NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 106-87-6
名称 4-オキシラニル-1,2-エポキシシクロヘキサン
物質ID m-nite-106-87-6_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点>93℃ 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が393℃である。(ICSC(J)(1998)) 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に金属または半金属を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内にフッ素または塩素を含んでいない。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分5
-
警告
- - ラットLD50値:2830mg/kg(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.1, 1992)および2130mg/kg(NTP TR 362, 1989)に基づき、区分5とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギLD50値:680mg/kg(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.1, 1992、NTP TR 362, 1989)に基づき、区分3とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、旧分類で分類に使用したデータはミストによる試験と判断し、急性毒性(吸入:粉じん、ミスト)の項目で分類を実施した。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ACGIH(7th, 2001)およびNTP TR 362(1989)のウサギの皮膚に適用した試験において浮腫および紅斑が認められたとの記述、ならびにPATTY(4th, 1994)のウサギを用いたDraize testにおいて重度の刺激性が認められたとの記述から、区分2とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ACGIH(7th, 2001)のウサギの眼に適用した試験において重度の刺激性(highly irritating)が認められたとの記述から、区分2Aとした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)およびIARC 60(1994)にアレルギー性接触皮膚炎の1症例についての記述があるが、いずれも同一症例の記述であり、判定基準に適合しないことから、データ不足のため分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験の結果はなく、ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験および遺伝子突然変異試験、ならびに細菌を用いた復帰突然変異試験で陽性の結果がある(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.1, 1992、IARC 60, 1994、NTP DB, 2005)が、元文献を調査した結果、in vitroの変異原性試験は複数の指標で強い陽性であるとは断定できないことから、分類できないとした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、動物種2種において発がん性の証拠があることから区分1Bとした。新たな知見に基づき分類結果を変更した。旧分類からEU、DFGで新たな分類がされたため、発がん性項目を見直した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた経皮投与(5日/週、105週間)による2年間発がん性試験において、雌雄ともに低及び高用量群で皮膚の扁平上皮癌及び基底細胞腺腫とがんを組合せた発生率の増加がみられ、発がん性を示す明らかな証拠と報告されている。なお、投与群の数例の動物では皮膚悪性腫瘍の肺や他臓器への転移がみられた(NTP TR362 (1989)、IARC 60 (1994)、ACGIH (7th, 2001))、AICIS IMAP (2016))。
(2)マウスを用いた経皮投与(5日/週、103週間)による2年間発がん性試験において、雌雄ともに低用量以上で皮膚の扁平上皮癌の用量依存的な増加、雌では中用量以上で卵巣腫瘍(顆粒膜細胞腫瘍/良性の混合腫瘍/黄体腫)を組合せた発生率の増加、細気管支-肺胞上皮の腺腫とがんを組合せた発生率の増加がみられ、発がん性を示す明らかな証拠と報告されている。なお、高度の退形成性細胞を含む皮膚悪性腫瘍がみられる動物ではリンパ節や内臓への転移がみられた(NTP TR362 (1989)、IARC 60 (1994)、ACGIH (7th, 2001))、AICIS IMAP (2016))。
(3)国内外の評価機関による既存分類結果として、EUでは(1)、(2)より2種の雌雄ともに適用部位皮膚に良性及び悪性腫瘍がみられたこと、適用部位から離れた遠隔部位(マウスの卵巣)に腫瘍発生がみられたこと、腫瘍発生までの潜伏期間と投与量に逆相関がみられること、全身毒性や皮膚に非腫瘍性病変が重篤でない用量から腫瘍がみられたことから、Carc. 1B(CLP分類結果 (Accessed July 2022))、DFGでカテゴリー2(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed July 2022))にそれぞれ分類されている。その他、IARCでグループ2B(IARC 60 (1994))、日本産業衛生学会で第2群B(2021)、ACGIHでA3(ACGIH (7th, 2001))、NTPでR(NTP RoC 15th. (2021))に分類されている。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(6)より、動物実験で生殖毒性が認められており、区分1Bとした。(1)~(4)より、本物質をヒトに妥当ではないばく露経路で投与したラット、サルで卵巣への有害影響が認められており、(5)より、ラット、マウスを用いた経口及び経皮経路による反復ばく露試験では、主に全身毒性がみられる高用量で雌雄生殖器に有害性影響がみられる。また(6)より、想定される作用機序から実験動物での知見はヒトにも当てはまる可能性は排除できないとされている。

