政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 3296-90-0
名称 2,2‐ビス(ブロモメチル)プロパン‐1,3‐ジオール(別名ジブロモネオペンチルグリコール)
物質ID R03-C-037-MHLW
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2007年度(平成19年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 -
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2 可燃性ガス -
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3 エアゾール -
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4 酸化性ガス -
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5 高圧ガス -
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6 引火性液体 -
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7 可燃性固体 -
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8 自己反応性化学品 -
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9 自然発火性液体 -
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10 自然発火性固体 -
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11 自己発熱性化学品 -
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12 水反応可燃性化学品 -
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13 酸化性液体 -
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14 酸化性固体 -
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15 有機過酸化物 -
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16 金属腐食性化学品 -
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17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) -
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1 急性毒性(経皮) -
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1 急性毒性(吸入:ガス) -
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1 急性毒性(吸入:蒸気) -
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1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) -
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- - -
2 皮膚腐食性/刺激性 -
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3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 -
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4 呼吸器感作性 -
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4 皮膚感作性 -
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5 生殖細胞変異原性 -
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6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)の試験動物の2種での陽性結果より、動物実験において発がん性の十分な証拠があると判断し、区分1Bとした。旧分類からEUでGHS区分1B相当に分類されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)本物質市販品(FR-1138、本物質含有率:78.6%)のラット(Fischer 344/N)を用いた2年間混餌投与(2,500~10,000 ppm:100~460 mg/kg/dayで2年間投与、これに加えて雄は20,000 ppm:800 mg/kg/dayで3か月投与)による発がん性試験では、雄に皮膚(扁平上皮乳頭腫、扁平上皮がん等を合わせた発生)、皮膚の皮下組織(線維腫、線維肉腫および肉腫を合わせた発生)、乳腺(線維腺腫と腺腫を合わせた発生)、ジンバル腺(腺腫とがんを合わせた発生)、口腔(扁平上皮乳頭腫とがん等合わせた発生)、食道(扁平上皮乳頭腫)、前胃(扁平上皮乳頭腫)、大腸(腺腫とがんを合わせた発生)、小腸(腺腫とがんを合わせた発生)、腹膜(悪性中皮腫)、膀胱(移行上皮乳頭腫とがんを合わせた発生)、肺(細気管支-肺胞上皮腺腫とがんを合わせた発生、扁平上皮がん)、甲状腺(ろ胞細胞腺腫とがんを合わせた発生)、精嚢(腺腫とがんを合わせた発生)及び造血器(単核細胞白血病)、雌に口腔(扁平上皮乳頭腫とがんを合わせた発生)、食道(扁平上皮乳頭腫)、乳腺(線維腺腫)及び甲状腺(ろ胞細胞腺腫とがんを合わせた発生)の腫瘍の発生増加がみられた(NTP TR452 (1996)、IARC 77 (2000)、CLH Report (2017))。
(2)本物質市販品(FR-1138、本物質含有率:78.6%)ののマウスを用いた2年間混餌投与(312~1,250 ppm:35~170 mg/kg/day)による発がん性試験では、雌雄にハーダー腺(腺腫とがんを合わせた発生)と肺(細気管支-肺胞上皮腺腫とがんを合わせた発生)、これに加えて雄に腎臓(腺腫)、雌に皮膚の皮下組織(肉腫)の腫瘍の発生増加がみられた(NTP TR452 (1996)、IARC 77 (2000)、CLH Report (2017))。
(3)国内外の評価機関による既存分類結果として、EUではCarc. 1Bに(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2021):2018年提案)分類している。なお、IARCではグループ2Bに(IARC 77 (2000))、日本産業衛生学会では第2群Bに(産衛学会許容濃度等の勧告 (2020):2001年提案)、NTPではRに(NTP RoC (14th, 2016))にそれぞれ分類している。

【参考データ等】
(4)本物質市販品(FR-1138、本物質含有率:80%)のラット(SD系)を用いた2年間混餌投与(5、100 mg/kg/day相当)による発がん性試験では、投与に関連した腫瘍発生の増加は認められなかった(IARC 77 (2000)、CLH Report (2017))。
(5)本物質の発がん性は本物質(約80%)を含有する市販混合物(FR1138R)を被験物質とした混餌投与試験として、マウスを用いた1試験及びラットを用いた2試験の報告がある。マウスの発がん性試験では、雌雄にハーダー腺、前胃及び肺に腫瘍の発生増加、雌に皮下の肉腫の発生増加が認められた。ラットの発がん性試験では、雌雄に食道、乳腺及び甲状腺に腫瘍、雄には加えて皮膚、肺、皮下組織、ジンバル腺腫、口腔、前胃、小腸・大腸、腹膜(悪性中皮腫)に腫瘍の発生増加がみられた。一方、別系統のラットを用いた試験では100 mg/kg/day相当用量で腫瘍の発生頻度増加はみられなかった(IARC 77 (1999)、CLH Report (2017))。
(6)IARCは実験動物では発がん性の十分な証拠があるが、作用機序として変異原性の可能性が示唆される程度であること、ヒトのデータがないことから、本物質の発がん性分類をグループ2Bとした(IARC 77 (2000))。
(7)本物質はGLP適合でNTPにより適切に実施されたOECD TG453類似試験において、ラットとマウスの2種で用量依存的な複数部位の腫瘍を誘発した。発がん部位には良性及び悪性腫瘍がみられ、本物質が腫瘍が悪性化へ進行する能力を有することが示された。試験期間の途中でばく露を中止した群(Stop exposure group)の雄では2年間連続ばく露した群で腫瘍がみられたほとんどの部位にわずか3ヵ月間のばく露で腫瘍を誘発することが示された。腫瘍発生頻度はくつかの部位(肺、小腸・大腸、甲状腺)では高かった。本物質による発がん部位の多くはヒトにも当てはまるものであり、強い複数部位発がん物質(multisite carcinogen)であることから、ECHA RACは区分1Bの提案に同意する(CLH Report (2017)、ECHA RAC Opinion (2018))。
7 生殖毒性 -
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8 特定標的臓器毒性(単回暴露) -
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9 特定標的臓器毒性(反復暴露) -
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10 誤えん有害性 -
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環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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