政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 22373-78-0
名称 モネンシンナトリウム
物質ID R02-B-120-MHLW
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50 (菌糸体): 雌: 22 mg/kg、雄: 40 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(2) ラットのLD50 (菌糸体): 雌: 24 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(3) ラットのLD50 (菌糸体): 雌: 205.1 mg/kg、雄: 290.4 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(4) ラットのLD50 (結晶): 雌: 238.0 mg/kg、雄: 318.0 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(5) ラットのLD50: 21.7~50 mg/kg (EU EMEA (2007))
(6) ラットのLD50: 雌: 86~130 mg/kg、雄: 340~860 mg/kg (EU EFSA (2005))

【参考データ等】
(7) 感受性は、種間で大きく異なるが、試験に供した全ての動物における毒性徴候は類似しており、死亡、食欲不振、自発運動の低下、骨格筋の筋力低下、歩行失調、下痢及び体重増加抑制であった。総じて、雌は雄より感受性が高かった。毒性影響にモネンシンの形態 (結晶又は菌糸体) による有意な違いはみられなかった (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(8) マウスのLD50 (菌糸体): 雄: 70 mg/kg、雌: 96 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(9) マウスのLD50 (菌糸体): 雌: 230.1 mg/kg、雄: 302.0 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(10) マウスのLD50 (結晶): 雌: 330.0 mg/kg、雄: 368.0 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
(11) マウスのLD50 (結晶): 雄: 350.0 mg/kg (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分3とした。
なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 550 mg/kg、雄: 700 mg/kg (EU EFSA (2005))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質の原体及び20%調製物のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性はみられていない (EU EFSA (2005))。

【参考データ等】
(2) 菌糸体モネンシン (モネンシン活性 13.4%、本物質として10.6 mg) をウサギ (n=3) の皮膚に 500 mg/kgの用量で単回適用した試験で、1例に軽度の紅斑がみられた以外には刺激性はみられていない (EU EFSA (2004)、HSDB (Access on June 2020))。
(3) モネンシン顆粒 (9.9%調製液) をウサギ (n=3) の皮膚に 2000 mgを24時間閉塞適用した試験で、皮膚には亀裂や硬化がみられ、正常に回復したが、1例が死亡した (EU EFSA (2004))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質の原体及び20%調製物のウサギを用いた眼刺激性試験で、原体では刺激性はみられなかったが、20%調製物では急性の結膜浮腫及び軽度の結膜発赤がみられ、軽度刺激性と報告されている (EU EFSA (2005))。
(2) 本物質の原体、50%及び10%溶液のウサギを用いた眼刺激性試験で、50%及び10%溶液の刺激性はほとんどない或いは軽微で、原体では軽度の刺激性はみられたが、48時間後には回復した (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。

【参考データ等】
(3) 菌糸体モネンシン (モネンシン活性 13.4%、本物質として10.6 mg) を適用したウサギ (n=3) を用いた眼刺激性試験で、重度の角膜混濁、虹彩の充血、結膜の炎症と浮腫が24時間以内に観察されたが、これらの反応は治癒することなく、2/3例が死亡した (EU EFSA (2004))。
(4) 乾燥菌糸体モネンシン (59 mg) を適用したウサギ (n=3) を用いた眼刺激性試験で、角膜混濁、著しい虹彩炎、中等度の結膜炎が1時間から観察され、1/3例では7日後に穿孔を伴うブドウ腫、回復に伴い著しい血管新生がみられた (EU EFSA (2004)、JECFA FAS 61 (2009)、食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015)、HSDB (Access on June 2020))。
(5) 本物質を含む製剤 (53 mg) をウサギに適用した眼刺激性試験で、軽度の角膜混濁、著しい虹彩炎、中等度の結膜炎が適用1時間以内に観察され、適用2時間以内に明らか~重度の角膜混濁、重度の結膜炎が観察され、角膜混濁は回復しなかった (EU EFSA (2004)、JECFA FAS 61 (2009)、食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015)、HSDB (Access on June 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1B


