NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 106-91-2
名称 メタクリル酸2,3-エポキシプロピル
物質ID m-nite-106-91-2_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点76℃ (closed cup) (GESTIS (Access on April 2020) に基づいて区分4とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 分子内に自己反応性に関連する原子団として不飽和結合及びエポキシドを含むが、データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が389℃ (RAC (Background Document) (2015)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)~(7) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 597 mg/kg (CLH Report (2015)、SIAR (2002)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018)、HSDB (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 290~827 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))
(3) ラットのLD50: 451 mg/kg (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))
(4) ラットのLD50: 500 mg/kg (MOE初期評価第17巻 (2019)、GESTIS (Access on April 2020))
(5) ラットのLD50: 700 mg/kg (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))
(6) ラットのLD50: 1,050 mg/kg (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))
(7) ラットのLD50: 0.29 g/kg (290 mg/kg) (HSDB (Access on April 2020))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分3とした。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 480 mg/kg (CLH Report (2015)、SIAR (2002)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))
(2) ウサギのLD50: 483~996 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))
(3) ウサギのLD50: 484 mg/kg (GESTIS (Access on April 2020))
(4) ウサギのLD50: 450 uL/kg (換算値: 486 mg/kg) (MOE初期評価第17巻 (2019))
(5) ウサギのLD50: 469 mg/kg (HSDB (Access on April 2020))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しないとした。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分を特定できず、分類できない。
ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (4,145 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
なお、参考データとしたLC50値45 ppmの情報源はRTECSであり、原典が入手不可能で詳細不明であるため根拠としなかった。

【根拠データ】
(1) ラットの吸入ばく露試験 (4時間): > 412 ppmで死亡例なし (CLH Report (2015))、2,394 mg/m3 (412 ppm) で死亡例なし (SIAR (2002)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))、105~412 ppm (NITE初期リスク評価書 (2008))
(2) 本物質の蒸気圧: 4.2 hPa (25℃) (GESTIS (Access on April 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 4,145 ppm)

【参考データ等】
(3) ラットのLC50 (4時間): 45 ppm (MOE初期評価第17巻 (2019)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))
(4) ラットのLC50 (4時間): 45~> 412 ppm (NITE初期リスク評価書 (2008))
(5) ラットのLC50 (4時間): 0.262 mg/L (45.1 ppm) (GESTIS (Access on April 2020))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404と同等のウサギを用いた皮膚刺激性試験において、2/6例に中等度の皮膚壊死がみられている (CLH Report (2015))。
(2) 本物質は腐食性物質であり、0.1 mLの適用により、適用部位には1~2日後に発赤、浮腫、水疱を生じ、3日後には皮下出血及び潰瘍を生じる (CLH Report (2015)、SIAR (2002))。
(3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験(4時間適用)において、壊死及び軽度から重度の浮腫を含む中等度から重度の皮膚刺激性を示す (SIAR (2002))。
(4) OECD TG404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で腐食性を示した (REACH登録情報(Access on June 2020)) 。

【参考データ等】
(5) 本物質との接触により、皮膚に刺すような痛みや腐食を引き起こす可能性があり、水疱を生じることもあるが、ウサギの試験では中等度の刺激性にとどまる (GESTIS (Access on April 2020))。
(6) ウサギの皮膚に本物質 500μL を24 時間適用した皮膚刺激性試験で、強度の刺激性がみられた (NITE初期リスク評価書 (2008))。
(7) 本物質は眼、皮膚、気道を重度に刺激する (MOE初期評価第17巻 (2019))。
(8) EU-CLP分類でSkin Corr. 1C (H314) に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (0.02~0.1mL) はウサギの眼に対し中等度から強度の刺激性を示す (GESTIS (Access on April 2020))。
(2) 本物質は皮膚腐食性 (区分1) に区分されている (令和2年度GHS分類結果)。

【参考データ等】
(3) ウサギの眼に本物質 100μL を適用した眼刺激性試験で、中等度の刺激性がみられた (NITE初期リスク評価書 (2008))。
(4) 本物質は眼、皮膚、気道を重度に刺激する (MOE初期評価第17巻 (2019))。
(5) 本物質はOECD TG405類似の方法で軽度から中等度の結膜炎、適用後1週間で回復する軽度の角膜損傷を示す (CLH Report (2015))。
(6) OECD TG405に準拠し、ウサギ (3匹) を用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の適用24時間後から72時間後の平均スコアが1を超える動物は1/3例、結膜発赤あるいは浮腫の平均スコアが2を超える動物は1/3例であり、全ての所見は7日以内に消失した (ECETOC TR 48 (1998))。
(7) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
区分1、区分1Aまたは区分1Bを指示するデータ (2)~(4) が混在するが、(1) より産衛学会 感作性分類 皮膚第2群に指定されていることから、ガイダンスに従い、区分1Aとした。


【根拠データ】
(1) 本物質は産衛学会 感作性分類 皮膚第2群に指定されている (日本産業衛生学会学会誌 (2018))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、経皮投与 10~25%) において陽性 (陽性率70~80%) と報告されている (EU CLP CLH (2015)、REACH登録情報 (Access on June 2020))。
(3) 本物質を含有する粘着性シーラントの製造に携わる作業者等に対するパッチテストで陽性の報告がある (EU CLP CLH (2015))。
(4) 本物質は人とモルモットに対して中等度の皮膚感作性物質である (CLH Report (2015))。

【参考データ等】
(5) EU-CLP分類でSkin Sens. 1(H317)に分類されている (EU CLP分類(Access on June 2020))。
(6) モルモットに経皮適用あるいは皮内投与した皮膚感作性試験において陰性あるいは陽性と報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ガイダンスに従い区分2とした。


