政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 30525-89-4
名称 パラホルムアルデヒド
物質ID R03-B-020-METI
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 経済産業省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2018年度(平成30年度)   2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分2


警告
H228 P370+P378
P210
P240
P241
P280
UNRTDG分類では、 UN2213 クラス4.1、PGⅢとされていることから、区分2とした。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は300℃(ICSC (2006))であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDG分類では、 UN2213 クラス4.1、PGⅢであることから、上位の自己発熱性化学品には該当しないため、区分に該当しないとした。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)より、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:800 mg/kg(Canada CMP (2019))

【参考データ等】
(2)本分類対象のパラホルムアルデヒドは、ポリ(オキシメチレン)(POM)と呼ばれるホルムアルデヒドポリマーの一部で、重合度は8から100である。 (Canada CMP (2019))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。なお、新たな情報に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50:10,000 mg/kg(Canada CMP (2019))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1)より、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):1.07 mg/L(Canada CMP (2019))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1)より、区分2とした。

【根拠データ】
(1)本物質は皮膚刺激性物質である(Canada CMP (2019))。

【参考データ等】
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(500mg、24時間適用)において、ウサギの皮膚に重度の刺激性を示したとの報告がある(Patty (6th, 2012)、GESTIS (Accessed Aug. 2021))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2Aとした。

【根拠データ】
(1)本物質は眼刺激性物質である(Canada CMP (2019))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験(100mg適用)において、眼に重度の刺激性を示したとの報告がある(Patty (6th, 2012)、GESTIS (Accessed Aug. 2021))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質は気道感作性物質である可能性がある(Canada CMP (2019))。
(2)本物質は加熱することで遊離ホルムアルデヒドの発生源となり、リスク特性に対する最大の健康影響は知覚刺激とアレルギー性皮膚反応である。知覚刺激は眼と鼻の神経末端への刺激として定義され、眼と鼻の刺痛感や熱感や喉のひりひりする感覚などの症状を生じることがある(AICIS IMAP (2019))。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質は皮膚感作性物質である可能性がある(Canada CMP (2019))。
(2)本物質は加熱することで遊離ホルムアルデヒドの発生源となり、リスク特性に対する最大の健康影響は知覚刺激とアレルギー性皮膚反応である。知覚刺激は眼と鼻の神経末端への刺激として定義され、眼と鼻の刺痛感や熱感や喉のひりひりする感覚などの症状を生じることがある(AICIS IMAP (2019))。

5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)In vitroでは、ほ乳類培養細胞(CHO)を用いた染色体異常試験では陰性であったが、CHOを用いた姉妹染色分体交換試験及びマウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では陽性であった(Canada CMP (2019))。
(2)(1)の結果から本物質は変異原性と染色体異常誘発性を有することが示唆されるが、本物質とホルムアルデヒドのいずれの寄与によるかは情報がない(Canada CMP (2019))。
(3)本物質の重合数100以上であるポリ(オキシメチレン)は厚生労働省の強い変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針の対象物質である(平成5年5月17日付け基発第312号)。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)モノマーのホルムアルデヒドの本項分類は区分1Aである(GHS分類結果(2017年度))。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)モノマーの本項分類はデータ不足のため分類できないとされている(GHS分類結果(2017年度))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分1(呼吸器)とした。

【根拠データ】
(1)本物質は遊離ホルムアルデヒドの発生源で、リスク特性に対する最大の健康影響は知覚刺激とアレルギー性皮膚反応である。知覚刺激は眼と鼻の神経末端への刺激として定義され、眼と鼻の刺痛感や熱感や喉のひりひりする感覚などの症状を生じることがある(AICIS IMAP (2019))。
(2)本物質は吸入ばく露により肺を刺激して咳や息切れを引き起こす可能性があり、高濃度ばく露により肺水腫および重度の息切れを引き起こす可能性がある(HSFS (2000))。
(3)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(1.07 mg/L、4時間)において、1.07 mg/L(区分2の範囲)で刺激症状(流涙、流涎、呼吸困難)がみられたとの報告がある(GESTIS (Accessed July 2021))。

【参考データ等】
(4)ウサギを用いた単回経皮投与試験において、10,000 mg/kgで傾眠、皮膚の腐食作用、体温低下がみられたとの報告がある(Patty (2012))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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- - -
11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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- - -
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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