NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 109-94-4
名称 ぎ酸エチル
物質ID m-nite-109-94-4_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-20℃ (closed cup)、沸点52-54℃ (ICSC (2010)) に基づいて区分2とした。
なお、国連分類はUN1190、クラス3、PGIIである。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が440℃ (ICSC (2010)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、1,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2013))、1,850 mg/kg (DFGOT vol.19 (2003))、4,290 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2012)) との3データの報告がある。区分4に2データ、区分外 (国連分類基準の区分5) に1データが該当するので、最も多くのデータが該当する区分4とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ウサギのLD50値として、5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2012))、> 20 mL/kg (> 18,300 mg/kg) (ACGIH (7th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003)) との報告に基づき、区分外とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
LC50値としての報告はないが、本物質のラットへの4,000 ppm (4時間) ばく露の結果、死亡例がみられなかったとの報告 (PATTY (6th, 2012))、及びラットへの8,000 ppm (4時間) ばく露の結果、5/6例が死亡したとの報告 (ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分4とした。新たな情報源 (PATTY (6th, 2012)) を追加し、区分を見直した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギを用いた試験において刺激性がみられなかった (ACGIH (7th, 2012)、DFGOT vol.19 (2003)) との報告や、軽度の刺激性がみられた (IUCLID (2000)) との報告がある。また、ヒトのパッチテストで刺激性がみられなかったとの報告 (DFGOT vol. 19 (2003)、IUCLID (2000)) がある。以上の結果より、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ヒトに対して、330 ppmの蒸気ばく露により軽度の刺激性がみられた (ACGIH (7th, 2012)) との報告や、10,560 ppmのばく露により進行性の中等度の刺激性がみられた (ACGIH (7th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003)) との報告がある。また、ウサギを用いた試験において、角膜の炎症 (DFGOT vol. 19 (2003)) や、中等度の刺激性の報告 (IUCLID (2000)) がある。ウサギに対する「中等度の刺激性」の結果から区分2Aとした。なお、IUCLID (2000) にはウサギを用いた試験で角膜の壊死との記載があるが、List1の情報源に非可逆的な影響を示す記載がないことや、試験法等について詳細不明な情報であることから、区分に用いなかった。本物質は、EU DSD分類で「Xi : R36」、EU CLP分類で「Eye Irrit. 2」に分類されている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、23人のボランティア試験 (マキシマイゼーション試験) では本物質の4%を含むワセリンに対して感作性を示さなかった (ACGIH (7th, 2012)、IUCLID (2000)) との報告がある。ボランティアの試験は、4%の濃度での適用であり、また試験条件及び結果について詳細が不明であることから分類に用いるには十分なデータでないと判断し、区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (ACGIH (7th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003)、NTP DB (Access on July 2014))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - ACGIHでA4に分類されている (ACGIH (7th, 2012)) ことから、「分類できない」とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトへのばく露で鼻、上気道刺激性、唾液分泌作用、呼吸困難、肺水腫を引き起こす。麻酔作用、中枢神経系抑制作用があり、呼吸器不全及び循環器不全により死亡する場合がある。また、本物質の摂食により食道熱傷が起こる (ACGIH (7th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2014))。
実験動物では、ネコへの16 mg/L (5,000 ppm) の吸入ばく露で流涎、32 mg/L (10,000 ppm) で深い麻酔作用、肺水腫、死亡、イヌへの10,000 ppmで肺水腫、死亡が報告されている (ACGIH (7th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2014))。また、ラット、マウス、ネコの致死用量では中枢神経系抑制、モルモットへの蒸気ばく露で振戦、中枢神経系抑制、死亡が報告されている (PATTY (6th, 2012)、IUCLID (2000))。
以上より、ヒトで呼吸器への影響、麻酔作用が認められているため、区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) とした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 本物質はJECFAで食品添加物としての通常使用では安全性の懸念なしとされており (JECFA TRS868 (1997))、ラットに10,000 ppm (1,000 mg/kg/日相当) の飼料中濃度で17週間混餌投与しても毒性影響はみられなかったとの記述 (DFGOT vol. 19 (2003)) からも裏付けられる。すなわち、経口経路では区分外相当である。しかし、本物質が揮発性を有し、吸入経路が主要なばく露経路と考えられるにもかかわらず、反復吸入ばく露による毒性情報はない。したがって、データ不足のため分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
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- - 魚類(ニジマス)の96時間LC50=230mg/L(IUCLID、2000)から、区分外とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
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- - 難水溶性でなく(水溶解度=88200mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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