政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 57966-95-7
名称 1‐[(EZ)‐2‐シアノ‐2‐メトキシイミノアセチル‐3‐エチルウレア(別名シモキサニル)
物質ID R03-C-047-MHLW, MOE
分類実施年度 令和3年度(2021年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2008年度(平成20年度)  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 -
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- - -
2 可燃性ガス -
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3 エアゾール -
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4 酸化性ガス -
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- - -
5 高圧ガス -
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- - -
6 引火性液体 -
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- - -
7 可燃性固体 -
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- - -
8 自己反応性化学品 -
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- - -
9 自然発火性液体 -
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- - -
10 自然発火性固体 -
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11 自己発熱性化学品 -
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- - -
12 水反応可燃性化学品 -
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- - -
13 酸化性液体 -
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- - -
14 酸化性固体 -
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- - -
15 有機過酸化物 -
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- - -
16 金属腐食性化学品 -
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- - -
17 鈍性化爆発物 -
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- - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) -
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-
- - -
1 急性毒性(経皮) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:ガス) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:蒸気) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) -
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- - -
2 皮膚腐食性/刺激性 -
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- - -
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 -
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- - -
4 呼吸器感作性 -
-
-
- - -
4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1Aとした。なお、新たな評価に基づき、分類結果を変更した。CLH Report(2021)にてSkin Sens. 1Aが提案されたため、旧分類から皮膚感作性項目を見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)OECD TG 406では、経皮感作に用いる濃度は軽度~中程度の皮膚刺激を生じ、惹起時には皮膚刺激を生じない最高濃度を適用するとされている。(3)(4)の試験における、経皮感作及び惹起時の適用濃度(25%)は、予備試験において1例も皮膚刺激性がみられておらず、低すぎる。従って、得られた陰性の結果は疑わしい。(2)の試験では、予備試験時に40%の濃度でも皮膚刺激性はみられなかったが、本試験時には経皮感作40%、惹起20%で90%の動物に軽微~中程度の紅斑及と軽微~明瞭な紅斑がみられ、40%濃度では3例に壊死もみられた。以上から、(2)の試験が皮膚感作性を評価する上で最も信頼性の高い試験法であると考えられる。このことから、CLH Reportにおいて、本物質の皮膚感作性の分類はSkin Sens. 1Aが提案されている(CLH Report (2021))。
(2)モルモット(n = 10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、惹起濃度20%、40%のいずれの濃度においても、惹起後24、48及び72時間後の陽性率は100%(10/10例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011))。

【参考データ等】
(3)モルモット(n = 20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:3%溶液)において、惹起後24、48時間後の陽性率はともに0%であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011))。
(4)モルモット(n = 10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、惹起後24、48時間後の陽性率はともに0%であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011))。
(5)(3)、(4)の2つの試験結果は皮膚感作性がないことを示唆した。しかし、(2)の試験では、全動物で惹起後に皮膚反応(軽微~中程度の紅斑及と軽微~明瞭な紅斑)がみられた。矛盾する結果を説明可能な試験間の差異は明らかにできなかった。以上の結果に基づき、本物質の皮膚感作性の可能性は否定できない(ECHA RAC Opinion (2012))。
5 生殖細胞変異原性 -
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- - -
6 発がん性 -
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- - -
