6~32 vol% (NFPA (14th, 2010) より、区分1とした。なお、UNRTDGにおいてUN 1026、クラス2.3、副次危険性2.1に分類されている。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDGにおいてUN 1026、クラス2.3、副次危険性2.1に分類されており、副次危険性を含めてクラス5.1には分類されていないため、区分に該当しない。
5 高圧ガス 低圧液化ガス


警告
- - 臨界温度128.3℃ (HSDB (Access on June 2020)) より、低圧液化ガスとした。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (1時間): > 250 ppm~< 400 ppm (4時間換算値: > 125 ppm~< 200 ppm) (US AEGL (2014))
(2) ラットのLC50 (1時間): 350 ppm (4時間換算値: 175 ppm) (ACGIH (7th, 2016)、Patty (6th, 2012))
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の記載はあるが、データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) EU Method B.4 (Acute Toxicity: Dermal Irritation/Corrosion) 相当のウサギの全身ばく露による試験で、刺激性なしと報告されている (REACH登録情報 (Access on September 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトにおいて16 ppmで眼の刺激を示す (ACGIH (7th, 2016)、ATSDR (2006)、US AEGL (2014)、GESTIS (Access on June 2020)、HSDB (Access on June 2020)、REACH登録情報 (Access on September 2020))。
(2) 本物質の眼への影響は結膜発赤、軽度の浮腫、流涙、羞明、刺痛感などがある (CICAD 61 (2004))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) のEPAの分類結果しか得られておらず、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでI (Inadequate information to assess the carcinogenic potential) (IRIS Tox Review (2010)) に分類されている。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用、気道刺激性)



危険
警告
H370
H336
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用、気道刺激性) とした。

【根拠データ】
(1) ヒトにおいて、本物質の16 ppmに6又は8分間ばく露されたボランティアで眼及び鼻の刺激がみらればく露停止後、数分間刺激が持続した。8 ppmの6分間ばく露ではこれらの刺激はみられなかった (ACGIH (7th, 2016)、US AEGL (2014)、ATSDR (2006))。
(2) ラットを250 ppmの本物質に7.5~120分間ばく露 (120分間ばく露の4時間換算値は85 ppm (区分1の範囲)) した結果、眼の刺激、窒息、中枢神経系への影響 (落ち着きのないパニック様動作、協調運動の低下、振戦、嗜眠等) がみられている (ATSDR (2006))。

【参考データ等】
(3) シアン化物への急性ばく露の標的器官は、中枢神経系、呼吸器系、心血管系である。高濃度のシアン化物にばく露すると、急速に死に至る (ATSDR (2006))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。

【参考データ等】
(1) ラットの6ヵ月間吸入ばく露試験では、25 ppm (ガス、0.0532 mg/L、区分1の範囲) までで影響はみられなかったとの報告がある (ACGIH (7th, 2016)、CICAD 61 (2004)、IRIS Tox Review (2010)、US AEGL (2014))。
(2) サルの6ヵ月間吸入ばく露試験では、11 ppm (ガス、0.0234 mg/L、区分1の範囲) 以上で総肺水分量の低下、 25 ppm (気体、0.0532 mg/L、区分1の範囲) で一過性の行動変化 (詳細不明) がみられたとの報告があるのみである (同上)。
10 誤えん有害性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(イカダモ)72時間ErC50 = 0.12 mg/L(REACH登録情報, 2020)であることから、区分1とした。なお、本物質は加水分解によって速やかにシアン化水素(CAS番号74-90-8)を生成する。シアン化水素は水中では非解離のシアン化水素とシアン化物イオンの平衡状態にあり、pHが8未満では93%以上が非解離のシアン化水素として存在する(NITE初期リスク評価(無機シアン化合物), 2008)が、信頼性のある急性毒性データは得られていない。
新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急性毒性は区分1であることから、区分1とした。なお、本物質は加水分解によって速やかにシアン化水素(CAS番号74-90-8)を生成する。シアン化水素は水中では非解離のシアン化水素とシアン化物イオンの平衡状態にあり、pHが8未満では93%以上が非解離のシアン化水素として存在する(NITE初期リスク評価(無機シアン化合物), 2008)が、信頼性のある毒性データは得られていない。
新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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