政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 314-40-9
名称 5-ブロモ-3-セコンダリ-ブチル-6-メチルウラシル (別名:ブロマシル)
物質ID R02-B-104-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2003)) との情報より、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2003)) との情報より、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2003)) との情報より、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 550 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2016))
(2) ラットのLD50: 641 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)、HSDB (Access on June 2020))
(3) ラットのLD50: 641~5,200 mg/kg (Patty (6th, 2012))
(4) ラットのLD50: 雌: 691 mg/kg、雄: 701 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2016)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第406号 (1992))
(5) ラットのLD50: 雌: 3,998 mg/kg、雄: 5,126 mg/kg (EPA Pesticides RED (1996))
(6) ラットのLD50: 雄: 5,200 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on June 2020))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2016)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第406号 (1992))
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2016))
(3) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (EPA Pesticides RED (1996)、Patty (6th, 2012)、GESTIS (Access on June 2020))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (4.3E-006 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 4.8 mg/L (ACGIH (7th, 2001)、Patty (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2020))
(2) ラットのLC50 (4時間): > 14.4 mg/L (EPA Pesticides RED (1996))
(3) 本物質の蒸気圧: 3.07E-007 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 4.3E-006 mg/L)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しない (国連分類基準の区分3相当) とした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性なしと報告されている (REACH登録情報 (Access on September 2020))。
(2) EPA OPP 81-5に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で、一次刺激性スコアは0.8であり、カテゴリーIV (適用72時間後において刺激なし或いは軽度の紅斑がみられる) に分類されている (EPA Pesticides RED (1996))。
(3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2016))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1) EPA OPP 81-4に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で、軽度刺激性で毒性カテゴリーIII (角膜への影響あり或いはその他の症状は適用7日以内に消失する。) と報告されている (EPA Pesticides RED (1996))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験で、軽度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2016))。

【参考データ等】
(3) 本物質 のOECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験 (適用量 0.09 g) で、角膜混濁はみられず、虹彩及び結膜に刺激性反応がみられたが、適用72時間以内に全て消失し、刺激性なしと判定された (REACH登録情報 (Access on September 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質のOECD TG 406に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、原体/プロピレングリコール 1:1混合を適用) で皮膚反応は観察されず、感作性陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on September 2020))。
(2) 本物質は感作性を示さない (ACGIH (7th, 2001))。
(3) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (改良ビューラー法) で、感作性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2016))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いる小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2016))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験において陽性、陰性の報告がある (同上)。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より区分2とした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001))、EPAでC (Possible Human Carcinogen) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):1993年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与に関連して発生頻度が増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2016))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験において、雄で肝細胞腺腫及び肝細胞がんの合計の発生頻度に有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2016))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、母動物毒性がみられる用量で吸収胚数増加、生存胎児数減少がみられ、母動物毒性、胎児毒性の程度が不明のためガイダンスに従い区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、摂餌量減少) がみられる用量 (300 mg/kg/day以上) で、吸収胚数の増加、生存胎児数の減少がみられている (食安委 農薬評価書 (2016))。

【参考データ等】
(2) ラットを用いた混餌による2世代繁殖試験において、親動物毒性 (過剰反応、体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量 (2,500 ppm (P雄: 145、P雌: 173、F1雄: 191、F1雌: 217 mg/kg/day)) で、児動物に体重増加抑制 (有意差なし) がみられている (食安委 農薬評価書 (2016))。
(3) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に体重増加抑制、体重減少、肝臓絶対相対重量増加がみられる最高用量まで、胎児には軽微な影響 (骨格変異、低体重) がみられただけであった (食安委 農薬評価書 (2016))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。(1) より、区分1 (神経系) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの経口投与試験 (175、550、1,750 mg/kg) では、175 mg/kg (区分1の範囲) 以上で嗜眠、運動失調、550 mg/kg (区分2の範囲) で高姿勢歩行 (high carriage)、緩徐呼吸、腹臥位、蒼白、瀕死、550 mg/kg (区分2の範囲) 以上で筋緊張低下、流涙、散瞳、歩行異常、振戦がみられた (食安委 農薬評価書 (2016))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物の経口経路の試験では、(1)、(2) より、区分2までの用量で標的臓器を特定できる毒性所見がないことから、経口経路では区分に該当しないと考えられる。しかし、他経路での毒性情報がないことから、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) ラットの2年間混餌投与試験では、2,500 ppm (雄/雌: 103/144 mg/kg/day相当、いずれも区分2超) の雄では甲状腺嚢胞状ろ胞、副腎皮質球状帯明細胞巣、雌では胸腺上皮過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2016)、EPA Pesticides RED (1996))。
(2) マウスの18ヵ月間混餌投与試験では、1,250 ppm (雄/雌: 163/256 mg/kg/day相当、いずれも区分2超) 以上の雄ではびまん性肝細胞肥大、精巣間細胞過形成/肥大、精巣萎縮、精母細胞壊死、雌では腎乳頭壊死がみられ、5,000 ppm (雄/雌: 719/1,030 mg/kg/day相当、いずれも区分2超) の雄では変性肝細胞及び単細胞壊死、肝細胞質硝子滴変性、精巣間細胞セロイド沈着、雌ではびまん性肝細胞肥大がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2016)、EPA Pesticides RED (1996))。
10 誤えん有害性 分類できない
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-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 = 0.027 mg/L (水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2014)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.0010 mg/L(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2014)から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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