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3)の生殖毒性試験において、親動物の一般毒性発現用量で、雌親動物に性機能及び生殖への影響(黄体形成・黄体数・着床数の減少、着床後胚損失増加等)、児動物に生存率低下がみられた。(4)~(5)のラットの発生毒性試験において、母動物毒性用量で、胎児に骨格変異、内臓変異がみられたものの、明確な奇形発生はみられなかった。(6)~(8)のウサギを用いた発生毒性試験では、母動物の一般毒性用量において低頻度であるが、(6)で口蓋裂の発生、(8)で骨格奇形の報告がある。以上、母動物に軽微な一般毒性影響がみられる用量で生殖影響、及び奇形発生の懸念が示されていることから区分1Bとした。新たな情報源を利用し分類した。旧分類からECHA CLPの分類が追加されたため、生殖毒性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験(100~1,500 ppm)において、P及びF1親動物に顕著な一般毒性影響(P及びF1雌雄:体重増加抑制、F1雌雄:摂餌量減少、尾の壊死・潰瘍・末端欠損等)がみられる高用量(1,500 ppm)で、F1児動物に同腹生存児数減少、生後4日の生存率低下がみられたが、F2児動物には低体重がみられただけであったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、CLH Report (2011、2021))。
(2)ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験(150~1,350 ppm)において、P及びF1雌雄親動物に体重増加抑制、摂餌量減少(P雄以外)がみられる高用量(1,350 ppm)で、F1雌親動物に黄体形成、着床数、着床後胚損失率及び生存児率の減少がみられた。F1、F2児動物には中用量以上で低体重、高用量でF1に生存児数減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(3)ラットを用いた混餌投与による1世代生殖毒性試験(750~3,000 ppm)において、P雌親動物には中用量(1,500 ppm)以上で体重増加抑制、摂餌量減少がみられ、高用量(3,000 ppm)では雌に妊娠率低下、黄体数・着床数減少、着床前及び着床後胚損失の増加、同腹児数減少、雄に両側性の小型/脆弱な精巣(5/15例)がみられた。F1児動物には低用量から低体重がみられただけであったとの報告がある(CLH Report (2021))。
(4)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(10~150 mg/kg/day、妊娠6~15日)において、母動物には25 mg/kg/day以上で体重増加抑制及び摂餌量減少がみられ、最高用量(150 mg/kg/day)で生存胎児数減少・吸収胚増加がみられた。胎児には25 mg/kg/day以上で骨化遅延(頭蓋骨、椎骨)、最高用量では加えて低体重、骨化遅延(胸骨分節、骨盤)と骨格変異(波状肋骨)の発生増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(5)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(30~120 mg/kg/day、妊娠6~15日)において、母動物には体重増加抑制及び摂餌量低下がみられる高用量(120 mg/kg/day)で、後期吸収胚、着床後胚損失率及び吸収胚数増加がみられた。胎児には低用量から骨化遅延(第7頚椎・趾節骨・胸骨分節等)、骨格変異(胸骨分節形成不全・亜鈴型胸椎椎体増加・過剰肋骨)、内臓変異(腎盂拡張)、高用量は加えて低体重、骨化遅延(指節骨、尾椎)・胸椎椎体分離の増加などがみられたが、明確な奇形発生はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2011、2021))。
(6)雌ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(1~32 mg/kg/day、妊娠6~18日)において、体重減少が認められた母動物2例からの胎児2例(1.7%)に口蓋裂が認められた(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2014)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(7)雌ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(5~25 mg/kg/day、妊娠6~18日)において、母動物に体重増加抑制及び摂餌量減少がみられる高用量で、内臓異常(心室拡張及び腎盂拡張)、骨格変異(13浮遊肋骨増加)及び骨化遅延(前肢中節骨)の発生増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、EFSA (2008)、CLH Report (2011、2021))。
(8)雌ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(8~32 mg/kg/day、妊娠6~18日)において、母動物に体重増加抑制、耳の触感体温低下がみられる高用量で、骨格奇形(上頸部から中胸部の間の椎骨の変化)の増加がみられたとの報告がある(CLH Report (2011、2021))。

【参考データ等】
(9)雌ラットの妊娠6日~哺育21日に強制経口投与された発達神経毒性試験(5~100 mg/kg/day)では、顕著な母動物毒性(体重増加抑制、全児死亡雌の増加等)がみられる高量まで児動物に発達神経毒性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2011、2021))。
(10)EUではRepr. 2に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2011))。
(11)EUでのCLP分類見直しにおいて、2011年の前回提案からRepr. 1Bへ変更すべき重大な知見の追加はなく、Repr. 2で据え置く提案書が報告されている(CLH Report (2021))が、これに対するRACの意見書は2021年12月現在公表されていない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) -
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9 特定標的臓器毒性(反復暴露) -
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10 誤えん有害性 -
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環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 = 0.569 mg a.i./L(農薬抄録, 2014、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料, 2014)であることから、区分1とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。(a.i.: active ingredient)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性は区分1であることから、区分1とした。慢性毒性の分類方法の変更及び急性毒性の区分の変更により、旧分類から分類結果が変更となった。
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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