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (モネンシンとして93.8%) のOECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) で、50 mg/mL (5%) から陽性反応がみられている (EU EFSA (2004)、JECFA FAS 61 (2009))。
(2) 本物質を含む製剤のOECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) で、陽性反応がみられている (EU EFSA (2004))。

【参考データ等】
(3) 本物質の原体及び20%調製物のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、原体及び20%調製物共に感作性陰性と報告されている (EU EFSA (2005))。
(4) 菌糸体モネンシンのモルモットを用いた皮膚感作性試験 (改変ビューラー法) で、感作性は認められなかった (EU EFSA (2004)、JECFA FAS 61 (2009)、食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015)、HSDB (Access on June 2020))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。情報を追加し分類を変更した。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、経口投与したマウスを用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015)、JECFA FAS 61 (2009)、EU EFSA (2005))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験及び遺伝子突然変異試験において陰性の報告がある (同上)。
6 発がん性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。本物質の発がん性試験 (1)、(2) 及び本物質の遊離酸の発がん性試験 (3) のいずれでも投与に関連した腫瘍発生率の増加はみられず、区分に該当しないとした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、悪性及び良性腫瘍が対照群及び投与群に観察されたが、投与と腫瘍の種類及び重症度の間に関連はみられなかった (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(2) モネンシン (CAS番号 17090-79-8) に子宮内ばく露された雌雄ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、悪性及び良性腫瘍の発生時期及び罹患率には、投与群と対照群の間で違いはみられず、発がん性は認められなかった (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(3) 雌雄のマウスにモネンシン (CAS番号 17090-79-8: 菌糸体) を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のデータ (1)~(4)、本物質の遊離酸のデータ (5)、(6) を用いて分類した。(1) の本物質によるラットを用いた2世代繁殖試験において、親動物毒性がみられる用量で出生時の同腹児数の低値等がみられたが、(5)、(6) の菌糸体のモネンシン、結晶モネンシンによるラットを用いた3世代繁殖試験で繁殖影響がみられていないことから、この影響は否定されると考えられる。また、(2)~(4) より胎児の発生に対する影響はないと考えられる。したがって、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質をラットに混餌投与した2世代繁殖試験では、親動物毒性 (体重増加の抑制及び摂餌量低下、雌で授乳中の削痩及び円背位) がみられる用量 (12.5 mg/kg/day) で、出生時の同腹児数及び出生児の体重の低値がみられ、児の体重増加量にも影響がみられた (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(2) 本物質を雌ラットの育成期及び妊娠0~20日に混餌投与した発生毒性試験において、影響はみられていない (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(3) 本物質を雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、影響はみられていない (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(4) 本物質を雌ウサギの妊娠6~28日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、一般状態の悪化、死亡1例、切迫屠殺1例、約半数の母動物で流産) がみられた用量 (3 mg/kg/day) では胎児死亡数の増加がみられた。この用量は、母動物への毒性が高かったことから発生への影響を検討するには適当でないと結論付けられた。母動物毒性がみられない用量 (0.1及び0.3 mg/kg/day) では、胎児に対する影響はみられていない (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(5) 菌糸体のモネンシン (CAS番号 17090-79-8) をラットに混餌投与 (0、1.6、2.5 及び4 mg/kg/day) した3世代繁殖試験では、全投与群の全世代において体重増加量が減少したが、生殖影響、胚毒性、催奇形性はみられていない (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(6) 結晶モネンシンをラットに混餌投与した3世代繁殖試験では、最高用量 (1.43~2.3 mg/kg/day) まで変化は報告されず、催奇形性もみられていない (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (骨格筋、心臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1 (骨格筋、心臓) とした。腎臓への影響は横紋筋融解に伴う二次的影響によるもの考えられるため、不採用とした。また、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 17歳の少年が本物質 (用量不明) と16歳の少年がモネンシン (CAS 17090-79-8) (約500 mg) を摂取した例の2例が報告されている。両症例の初期症状は、吐き気、食欲不振、腹部の痛み等がみられ、さらに、下肢の筋力低下及び激痛、黒褐色の尿、白血球増多症、赤血球沈降速度の亢進がみられた。両症例ともに、本物質による横紋筋融解症が生じて急性腎不全が引き起こされ、1例では心不全が生じた。ヒトにおける本物質の過剰摂取の主な標的は骨格筋及び心筋と考えられたとの記載がある (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(2) 本物質を用いた単回経口投与試験において、ラット、マウス、イヌ、サルなどの動物種間で感受性は大きく異なるが、試験に供した全ての動物における毒性徴候は類似しており、死亡、食欲不振、自発運動の低下、骨格筋の筋力低下、歩行失調、下痢及び体重増加抑制であった。雌は雄より感受性が高かった。毒性影響にモネンシンの形態 (結晶又は菌糸体) による有意な違いはみられなかった (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015)、EU EMEA (2007))。なお、経口投与におけるラット及びマウスの最小のLD50値はラットで22~40 mg/kg、マウスで70~96 mg/kgであり (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))、上記の症状は区分1の用量範囲で生じるものと考えられた。

