政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 87392-12-9
名称 2-クロロ-N-(2-エチル-6-メチルフェニル)-N-[(S)-1-メトキシプロパン-2-イル]アセトアミド(別名:メトラクロール(S体))
物質ID R03-A-026-METI
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 経済産業省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素及び酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分5)。

【根拠データ】
(1)ラット(雄)のLD50(S-メトラクロール(S体を80%以上含む)):3,270 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2009))
(2)ラット(雌)のLD50(S-メトラクロール(S体を80%以上含む)):2,580 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2009))
(3)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50(S-メトラクロール(S体を80%以上含む)):> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2009))
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。

1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、分類できないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データが不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)ラットのLC50(S-メトラクロール(S体を80%以上含む)、4時間):> 2.91 mg/L(食安委 農薬評価書 (2009))
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)について、ウサギ(NZW)を用いた皮膚刺激性試験では、軽度の刺激性がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。


3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)について、ウサギ(NZW)を用いた眼刺激性試験では、軽度の刺激性がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、分類できないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)はモルモットを用いたマキシマイゼーション法による皮膚感作性試験において、陽性であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分1と判定された(2020年度GHS分類結果)。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)については、in vivoの小核試験で陰性、in vitroではデータなしであるが、ラセミ体のメトラクロールについて、in vivo 小核試験で陰性、復帰突然変異試験およびin vitro UDS 試験で陰性であったことから、食安委ではS-メトラクロールは生体にとって問題となるような遺伝毒性はないものと考えられた(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)国内外の分類機関による既存分類結果として、本物質の分類結果はないが、ラセミ体及びS-メトラクロール(S体を80%以上含む)について、EPAでNL(Not Likely to be Carcinogenic to Humans)に分類されている(EPA Annual Cancer Report 2018 (Accessed Oct. 2020):2017年分類)。
(2)S体の発がん性試験は行われていないが、ラセミ体及びS-メトラクロールの試験の比較から、両者の動態及び代謝は同等であり、毒性プロファイル及び毒性の程度もほぼ同等であると考えられている(食安委 農薬評価書 (2009))。
(3) EPAは当初は雌ラットでみられた肝臓腫瘍の発生増加に基づき、Group C (possible human carcinogen)に分類していたが、2017年の再評価において、作用機序解析による知見を大幅に取り入れ、ラットに生じた肝臓腫瘍はCAR(constitutive androstane receptor)の活性化による細胞増殖によることが明らかにして、肝毒性の延長上の所見と考えられると結論した。したがって、慢性RfD(参照用量)の規制範囲において、肝細胞増殖は生じないことから、メトラクロール(ラセミ体)/S-メトラクロールの発がん性分類はNLに変更された(US Federal Register Vol. 83, No. 55 (2018))。
(4)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、分類できないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
7 生殖毒性 区分に該当しない
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- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラセミ体及びS-メトラクロール(S体を80%以上含む)の試験の比較から、両者の動態及び代謝は同等であり、毒性プロファイル及び毒性の程度もほぼ同等であると考えられた(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)を被験物質としたラットを用いた強制経口投与(妊娠6~15日)による発生毒性試験では、母動物毒性(体重減少、摂餌量減少、不快症状)がみられる用量でも胎児に発生影響はみられなかった(食安委 農薬評価書 (2009))。
(3)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)を被験物質としたウサギを用いた強制経口投与(妊娠7~19日)による発生毒性試験において、母動物毒性(体重減少、摂餌量減少)が著しい高用量群で、1腹からの胎児に奇形発生がみられたが、自然発生又は母動物毒性による二次的影響と考えられた。母動物には中用量でも排便量の減少・無排泄又は軟便がみられたが、胎児には無影響であった(食安委 農薬評価書 (2009))。
(4)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分に該当しないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1 (中枢神経系)とした。

【根拠データ】
(1)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)について、ラット及びマウスの単回経口投与試験では、区分1の用量で中枢神経系への影響 (探索行動・自発運動・疼痛反応・とんぼ返り反射の抑制、散瞳、強直性痙攣など)がみられた(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、区分1 (中枢神経系)と判定された(2020年度GHS分類結果)。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)を被験物質とした28日間混餌投与試験において、3,000 ppm(区分2の範囲)以上で、メトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)と同様に肝臓影響(比重量増加、小葉中心性肝細胞肥大、GGT増加(雄のみ)等)がみられた(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)S-メトラクロール(S体を80%以上含む)を被験物質としたラット及びイヌの混餌投与による90日間経口投与毒性試験では、区分2までの用量範囲では明確な臓器毒性はみられなかった(食安委 農薬評価書 (2009))。
(3)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、分類できないと判定された(2020年度GHS分類結果)。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質(S体)を含むメトラクロール(ラセミ体、CAS番号:51218-45-2)の本項は、分類できないと判定された(2020年度GHS分類結果)。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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