項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 25339-17-7 |
名称 | デシルアルコール(イソデシルアルコール) |
物質ID | R03-B-018-METI, MOE |
分類実施年度 | 令和3年度(2021年度) |
分類実施者 | 経済産業省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2008年度(平成20年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 引火点>102℃(closed cup)(GESTIS(Accessed June 2021))に基き、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点は275℃(GESTIS(Accessed June 2021))であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(6)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:6,500 mg/kg(EFSA (2012)) (2)ラットのLD50:5,400 mg/kg(MOE 初期評価 (2018)) (3)ラットのLD50:6,400 mg/kg(HSDB in PubChem (Accessed Aug. 2021)) (4)ラットのLD50:9,800 mg/kg(HSDB in PubChem (Accessed Aug. 2021)、Patty (2012)) (5)ラットのLD50:5,210 mg/kg(GESTIS (Accessed Aug. 2021)) (6)ラットのLD50:4,720 mg/kg(Patty (2012)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:3,150 mg/kg(MOE 初期評価 (2018)) (2)ウサギのLD50:> 2,400 mg/kg(Patty (2012)) (3)ウサギのLD50:> 2,400 mg/kg(Patty (2012)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度(0.091 mg/L)より高いため、ミストと判断した。 【参考データ等】 (1)ラットのLC50(8時間):> 0.18 mg/L (4時間換算値:0.36 mg/L)(PubChem (Accessed Aug. 2021)、Patty (2012)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
【分類根拠】 (1)より、区分2とした。なお、List 1の情報源から定性知見が得られたため、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、オキソアルコールC9~C13カテゴリーの物質はウサギの皮膚に対して中程度の刺激性があるとの報告がある(SIAP (2006)、EFSA (2012))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)において、中程度の刺激性又は重度の刺激性を生じたとの報告がある(HSDB (Accessed July 2021)、Patty (6th, 2012))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)本物質はウサギに対して重度の眼刺激性を有するとの報告がある(Patty (6th, 2012))。 【参考データ等】 (2)オキソアルコールC9~C13カテゴリーの物質はウサギの眼に対して一般的に刺激性(非刺激性~重度の刺激性)を示すとの報告がある(SIAP (2006)、EFSA (2012))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)限られたデータに基づき、C9~C13のオキソアルコールのカテゴリー化合物は皮膚感作性の徴候を示さない(SIAP (2006)、EFSA (2012))。 (2)モルモットを用いた修正Draize試験(皮内投与:0.1%溶液)において、皮膚感作性反応はみられなかった(GESTIS (Accessed July 2021))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2)より区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、区分を変更した。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、ラットの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性の報告がある(MOE 初期評価 (2018))。 (2)In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及びほ乳類培養細胞(V79細胞)を用いた染色体異常試験で陰性の結果が得られている(MOE 初期評価 (2018)、HSDB (Accessed July 2021))。 【参考データ等】 (3)カテゴリーメンバー化合物の1-ドデカノール(C10直鎖アルコール)については、マウスの小核試験で陰性であった。in vitro試験の陰性結果と組合わせて、C9~C13のオキソアルコール化合物は遺伝毒性を有さないと考えられる(EFSA (2012))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、(1)、(2)では発生毒性影響はみられなかったが、繁殖能に対する影響に関するデータがない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6~15日)において、親動物に顕著な一般毒性影響(死亡/切迫屠殺例が4/10例)がみられる最高用量で、吸収胚及び着床後胚死亡増加、児動物に低体重、骨化遅延、骨格奇形、稀な奇形(外性器欠損)がみられたが、中用量では児動物に発生影響はみられなかったとの報告がある(MOE 初期評価 (2018)、EFSA (2012)、Patty (6th, 2012))。 (2)(1)とは異なるラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6~15日)において、発生影響はみられなかったとの報告がある(EFSA (2012))。 【参考データ等】 (3)構造関連物質の1-ドデカノールを被験物質としたラットを用いた反復投与/生殖発生毒性スクリーニング併合試験において、生殖毒性はみられなかったとの報告がある(SIAP (2006)、EFSA (2012))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
警告 |
H336
H335 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しないと思われる範囲で中枢神経系への影響が、(2)より、呼吸器への刺激性がみられたことに加え、(3)より、刺激や麻酔作用を起こすことがあるとの報告があることから、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。新たな情報源を追加し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、よろめき歩行、催眠及びアパシーのような中枢神経系影響がみられたとの報告がある。なお、LD50は4,720~6400 mg/kgの間である(GESTIS (Accessed Aug. 2021))。 (2)ラット、マウス、モルモットを用いた単回吸入ばく露試験(ミスト、6時間)において、6.25 mg/L(4時間換算値:9.38 mg/L、区分該当しない範囲)で目、鼻、咽喉や呼吸器の粘膜への強い刺激がみられたとの報告がある(GESTIS (Accessed Aug. 2021)、Patty (2012))。 (3)ヒトにおける有害作用の報告はないが、過剰のばく露は局所の刺激や麻酔作用を起こすことがあるとの報告がある(MOE 初期評価 (2018))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、(1)はスクリーニング試験の結果であるため、根拠データとして採用していない。 【参考データ等】 (1)ラットを用いた強制経口による14日間経口投与試験において、168 mg/kg/day(90日換算:26.1 mg/kg/day、区分2の範囲)で体重、肝臓、精巣の相対重量、血漿のコレステロール、トリグリセリド、肝臓組織や酵素活性への影響はみられなかったとの報告がある。ただし、本試験はスクリーニング試験であり、評価項目は肝臓及び精巣に限定されている(EFSA (2012)、SIAP (2009)、MOE 初期評価 (2018))。 |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 3.51 mg/L(MOE既存点検結果, 1999)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分3 |
- |
H412 |
P273
P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度(類似物質):88~89%(METI既存点検結果))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.7 mg/L(MOE既存点検結果, 1999)から、区分3となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性があり、魚類(ヒメダカ)の96時間LC50 = 5.87 mg/L(MOE既存点検結果, 1999)であるが、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=3.94(<4.0、MOE初期評価, 2019))ことから、区分に該当しないとなる。 以上の結果を比較し、区分3とした。慢性毒性の分類方法の変更及び新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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