政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 150824-47-8
名称 (E)―N―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―N―エチル―N′―メチル―2―ニトロビニリデンジアミン(別名:ニテンピラム)
物質ID R03-A-022-METI, MOE
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性の原子団(ニトロ基)を含み、酸素収支が-162と判定基準の-200より高いが、データがなく分類できない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団(ニトロ基)を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(N)と結合しているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性の原子団(ニトロ基)を含むが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラット(雄)のLD50:1,680 mg/kg(GLP)(食安委 農薬評価書 (2016))
(2)ラット(雌)のLD50:1,580 mg/kg(GLP)(食安委 農薬評価書 (2016))

1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラット(雄)のLD50:> 2,000 mg/kg(GLP)(食安委 農薬評価書 (2016))
(2)ラット(雌)のLD50:> 2,000 mg/kg(GLP)(食安委 農薬評価書 (2016))

1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):> 5.8 mg/L(GLP)(食安委 農薬評価書 (2016))

2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、閉塞、4時間適用、72時間観察)において、全例で皮膚刺激性反応はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=9)を用いた眼刺激性試験(GLP、72時間観察)において、洗眼群3例では24時間後に1例で軽度の角膜混濁がみられたが、影響は72時間以内に回復した。非洗眼群6例では24時間後に2例で軽度の角膜混濁、全例で軽度の結膜発赤、2例で軽度の結膜浮腫がみられたが、影響は72時間以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/0/0.7/0.3、虹彩炎スコア:0/0/0/0/0/0、結膜発赤スコア:0.3/0.3/0.3/0.3/0.3/0.3、結膜浮腫スコア:0.3/0/0/0/0/0.3)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)モルモット(n=15)を用いたBuehler試験(GLP、局所投与:25%溶液)において、惹起24、48時間後の陽性率はともに0%であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(最大500 mg/kg、単回腹腔内投与)で、陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
(2)細菌復帰突然変異試験において、陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会『日本農薬学会誌』第23巻第1号)。
(3)ほ乳類培養細胞(CHL)を用いた染色体異常試験において、陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会『日本農薬学会誌』第23巻第1号)。
6 発がん性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。ヒトの発がん性に関する情報も既存分類結果はないが、動物2種で発がん性試験が陰性である。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、最高用量の9,000 ppm(雄/雌:403/529 mg/kg/day)まで検体投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変はなく、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会『日本農薬学会誌』第23巻第1号 (Accessed May 2021))。
(2)マウスを用いた混餌投与による18か月間発がん性試験において、最高用量の3,000 ppm(同440/551 mg/kg/day)まで検体投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変はなく、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会『日本農薬学会誌』第23巻第1号 (Accessed May 2021))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分2とした。親動物に一般毒性影響がみられた限度用量を超えた用量で、繁殖能への影響(着床数減少、出生児数減少)がみられた。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(GLP)において、親動物に一般毒性影響(体重増加抑制及び摂餌量減少)がみられる用量のうち、20,000 ppm(1,400~2,040 mg/kg/day)において、着床数減少(P、F1雌)、出生児数減少、F1及びF2児動物に出生時低体重、哺育期間中の体重増加抑制がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会 (1997))。なお、F2児動物の出生児数減少及び出生児低体重は有意な影響ではないが検体投与の影響と考えられた(食安委 農薬評価書 (2016))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6~15日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会 (1997))。
(3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6~19日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬工業会 (1997))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2(神経系)とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた単回経口投与試験(GLP)において、1,250 mg/kg(区分2の範囲)で死亡、痙攣、よろめき歩行・自発運動低下、流涎(雄)がみられ、死亡例の剖検では肺の出血・うっ血、腺胃のびらん・点状出血がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
(2)マウスを用いた単回経口投与試験(GLP)において、500 mg/kg(区分2の範囲)で自発運動低下が、650 mg/kg(区分2の範囲)で死亡が、850 mg/kg(区分2の範囲)で痙攣、鎮静(雄)が、1,100 mg/kg(区分2の範囲)でよろめき歩行、痙攣(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。
(3)ラットを用いた単回経皮投与試験(GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で影響がみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。
(4)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験(GLP、4時間)において、5.8 mg/L(区分に該当しない範囲)でばく露期間中に呼吸困難、あえぎ呼吸、流涎、活動低下、被毛上の白色物付着、ばく露期間後に流涙、鼻粘膜分泌、肛門・生殖器周囲の汚れ、顔面に乾燥褐色物付着がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。

【参考データ等】
(5)ニテンピラムはネオニコチノイド系の殺虫剤であり、シナプス後膜のアセチルコリン受容体への作用による興奮伝達の遮断により、殺虫効果を示すものと考えられていると報告されている(食安委 農薬評価書 (2016))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(5)より、経口経路では区分に該当しない。ただし、他経路での分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験(GLP)において、10,000 ppm(617 mg/kg/day(雄)、733 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で体重増加抑制、摂餌量減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
(2)マウスを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、12,000 ppm(2,030 mg/kg/day(雄)、2,640 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で努力性呼吸、体温低下・傾斜姿勢・活動性低下(雌)、排便減少(雌)、死亡(5/10例)(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。
(3)イヌを用いた強制経口による1年間経口投与試験において、60 mg/kg/day(区分2の範囲)で影響がみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。
(4)ラットを用いた混餌投与による2年間経口投与試験(GLP)において、3,000 ppm(129 mg/kg/day(雄)、164 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で体重増加抑制(雄)が、9,000 ppm(403 mg/kg/day(雄)、529 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で体重増加抑制(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。
(5)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月間経口投与試験(GLP)において、3,000 ppm(440 mg/kg/day(雄)、551 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で影響がみられなかったがとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。

10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
本物質はネオニコチノイド系殺虫剤であり、特異な感受性分布を有することが知られている。専門家判断により、セスジユスリカ(幼虫)48時間EC50 = 0.11 mg a.i./L(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料, 2017)であることから、区分1とした。(a.i.: active ingredient)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
本物質はネオニコチノイド系殺虫剤であり、特異な感受性分布を有することが知られている。信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、専門家判断によりセスジユスリカ(幼虫)の48時間EC50 = 0.11 mg a.i./L(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料, 2017)から、区分1とした。(a.i.: active ingredient)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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