NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 110-16-7
名称 マレイン酸
物質ID m-nite-110-16-7_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は水素、炭素以外の元素と化学結合していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットLD50 = 708 mg/kg(PATTY(5th, 2001))により区分4とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P362+P364
P280
P312
P321
P501
ウサギLD50 = 1560 mg/kg(PATTY(5th, 2001)により区分4とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - ラットLC50 > 0.72 g/m3/1h(換算値:0.18 mg/L/4h)(PATTY(5th, 2001))の他にデータなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた試験で皮膚に軽度の刺激性(PATTY(5th, 2001))、モルモットを用いた24時間の適用試験で中等度の刺激性と評価され(PATTY(5th, 2001))、ヒトで著しい刺激を示すとの記載(PATTY(5th, 2001))より区分2とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギ眼に1%あるいは5%溶液を2分間適用した場合は中等度から重度の刺激性と評価され(PATTY(5th, 2001))、ヒトで著しい刺激性を示すとの記載(PATTY(5th, 2001))より区分1とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)より、EC3値が2%以下と推定されることから、区分1Aとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。REACH登録情報(Accessed Nov. 2021)にて感作性知見が公表されたため、旧分類から皮膚感作性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)マウス(n = 5)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は11.2(1%)、22.0(2.5%)、31.5(5%) であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2021))。

【参考データ等】
(2)モルモット(n = 10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、25%溶液で惹起した1回目における、惹起後24時間後及び48時間後の陽性率はともに100%(10/10例)であった。対照群でも全例で陽性反応がみられたことから、刺激性反応であると判断され、1%溶液で再惹起が実施された。再惹起における、惹起後24時間後及び48時間後の陽性率はともに30%(3/10例)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2021))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitroではエームス試験の結果は概ね陰性であった(NTP DB(Access on Aug. 2008)、IUCLID(2000))。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ラットに2年間混餌投与した試験では催腫瘍性は報告されていない(PATTY(5th, 2001))が、この結果のみでは分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットに無水マレイン酸を経口投与した二世代生殖毒性試験と妊娠ラットを用いた試験の結果から、マレイン酸の生殖・発生毒性が陰性であると推測されている(SIDS(J)(Access on Oct. 2008))。しかし、対象物質であるマレイン酸を直接用いた試験データではなく、また、無水マレイン酸を用いた試験の陰性結果についても内容の詳しい記述がない。したがって判断できないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラット(雄)に200または400mg/kgを経口投与直後から腎臓の傷害(近位尿細管の傷害と壊死)が現れ、24時間までに広範な壊死に進行した(PATTY(5th,2001))。また、近位尿細管の壊死は、イヌに9 mg/kg以上を経口投与した場合にも観察されている(HSDB(2003))。ラットおよびイヌともガイダンス値範囲区分1に相当する用量で腎毒性を示したことから、区分1(腎臓)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラットを用いた混餌投与試験に関して、28日間ばく露では高用量群(162.5mg/kg/day、換算値:50.5mg/kg)での体重増加抑制と全用量群での副腎重量の変化を除きばく露の影響についての記載はない(PATTY(5th, 2001))。また、2年間ばく露では中および高用量での体重増加抑制と全用量での死亡率の増加があったものの、催腫瘍性、対照群との毒性学的な差および特異的な病理所見は報告されていない(PATTY(5th, 2001))。一方、ラットに無水マレイン酸100mg/kg/日以上を90日間ばく露により腎臓の損傷を引き起こし、体内での加水分解によるマレイン酸の影響が述べられている(SIDS(J)(Access on 10. 2008))が、当該物質(マレイン酸)を直接用いた28日および2年の反復ばく露試験で認められていないので分類に採用しなかった。しかし、単回ばく露の結果を踏まえると発現用量についてなお疑義が残る。ばく露の方法の違い(強制と混餌)もあり、分類にはその点を明らかにしたデータが必要であり、したがって現状では分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(マス、ブルーギル)での96h-LC50=75mg/L(SIDS, 2004)であることから、区分3とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 急性分類は区分3であるが、急速分解性があり(28日でのBOD分解度=87%(既存化学物質安全性点検データ, 1994))、生物濃縮性が低いと推測されることから(LogPow=-2.61(SIDS, 2004))、区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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