【参考データ等】
(3) 17歳の男性がモネンシンの複合製剤 (プレミックス) を故意に摂取した後に、腎不全を伴う急性横紋筋融解症で死亡した (EU EMEA (2007))。
(4) モネンシンを摂取した患者は、重篤な横紋筋融解症となり、さらに急性腎不全や心不全を併発し、死亡した (HSDB (Access on June 2020))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (心臓、骨格筋、血液系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分1 (心臓、骨格筋、血液系) とした。新たな情報を用いて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) マウスに本物質 (菌糸体) を3ヵ月間混餌投与した結果、5.6 mg/kg/day (区分1の範囲) の雄1例で心筋線維の軽度のび漫性空胞化が、5.6 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌で白血球数減少が、11.2 mg/kg/day (区分2の範囲) の雄で白血球数及びリンパ球百分率の低下、好中球の増加が、22.5 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌雄で赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値の低下、雄で血清CPKの上昇が、45 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄 (雄8例、雌2例) で心筋線維の軽度のび漫性空胞化、雌で血清CPKの上昇がみられた (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(2) ラットに本物質 (菌糸体) を90日間混餌投与した結果、500 ppm (39~47 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で死亡 (雄40%、雌80%)、摂餌量及び食餌効率の低下、骨格筋の筋炎、び漫性の変性及び組織球の浸潤を伴う心筋の変化、横隔膜筋線維の変性が、雄でヘマトクリット値、白血球数の減少がみられた (同群の雌については生存数が少なく統計解析を行えず) (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(3) イヌに本物質 (菌糸体) を90日間経口投与した結果、15 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雄でと殺及び死亡 (15 mg/kg/day群で1例と殺、50 mg/kg/day群で2例死亡、死亡例で筋線維の変性、マクロファージの浸潤及び内臓のうっ血を伴った心筋障害)、嘔吐、体重低下、筋力低下、運動失調、不整脈、痙攣及び散瞳、筋線維のび漫性変性や組織球の浸潤等の横紋筋の変化等が、50 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌で筋線維のび漫性変性や組織球の浸潤等の横紋筋の変化がみられた (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(4) イヌに本物質を13週間混餌投与した結果、83 ppm (2.1 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で筋変性の所見が、167 ppm (4.2 mg/kg/day、区分1の範囲) の雌で投与11日後に活動低下 (投与18日後まで投与を中止した結果、回復)、250 ppm (6.3 mg/kg/day、区分1の範囲) の雌雄で活動低下及び運動失調がみられた (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。

【参考データ等】
(5) ラットに本物質を52週間混餌投与した結果、1.36 mg/kg/dayの雌で肝細胞の空胞化 (リポ蛋白の蓄積) が、4.59 mg/kg/dayの雌1例で死亡がみられたとの報告がある (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
(6) 本物質 (結晶) を用いた2件のラット2年間慢性毒性/発がん性併合試験の結果、一過性の体重減少を除いては投与による影響はみられなかったと報告されている (食安委 動物用医薬品・飼料添加物評価書 (2015))。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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