政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 95-54-5
名称 o-フェニレンジアミン
物質ID R03-C-005-MHLW
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2019年度(令和元年度)   2009年度(平成21年度)   2006年度(平成18年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 -
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2 可燃性ガス -
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3 エアゾール -
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4 酸化性ガス -
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5 高圧ガス -
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6 引火性液体 -
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7 可燃性固体 -
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8 自己反応性化学品 -
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9 自然発火性液体 -
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10 自然発火性固体 -
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11 自己発熱性化学品 -
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12 水反応可燃性化学品 -
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13 酸化性液体 -
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- - -
14 酸化性固体 -
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15 有機過酸化物 -
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16 金属腐食性化学品 -
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17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) -
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- - -
1 急性毒性(経皮) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:ガス) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:蒸気) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) -
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- - -
2 皮膚腐食性/刺激性 -
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3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 -
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- - -
4 呼吸器感作性 -
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- - -
4 皮膚感作性 -
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5 生殖細胞変異原性 -
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6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(4)より、動物種2種に悪性腫瘍を含む明らかな発がん性の証拠が認められたこと及び(4)より健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質であることを重視し、区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。旧分類からIARC及び日本産業衛生学会の分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)o-フェニレンジアミン二塩酸塩(CAS番号 615-28-1)を被験物質としたラットの2年間飲水投与による発がん性試験(OECD TG451、GLP)において、雌雄の肝臓で肝細胞腺腫及び肝細胞がんの顕著な発生増加がみられ、さらに、雄の膀胱に移行上皮乳頭腫及び移行上皮乳頭腫と移行上皮がんを合わせた発生増加がみられた。これらの結果は o-フェニレンジアミン二塩酸塩の雌雄ラットに対するがん原性を示す明らかな証拠であると結論された(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2004)、IARC 123 (2020))。
(2)o-フェニレンジアミン二塩酸塩を被験物質としたマウスの2年間飲水投与による発がん性試験(OECD TG451、GLP)において、雄では肝臓に肝細胞腺腫の発生増加が、雌では肝細胞腺腫及び肝細胞がんの顕著な発生増加が、さらに雌雄の胆嚢に乳頭状腺腫の発生増加がみられた。これらの結果は o-フェニレンジアミン二塩酸塩の雄マウスに対するがん原性を示す証拠と雌マウスに対するがん原性を示す明らかな証拠と結論された(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2004)、IARC 123 (2020))。
(3)本物質は塩基性化合物で、酸-塩基反応を受ける。体内では本物質と本物質二塩酸塩との間でpH依存性の酸-塩基平衡関係が成立すると考えられることから、一方の発がん性試験結果を他方の発がん性評価に関する情報として利用できる(IARC 123 (2020))。
(4)本物質は厚生労働省化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質である(令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第27号)。
(5)国内外の評価機関による既存分類結果として、IARCではグループ2Bに(IARC 123 (2020))、日本産業衛生学会では第2群Bに(産衛誌62巻5号 (2020):2019年提案)、ACGIHではA3(ACGIH (7th, 2001))に、EUではCarc. 2に(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2021))、DFGではCategory 3に(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed Sep. 2021))それぞれ分類している。

【参考データ等】
(6)本物質の二塩酸塩を被験物質とし、雄ラット及び雌雄マウスに18ヵ月間混餌投与(ラットは6ヵ月後に剖検)した発がん性試験においても、肝細胞がんの発生増加がみられている(IARC 123 (2020)、厚労省リスク評価書 (2014)、MOE初期評価 (2014)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2013)、ACGIH (7th, 2001)、Patty (6th, 2012))。
(7)本物質の発がん性の評価に関して、利用可能なヒトのデータはない(IARC 123 (2020))。
7 生殖毒性 -
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8 特定標的臓器毒性(単回暴露) -
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9 特定標的臓器毒性(反復暴露) -
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10 誤えん有害性 -
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環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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