NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 106-31-0
名称 無水酪酸
物質ID m-nite-106-31-0_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点は88℃[開放式](190°F)(Merck(14th, 2006))であり、所定の密閉式測定法でも>60℃≦93℃と判断できるので区分4とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は279℃(535°F)であり(HSDB(2002))、常温で発火しないと考えられる。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素を含むが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ノルマル酪酸のラットLD50値は、8790, 2940, 2000 mg/kg bw(いずれもPATTY(5th, 2001))とのデータがある。

健康有害性に関しては本物質の加水分解物であるノルマル酪酸(CAS;107-92-6)も参照のこと。
平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ノルマル酪酸のウサギLD50値は530 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001))とのデータがある。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ノルマル酪酸のデータにおいて、ラットで2.4 mg/L /8h(saturated vapour)の投与で死亡なしとのデータがある(PATTY(5th, 2001))。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ヒトの皮膚に本物質の蒸気が触れた場合に皮膚を刺激するとの報告がある(HSDB(2002))。また、ノルマル酪酸のデータにおいて、モルモットを用いた試験において(閉塞式/10mg/24h、開放式/500mg/24h)、重度の反応(a severe reaction)があるとの報告があること(PATTY(5th, 2001))、また、ウサギを用いた試験において(OECD TG 404,GLP準拠)、corrosiveとの報告があること(IUCLID(2000))から区分1とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ヒトの眼に本物質の蒸気が触れた場合に眼を刺激するとの報告がある(HSDB(2002))。また、ノルマル酪酸のデータにおいて、ウサギを用いた試験において(5%超の水溶液の滴下)、重度の角膜熱傷(Severe corneal burns)があるとの報告があること(PATTY(5th, 2001))から区分1とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足で分類できない。なお、ノルマル酪酸のデータにおいて、ヒトの試験において(皮下注射、2週間、指標は白血球あるいは好酸球浸潤)感作性はないとの報告がある(PATTY(5th, 2001))が、通常の試験ではないので分類に採用しなかった。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ノルマル酪酸のデータにおいて、in vitro試験としてエームス試験で陰性、染色体異常試験で陰性(PATTY(5th, 2001))との報告がある。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 分類できない
-
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- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データなし。なお、ノルマル酪酸のデータにおいて、妊娠ラットの器宮形成期に経口投与した試験で、母獣の死亡率が高く、体重増加も著しく抑制されたが、仔に対する影響はなかった(PATTY(5th, 2001))との報告はあるが、生殖毒性に関する報告はない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(肺)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
本物質自身のデータはないが、ノルマル酪酸のウサギの吸入暴露試験(エアロゾル)で、区分2のガイダンス値を超えた40mg/L/1.5h(4時間換算{直15mg/L/4h)の用量で気管支の拡張、肺気腫の兆候が見られた(PATIY(5th、2001))との報告はあるが、他のウサギの吸入試験で区分1のガイダンス値範囲内の0.4mg/L/1.4h(4時間換算値0.24mg/L)の用量で肺のうっ血、浮種、無気肺、肺水腫が見られた(IUCLID(2000))の報告があり、区分1(肺)に相当するが、リスト2のデータであることから区分2(肺)とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
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- - データなし。なお、ノルマル酪酸のデータにおいて、ラットを用いた試験において(混餌投与、35週まで、投与量が不明)、体重増加抑制、胃の組織に乳頭腫症や過角化症が認められたとの報告がある(PATTY(5th, 2001))。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
本物質は水中で速やかに加水分解してn-酪酸 (CAS No. 107-92-6) となる (水中での半減期 = 1.679分 (pH = 8)、16.789分 (pH = 7) (HYDROWIN))。無水酪酸のデータは無いが、n-酪酸の藻類 (セネデスムス) 72時間EC50 = 46.7 mg/L (IUCLID, 2000) (無水酪酸換算 = 26 mg/L) であることから、区分3とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 本物質は水中で速やかに加水分解してn-酪酸(CAS No. 107-92-6)となる(水中での半減期 = 1.679分(pH = 8)、16.789分(pH = 7)(HYDROWIN))。n-酪酸は急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(OECD TG301Cによる28日間分解度 > 60%(IUCLID, 2000))、生物濃縮性が無いと予想される(LogPow = 1.24(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分外とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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