NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 11070-44-3
名称 テトラヒドロメチル無水フタル酸
物質ID m-nite-11070-44-3_v2
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点164℃ (closed cup) (GESTIS (Access on April 2020)) より、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 分子内に自己反応性に関連する原子団として不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が415℃ (GESTIS (Access on April 2020)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(2)、(3)、(4) は非ガイドライン試験結果のため、(1) の情報に基づいて、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (AICIS IMAP (Access on April 2020)、MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、SIAR (2005)、既存点検結果 (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 2.14 g/kg (2,140 mg/kg) (ACGIH (7th, 2019))
(3) ラットのLD50: 1,900 mg/kg (AICIS IMAP (Access on April 2020)、MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、SIAR (2005))
(4) ラットのLD50: 1,900~2,590 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P362+P364
P280
P312
P321
P501
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 1.14 mL/kg (換算値:1,368 mg/kg) (ACGIH (7th, 2019)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2002))
(2) ウサギのLD50: > 1,706 mg/kg (AICIS IMAP (Access on April 2020))
(3) ウサギのLD50: 1,710 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))
(4) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (AICIS IMAP (Access on April 2020))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ウサギに本物質の原液を用量不明あるいは0.01 mL適用した皮膚刺激性試験において、中等度の刺激性あるいは刺激性なしと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008))。
(2) Federal Regulations, Title 16, Section 1500.41に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で中等度の刺激性を示すと報告されている (SIAR (2005)、REACH登録情報 (Access on May 2020))。
(3) ウサギの皮膚に対し中等度の刺激性を示し、PIIは3.5と報告されている (ACGIH (7th, 2019)、SIAR (2005))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分2Aとした。

【根拠データ】
(1) ウサギに本物質の原液 0.1mLあるいは0.005 mLを適用した眼刺激性試験において、24時間後に虹彩のうっ血や強度の角膜損傷が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008))。
(2) Federal Regulations, Title 16, Section 1500.41に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で刺激性を示すと報告されている (SIAR (2005))。
(3) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験において1時間後には角膜混濁がみられ、24時間後には虹彩に点状出血がみられたが、結膜には変化はみられなかった。閉眼や出血はみられず、10日間には完全には回復しなかったが、14日目までには回復した (REACH登録情報 (Access on May 2020)) 。

【参考データ等】
(4) EU CLP分類でEye Dam. 1 (H318)に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は産衛学会 感作性分類 気道第1群に指定されている (産衛学会許容濃度等の勧告 (2019))。
(2) 本物質を扱う作業者において鼻汁、喘鳴、皮膚炎、息切れ等を示した症例が複数報告されており、プリックテスト及び RAST による検査により、本物質に対するIgE抗体が確認されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2019)、MAK (DFG) vol.10 (1998))。
(3) 本物質は強い感作性物質であり、IgE及びIgG抗体を誘導する (ACGIH (7th, 2019))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1) より、区分1とした。なお、使用されたマウスが推奨系統とは異なるため、細区分は行わなかった。

【根拠データ】
(1) BALB/cマウスを用いたマウス局所リンパ節試験 (LLNA) において、陽性となり、EC3値は1.37であった (ACGIH (7th, 2019))。

【参考データ等】
(2) EU CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性 (数的異常誘発に関して疑陽性) の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、 SIAR (2005)、既存点検結果 (Access on April 2020)、 産衛学会許容濃度の提案理由書 (2002))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) において、親動物毒性 (主に前胃の病変) がみられる用量においても生殖発生影響はみられていない。しかし、この試験はスクリーニング試験であること、また、発生に関する十分なデータがないことから、データ不足のため分類できないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物毒性 (前胃の扁平上皮の過形成・粘膜下組織の肉芽腫性炎症等) がみられる用量においても生殖毒性はみられていない (既存点検結果 (Access on April 2020)、NITE初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2005)、ACGIH (7th, 2019))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分3 (気道刺激性) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は、眼の痛み、咽頭の痛み、くしゃみ、鼻汁、鼻詰まり、咳、喘息などの眼と鼻の症状を引き起こす (SIAR (2005))。

【参考データ等】
(2) 本物質を含む環状酸無水物は、ヒトにおいて皮膚や粘膜への直接接触または吸入ばく露により刺激や感作を引き起こすことがある。環状酸無水物が水と反応して生成したジカルボン酸により、刺激が引き起こされる (CICAD 75 (2009))。
(3) ACGIHでは感作性及び眼、鼻腔の症状及び喘息をの発生を最小化することを目的としたTLV-TWAを設定している (ACGIH (7th, 2019))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、経口経路については区分に該当しない。その他の経路についてはデータ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験が実施されており、刺激性に起因したと考えられる前胃の病変が認められているが、分類の根拠となる影響は認められていない (既存点検結果 (Access on April 2020)、SIAR (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)、MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、ACGIH (7th, 2019))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間EC50 = 81 mg/L(MOE既存点検結果, 1996) であることから、区分3とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.94 mg/L(MOE既存点検結果, 1996、SIAR, 2005)から、区分2とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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