NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 110-02-1
名称 チオフェン
物質ID m-nite-110-02-1_v2
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-9℃ [密閉式](GESTIS(access on Aug. 2009))は < 23℃ であり、初留点は84.4℃(Merck(14th, 2006))から35℃超であるので区分2に相当する。なおUNRTDG(UN2414)Class3、Packing Group IIである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が395℃であり(ホンメル(1996))、70℃を超えている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素、フッ素または塩素を含んでいない有機化合物である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットを用いた試験(OECD TG423)において、2000 mg/kgで死亡例なし(0/6)の結果(厚労省報告(access on Aug. 2009))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外に相当)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足で分類できない。なお、モルモットLD50>20ml/kg(RTECS(2006))のデータがある。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足で分類できない。なお、マウスLC50: 9500 mg/m3/2H = 6.7 mg/L/4H = 1947 ppm/4H(RTECS(2006))のデータがある。LC50値(9.5 mg/L/2H)が飽和蒸気圧濃度(361 mg/L)の90%より低いので、試験はほとんどミストを含まない蒸気で行われたと考えられる。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
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- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
チオフェンはヒトで皮膚刺激を引き起こしているとの報告(HSDB(2003)に基づき区分2とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivoの試験データが無く分類できない。なお、in vitroのh試験では、復帰突然変異試験(Ames test)及びCHL細胞を用いる染色体異常試験のいずれも陰性と報告されている(厚労省報告(access on Aug, 2009))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG422)おいて、100 mg/kg以上あるいは400 mg/kgで一般毒性として自発運動量低下、腹臥姿勢、流涎などの症状が観察されたが、親動物の性機能および生殖能、ならびに仔の発生に対する悪影響は認められなかった(厚労省報告(access on Aug, 2009))。一方、100 mg/kg以上の投与群で哺育行動や泌乳の低下が観察され、400 mg/kg投与群では新生児の4日目生存率が低値傾向にあったことは母動物の哺育行動あるいは泌乳の低下に起因すると考えられている(厚労省報告(access on Aug, 2009))。これらの動物には小脳核神経細胞の変性が認められており、哺育行動の低下、あるいは泌乳状態の不良は、チオフェン投与による二次的変化であると推測されている(厚労省報告(access on Aug, 2009))ので、分類の根拠としなかった。結論としては、催奇形性を含む発生毒性に関するデータがなお不十分であるために、「分類できない」とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - ラットの経口投与試験(OECD TG423)において死亡はなく、300 mg/kgでは眼瞼下垂、流涎及び下腹部の汚れ。体重は概ね順調に増加し、観察期間終了時の剖検において、内部諸臓器の肉眼的変化は認められていない。2000 mg/kgでは自発運動の低下、眼瞼下垂、流涎、口鼻周囲の汚れ及び粗毛。観察4日の体重は減少し、8日には回復傾向を示し、剖検では内部諸臓器の肉眼的変化は認められていない(厚労省報告(access on Aug. 2009))。2000 mg/kgでは重大な毒性の発現は見られていないことから、経口投与では区分外に相当するが、他経路のデータがないため「分類できない」とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、脳)


警告
H373 P260
P314
P501
ラット反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG422)(およそ45日間)において、雌雄ともに死亡例は無く、雄では100 mg/kg以上で雌では400 mg/kgで、不整呼吸、自発運動量低下、腹臥姿勢、流涎などが見られた。雄の病理組織学的検査では100 mg/kg以上の群で小葉中心性肝細胞肥大、マクロファージ浸潤、400 mg/kgでは小葉中心性肝細胞壊死、小葉中心部の肝細胞質均質化/小空胞化が見られ、総ビリルビン濃度や各種酵素活性が高値となり、100 mg/kg以上の群では肝臓毒性を示した。400 mg/kg群では小脳顆粒細胞の核濃縮あるいは壊死が1例に見られ、小脳に対する軽度な毒性を示した。雌の生存例では100 mg/kg以上の群では雄の400 mg/kg群で肝臓に惹起されたのと同質の所見を示し、小脳の顆粒細胞壊死が100 mg/kg以上で認められ、400 mg/kgでは大脳脳室拡張/周囲浮腫も認められた。これらのことから100 mg/kg以上の投与量で肝臓及び小脳に障害を与える毒性量であると考えられている(厚労省報告(access on Aug, 2009))。以上の結果に基づき区分2(肝臓、脳)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 21 mg/L(MOE既存点検結果, 1996、SIDS, 2011)であることから、区分3とした。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(ムレミカズキモ)の72時間NOErC = 12 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 2.8 mg/L(いずれもMOE既存点検結果, 1996、SIDS, 2011)から、区分に該当しないとなる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、魚類(ヒメダカ)の96時間LC50 = 31 mg/L(MOE既存点検結果, 1996、SIDS, 2011)から、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分3とした。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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