NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 110-91-8
名称 モルホリン
物質ID m-nite-110-91-8_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点31℃ (closed cup) (GESTIS (Access on June 2017)) に基づいて区分3とした。なお、UNRTDG分類はUN 2054、クラス8、副次3、PGⅠである。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は275℃ (GESTIS (Access on June 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 金属を侵す (HSDB (Access on June 2017)) との情報があるが、データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、1,050 mg/kg (EHC 179 (1996)、IARC 47 (1989)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))、1,420 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、1,600 mg/kg (EHC 179 (1996)、IARC 47 (1989)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、SIDS (2015)) 、1,610 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、1,900 mg/kg (EHC 179 (1996)、IARC 47 (1989)、PATTY (6th, 2012)、SIDS (2015)) の報告に基づき、区分4とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として、310 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、500 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、810 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、0.5 mL/kg (504 mg/kg) (EHC 179 (1996)、IARC 47 (1989)、PATTY (6th, 2012)、SIDS (2015)) の報告に基づき、区分3とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットの4時間吸入試験のLC50値として、7.8 mg/L (2,192 ppm) (雌) 、8.2 mg/L (2,304 ppm) (雄) (いずれもEHC 179 (1996)) との報告に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (10,495 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質はヒトの皮膚に対して腐食性を示すとの記述 (SIDS (2015))、及びウサギにおける皮膚刺激性試験において本物質の適用により壊死を生じるとの複数の試験報告 (EHC 179 (1996)、IARC 47 (1989)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、SIDS (2015)) から、区分1とした。 なお、EU CLP分類において本物質はSkin Corr. 1B に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
皮膚腐食性/刺激性が区分1に分類されていることから、区分1とした。なお、ヒトにおいて本物質の適用により角膜浮腫が生じるとの報告 (IARC 47 (1989)) 、及び強度の刺激性があるとの記述 (ACGIH (7th, 2001)、IARC 47 (1989)、PATTY (6th, 2012)) があり 、ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質の適用により浮腫、角膜混濁、ぶどう腫(staphyloma)を生じたとの報告 (EHC 179 (1996)) がある。分類ガイダンスに従い、区分を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。モルモットを用いた改良ビューラー法による皮膚感作性試験で感作性を示さなかったとの記述がある (EHC 179 (1996)、PATTY (6th, 2012)) が、本物質2%濃度の検体における結果であり実験条件や結果等の情報が十分ではないため、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - In vivoでは、ラットの優性致死試験で陰性、シリアンハムスターの胎児を用いた小核試験、染色体異常試験、遺伝子突然変異試験で陰性、ラットの染色体異常試験で陰性 (SIDS (2015)、IARC 47 (1989)、環境省リスク評価第4巻 (2005))、また、ラット及びモルモットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある (EHC 179 (1996)、PATTY (6th, 2012)) が、この試験には欠陥があると記載されている (PATTY (6th, 2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験の多くで陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験で陰性、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果である (IARC 47 (1989)、SIDS (2015)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、EHC 179 (1996)、PATTY (6th, 2012))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。旧分類の区分2を見直し、区分を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 2系統のマウス、1系統のラット及び1系統のハムスターを用いた混餌投与による発がん性試験が実施されており、このうちマウス1系統及びハムスターの試験は動物数が少ない、投与期間が短いなどにより評価に不十分とされた (IARC 47 (1989)、 IARC 71 (1999))。マウスの他の1系統の試験では腫瘍発生率の増加は認められなかった。一方、ラットの試験では肺と肝臓に腫瘍の発生増加が示された。この他、ラットを用いた2年間吸入ばく露試験では腫瘍発生の有意な増加は示されなかった (IARC 47 (1989)、 IARC 71 (1999))。以上、IARCは実験動物での発がん性の証拠は不十分であるとして、グループ3に分類した (IARC 47 (1989)、 IARC 71 (1999))。また、ACGIHはA4に分類している (ACGIH (7th, 2001))。よって、本項は分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質のオレイン酸塩を妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6~15日) に強制経口投与した結果、母動物に鼻汁、鼻周囲の汚れ、流涎など一過性の症状発現がみられたが、胚・胎児への影響はみられなかったとの報告がある (環境省リスク評価第4巻 (2005))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質の液体と蒸気は粘膜刺激性であり、本物質を取り扱っていた研究者自身が鼻の刺激と咳を生じたことを報告している (ACGIH (7th, 2001))。実験動物ではラットの4時間吸入ばく露試験で、区分1範囲の71 ppm (0.252 mg/L) で呼吸数の増加と肺の刺激所見 が認められたとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。ヒトでの情報は1例のみであるので根拠としなかったが、動物試験で肺への影響が区分1の用量でみられていることから、区分1 (呼吸器) とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトに関する情報はない。
  実験動物については、ラットを用いた蒸気による13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分2のガイダンス値の範囲内である340 mg/m3 (90日換算: 0.25 mg/L) 以上で鼻腔の限局性壊死・壊死性細胞片、920 mg/m3 (90日換算: 0.66 mg/L) で鼻甲介・上顎甲介・鼻中隔・鼻腔前部の限局性びらん及び扁平上皮化生の増加、慢性肺炎がみられ (環境省リスク評価第4巻 (2005)、EHC 179 (1996)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、IARC 47 (1989))、ラットを用いた蒸気による104週間吸入毒性試験において区分1のガイダンス値の範囲内である180 mg/m3 (0.18 mg/L) 以上で限局性の皮膚の壊死、鼻甲介骨壊死、区分2のガイダンス値の範囲内 (蒸気) である540 mg/m3 (0.54 mg/L) で鼻腔内で鼻甲介上皮の炎症及び過形成、眼で角膜炎、水腫、潰瘍等がみられている (環境省リスク評価第4巻 (2005)、EHC 179 (1996)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th ,2012))。なお、この104週間の試験において鼻甲介骨壊死が180 mg/m3 (0.18 mg/L) で有意にみられているが、環境省リスク評価第4巻 (2005) 以外の評価書では540 mg/m3 (0.54 mg/L) にのみ呼吸器系の影響の記載がある。
  以上、主な影響として、刺激性に起因したと考えられる鼻腔への影響がみられていることから区分1 (呼吸器) とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on June 2017) に収載された数値データ (粘性率: 2.23 mPa・s (20℃)、密度 (比重): 1.007) より、動粘性率は2.21 mm2/sec (20℃) と算出される。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害)= 45 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分3とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解率:0%(化審法DB:1979))、甲殻類(オオミジンコ)の 21日間NOEC(繁殖阻害)= 5.0 mg/L(OECD SIDS:2013)、藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 30.9 mg/L(環境省環境リスク評価(第4巻):2005)であることから、区分外とした。
  慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解率:0%(化審法DB:1979))、魚類(メダカ)96時間LC50 >100 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分外となる。
  以上の結果から、区分外とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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