【根拠データ】
(1)雌サル4頭(1頭/用量)に本物質、80~250 mg/kg/dayを15日間筋肉注射した結果、原始卵胞~二次卵母細胞までの卵胞細胞が160 mg/kg/dayで50%減少、250 mg/kg/dayでほぼ完全に消失したとの報告がある(CLH Report (2018))。
(2)雌サル8頭の片側卵巣を切除し、反対側の卵巣の隣接部位に本物質200 mgを含む生分解性繊維を移植留置した。30日後に剖検した結果、処置群では原始卵胞の約70%減少及び抗ミューラー管ホルモン(AMH:卵胞数の血清マーカー)の83%低下がみられた。次に雌サル29頭の両側卵巣の周囲に本物質200 mgを含む生分解性繊維を移植留置した(卵巣は非切除)。外科処置4ヵ月後に、AMHは処置前のベースライン値(14.1 ng/mL)と比べ56%低下(6.24 ng/L)し、うち3例では3 ng/mL以下に低下していたとの報告がある(CLH Report (2018))。
(3)雌ラットに本物質80 mg/kg/dayを30日間腹腔内投与した結果、卵巣の原始卵胞の大半が破壊された。卵胞や原始卵胞は胎児の発生過程で形成され、原始卵胞・一次卵胞の破壊は卵巣機能の喪失を生じる(早期閉経状態)との報告がある((CLH Repot (2018))、AICIS IMAP (2016))。
(4)別の雌ラットに最大80 mg/kgを反復腹腔内投与した結果、卵胞数と着床胚数の減少、着床率の低下を生じた(AICIS IMAP (2016)、CLH Repot (2018))。
(5)ラット及びマウスを用いた13週間経口投与試験、13週間及び2年間経皮投与試験において、雌雄生殖器官に有害影響(精巣の変性、卵巣・子宮の萎縮等)がみられた。これらの影響は全身毒性がある用量でみられたが、全身毒性による二次的影響ではないと考えられ、(6)において提唱されている作用機序はヒトにも当てはまると考えられるとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019))。
(6)サル、ラットでみられた本物質の卵巣への有害影響は間接的な作用機序(視床下部-下垂体系を介する等)ではなく、直接的な作用でアポトーシス誘導による自然な退縮を促進する機序、酸化的傷害が提唱されており、他にも本物質が卵細胞のKIT受容体を阻害し、卵細胞を自然消滅させるように働く機序も指摘されている(EU CLP CLH (2019)、AICIS IMAP (2016))。KITシグナルパスウェイはヒトの卵細胞の成熟にも関与している可能性のあることから、実験動物での知見はヒトにも当てはまる可能性は排除できない(EU CLP CLH (2019))。

【参考データ等】
(7)EUではRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed July 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性)


警告
H336
H335
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ACGIH(7th, 2001)のラットを用いた吸入暴露試験において気道刺激性が認められたとの記述から、区分3(気道刺激性)とした。また、NTP TR 362(1989)のラットおよびマウスを用いた単回経口投与および経皮投与試験において活動性の低下やよろめき歩行が認められたとの記述から、麻酔作用を有すると判断し、区分3(麻酔作用)とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(免疫系)


警告
H373 P260
P314
P501
NTP TR 362(1989)、ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)のマウスを用いた14日間経皮暴露による免疫機能試験において免疫抑制が区分2のガイダンス値範囲の投与量で認められたとの記述から、区分2(免疫系)とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(ヒメダカ)96時間LC50 = 15 mg/L(環境省既存点検結果, 2005)であることから、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:3%(METI既存点検結果, 2002))、急性毒性は区分3であることから、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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