項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 13477-10-6 |
名称 | 次亜塩素酸バリウム |
物質ID | R02-B-109-MHLW |
分類実施年度 | 令和2年度(2020年度) |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2007年度(平成19年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | UNRTDGにおいて、UN 2741、クラス5.1、PGⅡに分類されていることから、優先評価項目の自然発火性物質には該当しないと考えられるため、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 金属 (Ba) を含むが、水にわずかに溶ける (HSFS (2001)) というデータが得られており、水と急激な反応をしないと考えられるため、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分2 |
危険 |
H272 | P370+P378 P210 P220 P280 P501 |
UNRTDGにおいて、UN 2741、クラス5.1、PGⅡに分類されていることから、区分2とした。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 無機化合物であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質自体のデータはないが、(1) より区分1とした。新しい情報を基に分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 次亜塩素酸イオンはアルカリ性を示すため、次亜塩素酸カルシウム (CAS番号 7778-54-3) が皮膚腐食性を示す (AICIS (旧 NICNAS) IMAP (2015)) と同様に、本物質も 皮膚に対し腐食性を示すと考えられる。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
【分類根拠】 (1) より、区分1とした。新しい情報を基に分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚腐食性 (区分1) に区分されている (令和2年度GHS分類結果)。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 本物質自体の情報はないが、本物質は水溶液中で次亜塩素酸イオンとバリウムイオンに解離すると考えられることから、次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9) 及び塩化バリウム・二水和物 (CAS番号 10326-27-9) の情報に基づき検討した。 (1)~(4) より、塩化バリウム・二水和物のin vivoデータが不足しており分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9) について、in vivoでは、マウス腹腔内又は経口投与の骨髄を用いた小核試験で陰性、マウス経口投与の骨髄を用いた染色体異常試験で陰性、ラット経口投与のDNA損傷試験で陰性の報告がある (EURAR (2007)、NTP TR392 (1992)、Patty (6th, 2012))。 (2) 次亜塩素酸ナトリウムについて、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、陽性の結果、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性、陽性の結果 (EURAR (2007)、NTP TR392 (1992))、姉妹染色分体交換試験で陽性の報告がある (EURAR (2007))。 (3)塩化バリウム・二水和物 (CAS番号 10326-27-9) について、in vivoデータはなかった。 (4)塩化バリウム・二水和物 のin vitroデータでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験 (SCE) で陰性の報告、マウスリンフォーマ試験で陽性の報告がある (CEBS (Access on August 2019)、NTP TR432 (1994))。 |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 本物質の国内外の分類機関による既存分類及び発がん性に関する報告は得られていないが、本物質は水溶液中で次亜塩素酸イオンとバリウムイオン解離すると考えられ、(1) の既存分類結果及び(2)、(3) の次亜塩素酸ナトリウムの実験動物での発がん性試験結果より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでバリウム及び可溶性バリウム化合物としてA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されている。また、本物質は含まれないが、IARCでは次亜塩素酸塩としてグループ3 (IARC 52 (1991)) に分類されている。 (2) 次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9) のラットを用いた104週間飲水投与試験、マウスを用いた103週間飲水投与試験において、腫瘍発生率の有意な増加はみられていない (IARC 52(1991))。 (3) 次亜塩素酸ナトリウムのマウスを用いた経皮経路での発がん性試験において、発がん性はみられていない (IARC 52(1991))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 本物質のデータはないが、本物質は水溶液中で次亜塩素酸イオンとバリウムイオンに解離すると考えられる。したがって、次亜塩素酸 (CAS番号 7790-92-3) と水溶性バリウムのデータを基に分類を検討した。次亜塩素酸については概ね生殖影響はないと考えられるが、器官形成期のみに投与した発生毒性のデータがないことから、データ不足のため分類できない。また、バリウムイオンについては分類できない。以上より、データ不足のため分類できないとした。 【根拠データ】 (1) ラットに次亜塩素酸を強制経口投与した1世代生殖毒性試験において、毒性の臨床徴候、血液学的変化、体重、精子数、精子運動性、精子形態、生殖器官の病理組織学的病変は認められず、受胎能、胎児生存率、同腹児数、胎児体重、開眼日、膣開口日に用量依存性の影響はみられていない (EURAR (2007)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。 (2) 雌ラットに次亜塩素酸を交配前2.5ヵ月から妊娠期間中に飲水投与した試験において、母動物毒性、発生毒性はみられていない (EURAR (2007)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2014))。 (3) EURAR (2007) では、次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9) のデータはない。しかし、次亜塩素酸や塩素を用いた動物試験結果について、データは限られているが、次亜塩素酸ナトリウムは次世代の発生または受胎能に有害な影響を及ぼすことを示唆する証拠はないという結論を導くことが可能と報告されている。同様に、塩素処理された飲料水を摂取している集団に関する疫学研究からも、そのような証拠は得られていないとしている (EURAR (2007))。 (4) バリウム塩の生殖影響については、塩化バリウム (CAS番号 10361-37-2)、炭酸バリウム (CAS番号 513-77-9) とも情報不足で分類できないとしている (2014年度GHS分類)。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (神経系、心血管系、筋肉、消化器)、区分3 (気道刺激性) |
危険 警告 |
H370 H335 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 本物質に関する情報はないが、本物質は水溶液中で次亜塩素酸イオンとバリウムイオン解離すると考えられることから、次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9)、水溶性バリウム化合物の情報に基づき検討した。(1)~(4) より、区分1 (神経系、心血管系 、筋肉、消化器)、区分3 (気道刺激性) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) バリウム及び水溶性バリウム化合物は、眼や皮膚への刺激性、吐き気、嘔吐、疝痛、下痢などの胃腸障害、心筋やその他の筋肉刺激性がみられるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 (2) ヒトでのバリウムによる中毒では、急性胃腸炎、筋肉麻痺に伴う深部反射の消失、進行性筋麻痺がみられるとの報告がある (EHC 107 (1990))。 (3) ラットでは、バリウム摂取により、流涎、吐き気、下痢、頻脈、低カリウム血症、痙攣、骨格筋の弛緩性麻痺、呼吸筋麻痺、心室細動がみられるとの報告がある (EHC 107 (1990))。 (4) 次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9) の特定標的臓器毒性 (単回ばく露) は、区分3 (気道刺激性) である (令和2年度GHS分類結果)。 【参考データ等】 (5) 炭酸バリウム (CAS番号 513-77-9) の特定標的臓器毒性 (単回ばく露) は、区分1 (神経系、心血管系、筋肉系)、区分3 (気道刺激性) である (平成26年度GHS分類結果)。 (6) 塩化バリウム (CAS番号 10361-37-2) の特定標的臓器毒性 (単回ばく露) は、区分1 (神経系、心血管系、筋肉系、腎臓)、区分3 (気道刺激性) である (平成18年度GHS分類結果)。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (心血管系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 本物質自体の情報はないが、本物質は水溶液中で次亜塩素酸イオンとバリウムイオン解離すると考えられることから、次亜塩素酸ナトリウム (CAS番号 7681-52-9)、水溶性バリウム化合物の情報に基づき検討した。(3)、(4) より次亜塩素酸ナトリウムの経口及び経皮経路の反復投与毒性は低いと考えられるが、(1)、(2) の水溶性バリウム化合物の情報に基づき、区分1 (心血管系) とした。新たな情報を加えて検討を行った結果、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 塩化バリウム等の可溶性バリウムを含む飲料水を摂取していた居住地区のヒトの集団において、高血圧、心臓疾患、発作の発生頻度の上昇は認められなかったとの報告、並びに、同様の他の集団において心血管障害、動脈硬化症など心臓疾患による死亡率の増加がみられた (ATSDR (2007))。 (2) 鉱物処理施設において様々なグレードのバリウムの混合及び粉砕によって平均1068.5 mg/m3 の可溶性バリウムにばく露された労働者における高血圧症の発生率の増加が報告されている (CICAD 33 (2001))。 (3) 次亜塩素酸ナトリウムを用いた飲水投与試験では、ラット、マウスに90日間及び2年間投与した場合も摂水量低下に伴うものと考えられる体重増加抑制がみられたのみである (EURAR (2007)、SIAR (2006))。 (4) マウスに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を51週間 (週2回) 経皮適用した試験で、投与に関連した影響はみられなかった (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)、EURAR (2007)、SIAR (2006))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
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- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | - |
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11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | - |
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12 | オゾン層への有害性 | - |
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