【根拠データ】
(1) in vivoでは、経口投与、腹腔内投与によるマウスの骨髄細胞を用いた小核試験でそれぞれ陽性、陰性の結果、吸入ばく露によるトランスジェニックラットの嗅上皮細胞、呼吸上皮細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性、腹腔内投与によるマウスの生殖細胞を用いた不定期DNA合成試験で陽性であるが用量依存性は認められていない (NITE初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2002)、MOE初期評価第17巻 (2019))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験、不定期DNA合成試験で陽性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2002)、MOE初期評価第17巻 (2019))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
ヒトでの発がん性に関する情報はない。本物質は、厚生労働省が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための指針の対象物質である。(1)~(4) に基づき、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ2A (IARC 125 (In prep.))、産衛学会で第2群A (産業衛生学会誌許容濃度の勧告 (2018年提案))、EU CLPで1B (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を104週間吸入ばく露した発がん性試験で、雌雄とも鼻腔の腫瘍 (扁平上皮がん、腺腫、鼻腔神経上皮腫など)、雄では皮下組織の線維腫及び腹膜の中皮腫、雌では乳腺の線維腺腫 の発生増加が認められた (がん原性試験 (2015))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を104週間吸入ばく露した発がん性試験で、雌雄とも鼻腔の腫瘍 (血管腫、血管肉腫など)、雄では前胃の扁平上皮乳頭腫、雌では肺の細気管支-肺胞上皮がんと子宮の組織球性肉腫の発生増加が認められた (がん原性試験 (2015))。
(4) 本物質は労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための改正指針の対象物質である (令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第27号)。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、精子に対する影響と関連したと考えられる受胎能の低下がみられ、(3) より吸収胚の増加もみられていることから区分1Bとした。なお、根拠データについて再検討し旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物毒性 (前胃の組織変化) がみられる用量 で、精子の運動性の低下によるものと考えられる受胎率の低下 (0、10、30、100 mg/kg/day: 81.8、100.0、91.7、16.7%) がみられた (既存点検結果 (Access on June 2017)、NITE初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2002)、CLH Report (2015))。
(2) 雄マウスに5日間腹腔内投与して精子の異常を調べた2つの試験において、精子細胞数減少、精子異常増加がみられている (CLH Report (2015))。
(3) 雌ラットの妊娠5~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制) がみられる用量で吸収胚の増加がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2002)、CLH Report (2015))。
(4) 日本産衛学会では、(1) において雄ラットの精子運動性の低下によるものと思われる受胎率の低下が報告されていることを根拠として生殖毒性物質第3群 (ヒトに対する生殖毒性の疑いがある物質) としている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))。

【参考データ等】
(5) 雌ウサギの妊娠7~19日に吸入ばく露した2つの発生毒性試験において、母動物毒性 (鼻腔上皮の変性、びらん、壊死) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (NITE初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2002)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018))。
(6) EU CLP分類ではRepr.1Bに分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020)) 。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。(1)、(2) より、区分1 (呼吸器) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、1.563 mg/L (269 ppm、区分1の範囲) で努力呼吸、体重減少がみられたとの報告がある (SIAR (2002))。
(2) ラット、ウサギ、モルモット、イヌの6時間単回吸入ばく露試験において、1.4 mg/L (4時間換算値: 1.71 mg/L (294.9 ppm、区分1の範囲)) で、肺、胸郭、呼吸に変化がみられたとの報告がある (SIAR (2002)) 。

【参考データ等】
(3) 投与経路や用量の詳細は不明だが、ラット及びマウスで自発運動の低下、努力性呼吸、喘ぎ呼吸、呼吸促迫、筋力低下、痙攣、立毛、体温低下などが報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。(1) より、実験動物において区分1の用量で鼻腔への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (呼吸器) とした。

【根拠データ】
(1) ラット、マウスを用いた13週間吸入毒性試験 (蒸気、6時間/日、5日/週ばく露) において、ラットでは20 ppm (90日換算0.084 mg/L、区分1の範囲) で鼻腔の呼吸上皮の再生・過形成・扁平上皮化生・びらん、嗅上皮の壊死・萎縮・再生、マウスでは1 ppm (90日換算0.0042 mg/L、区分1の範囲) 以上で鼻腔の呼吸上皮、嗅上皮及び嗅腺の変化の報告がある (厚労省委託がん原性試験結果 (2015))。他に、ラットで15 ppm (90日換算0.063 mg/L、区分1の範囲) で鼻腔の呼吸上皮過形成の報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2018)、CLH Report (2015)、SIAR (2002)、MOE初期評価第17巻 (2019))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)より、動粘性率は21℃で5.1 mm2/secと算出され、40℃の動粘性率が14 mm2/s以下であるが、その他の情報は得られなかった。
【参考データ】
(1)動粘性率は、21℃で5.1 mm2/s(21℃での粘性率5.481 mPa・s(HSDB (Access on April 2020)) と密度1.07 g/cm3 (HSDB (Access on April 2020)) から算出)である。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
魚類(ヒメダカ)96時間LC50 = 2.8 mg/L(MOE既存点検結果, 1996、MOE初期評価第3巻, 2004、MOE初期評価第17巻, 2019、NITE初期リスク評価書, 2008、SIAR, 2002)であることから、区分2とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
急速分解性があり(BODによる4週間分解度:94%(METI既存点検結果, 1991))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 1.0 mg/L(MOE既存点検結果, 1996、MOE初期評価第17巻, 2019)から、区分3とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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