NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 110-00-9
名称 フラン
物質ID m-nite-110-00-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 引火性液体 区分1


危険
H224 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
Merck(14th,2006)による引火点は-35℃(密閉式)、沸点は31.36℃であるので、区分1に該当する。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点390℃(Merck KGaA data from March 2009))。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データがないので分類できない。
なお、EU分類はXn; R22(EU-Annex I)である。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データがないので分類できない。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
本物質の飽和蒸気圧濃度(20℃)は650,000 ppmであり、ラットを用いた1時間吸入暴露試験におけるLC50値は3,464 ppm(HSDB(2003))との記述から、気体基準を適用する。4時間換算LC50値1,732 ppmから、区分3とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - HSDB(2003)に、モルモットを用いた試験で「皮膚刺激性」との記述があるが、この引用文献(Gig. Sanit. 6(1974))を調査したところ、「フランは揮発性が強い(沸点32℃)ため、刺激性は検討しなかった」と記述されていたので、このデータは採用しない。この他、RTECS(2008)にはウサギを用いた経皮投与試験で「primary irritation」との記述があるが、List3の情報源であり、詳細も不明である。よって、データ不足のため分類できない。
なお、EU分類はXi; R38(EU-Annex I)である。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - 「眼への接触により、刺激とやけどを生じ得る」(HSFS(2008))との記述があるが、これはList3の情報源であり、詳細も不明である。よって、データ不足のため分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた吸入暴露試験において、アレルギー反応を含む免疫系への影響を示す(RTECS(2008))との記述があるが、データ不足のため分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - モルモットを用いた皮膚塗布試験において、アレルギー反応がみられた(HSDB(2003))との記述があるが、データ不足のため分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
体細胞in vivo 変異原性試験(マウス骨髄細胞を用いた染色体異常試験)が陽性(IARC 63(1995)、NTP DB(Access on November 2008))との記述があるが、生殖細胞を用いたin vivo 遺伝毒性試験の結果はないので、区分2とした。
なお、EU分類はMuta. Cat. 3; R68(EU-Annex I)である。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARCにおいてグループ2B(IARC 63(1995))と評価されているので、区分2とした。
なお、マウスにおいて肝細胞腺腫、腺癌、ラットにおいては雌雄で肝細胞腺腫、胆管細胞癌、単核細胞白血病、雄で肝細胞癌(IARC 63(1995)、NTP TR402(1993)、NTP Roc(11th, 2005))が記述されている。
なお、EU分類はCarc. Cat. 2; R45(EU-Annex I)である。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系、消化器系、肝臓)、区分3(気道刺激性)



警告
H371
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトについては、HSDB(2003)に、吸入暴露による症状として「中枢神経系の抑制、消化器の鬱血、肝臓損傷、低血圧、疲労、頭痛」との記述がある。また、ICSC(1995)に「気道刺激性がある」と記述されている。よって、区分2(中枢神経系、消化器系、肝臓)、区分3(気道刺激性)とした。
なお、HSDB(2003)の一次文献(NTP Executive Summary: Furan(Draft)(1986))を入手できず、詳細は確認できなかった。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、腎臓、呼吸器系)、区分2(精巣、卵巣)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
マウスとラットを用いた2年間経口投与試験(最高投与量:8 mg/kg)で「肝臓障害(過形成、慢性炎症、胆管線維化、空胞変性や変性、壊死等)及び腎臓障害(尿細管の拡張、上皮壊死)」(NTP TR402(1993))の記述がある。また、ラットを用いた13週間経口投与試験において、60 mg/kg投与群で「精巣と卵巣の萎縮が見られた」(NTP TR402(1993))との記述がある。さらに、RTECS(2008)にはラットを用いた60日間吸入暴露試験において「気管、気管支の構造異常または機能異常」、ラットを用いた26週間吸入暴露試験において「中枢神経系に異常」の記述があり、これらの一次文献(Toksikologiya Novykh Promyshlennykh Khimicheskikh Veshchestv. 9(1967)、Toksikologiya Novykh Promyshlennykh Khimicheskikh Veshchestv. 10(1968))を確認したところ、前者の気管または気管支の異常は、区分1のガイダンス値範囲内の用量で、局所的な肺気腫を伴い認められた症状であったが、後者の中枢神経系の異常は、致死用量における症状と考えられたため、採用しない。以上から、区分1(肝臓、腎臓、呼吸器系)、区分2(精巣、卵巣)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 61mg/L(AQUIRE, 2008)から区分3とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 急性毒性区分3であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:4%(既存点検, 1983))が、魚類(ファットヘッドミノー)の31-33日間NOEC = 8.27 mg/L(AQUIRE, 2008)であり、長期毒性が > 1mg/Lであることから区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 オゾン層への有害性 -
-
-
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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