NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 111-90-0
名称 2-(2-エトキシエトキシ)エタノール
物質ID m-nite-111-90-0_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点が90℃(closed cup)(GESTIS(Access Jan. 2019))に基づいて区分4とした。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は190℃(GESTIS(Access Jan. 2019))であり常温で発火しないと考えられる。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(8)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:10,502 mg/kg (SIAR(2005)、DFG(2007)、Patty(6th, 2012))。
(2)ラットのLD50:7,410 mg/kg (SCCS(2013)、ECETOC TR 95 vol. II(2005))。
(3)ラットのLD50:5,400~5,500 mg/kg (SCCS(2013)、ECETOC TR95 vol. II(2005))。
(4)ラットのLD50:6,000 mg/kg (SCCS(2013)、ECETOC TR95 vol. II(2005))。
(5)ラットのLD50:6,310 mg/kg (SCCS(2013)、ECETOC TR95 vol. II(2005))。
(6)ラットのLD50:8,690 mg/kg (SCCS(2013)、Patty(6th, 2012))。
(7)ラットのLD50:5,540 mg/kg (SCCS(2013)、Patty(6th, 2012))。
(8)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg (SCCS(2013))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50:9,143 mg/kg (SIAR(2005)、DFG(2007)、Patty(6th, 2012))
(2)ウサギのLD50:8,300 mg/kg (SCCS(2013)、ECETOC TR95 vol. II(2005))
(3)ウサギのLD50:4,200 mg/kg (SCCS(2013))
(4)ラットのLD50:6,000 mg/kg (SCCS(2013)、ECETOC TR95 vol. II(2005))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体である。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外とした。なお、試験濃度は飽和蒸気濃度は126 ppm(0.69 mg/L)よりも遥かに高い濃度であり、ミスト基準を適用した。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):5.24 mg/L(SCCS(2013)、BG Chemie Toxicological Evaluations(1995))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より刺激性を示さないとの情報、(5)~(7)より軽度の刺激性を示すとの情報が得られており、ガイダンスに従い、区分外(国連分類基準の区分3)とした。

【根拠データ】
(1)ヒト25人に本物質調剤(20%ワセリン)を48時間閉塞適用したところ、刺激性は見られなかったとの報告がある(SIAR(2005)、DFG(2007))。
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(n=6)で本物質50%水溶液を24時間閉塞適用したところ、72時間後までの紅斑、浮腫平均スコアは共に0だったとの報告がある(SCCS(2013))。
(3)本物質はヒトで皮膚一次刺激性を示さないとの報告がある(ECETOC TR95 vol. II(2005))。
(4)ウサギの皮膚への適用時間を延長したり、反復ばく露しても、本物質は刺激性を示さないとの記述がある(Patty(6th, 2012))。
(5)ヒトボランティア10人に本物質を48時間閉塞適用したところ、1例で軽度(グレード1)の紅斑が見られただけだったとの報告がある(SCCS(2013))。
(6)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(n=6)でに本物質原液を24時間閉塞適用したところ、無傷部位のうち1箇所で紅斑又は痂皮又は浮腫のスコアが2を示したが、その他のスコアは0、平均スコアも0.3だったとの報告がある(SIDS Dossier(2005))。
(7)ウサギの皮膚に最大11,300 mg/kg、モルモットの皮膚に最大1,000 mg/kgを閉塞適用したところ、軽度の刺激性がみられたとの報告がある(SIDS Dossier(2005)、DFG(2007))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)~(5)より、本物質は軽度の眼刺激性を示すこと、また(1)、(2)より細区分可能と判断し、区分2Bとした。なお、区分2を示唆する情報(6)も得られているが、信頼性が高い複数のデータ(1)、(2)及びそれを支持するデータ(3)~(5)を重視した。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP準拠、n= 3)で本物質原液を適用したところ、24時間後に結膜の浮腫(スコア1)が1/3、結膜の発赤(スコア1)が3/3で見られたが、48時間で回復したとの報告がある(SCCS(2013))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP準拠、n= 3)で本物質30%水溶液を適用したところ、1時間後に結膜の発赤(スコア1)が2/3、浮腫(スコア1)が2/2で見られたが、24時間後には回復したとの報告がある(SCCS(2013))。
(3)ウサギ用いた眼刺激性試験(Directive 79/831/EEC B.5(OECD TG405相当)、GLP準拠、n= 6)で本物質原液を用いたところ、結膜の紅斑、浮腫及び角膜混濁の平均スコアはそれぞれ1.37、0.17及び0.22だったとの報告がある(SIDS Dossier(2005))。
(4)ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質原液を適用したところ、軽度の刺激性(障害の程度:10段階中レベル2)が見られたとの報告がある(SIDS Dossier(2005))。
(5)本物質はウサギの眼に軽度の刺激性を示し、軽度の疼痛反応、結膜の発赤、角膜の肥厚が認められたとの報告がある(ECETOC TR95 vol. II(2005))。

【参考データ等】
(6)本物質はウサギの眼に中等度(moderate)の刺激性を示すとの報告がある(Patty(6th, 2012))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
ヒトに関するデータは得られているが、感作性の有無を判断できる十分な情報は得られておらず、データ不足で分類できないとした。

【参考データ等】
(1)ヒトボランティア24人に本物質の腕の皮膚への3週間閉塞適用を9回繰り返し(感作段階)、15日間の適用休止後に背部皮膚に適用したところ(誘発段階)、感作性は見られなかったとの報告がある(SCCS(2013))。
(2)ヒトボランティア25人に本物質20%調剤(ワセリン中)を適したMaximization試験において、皮膚感作性は陰性だったとの報告がある(SIAR(2005)、DFG(2007))。
(3)本物質はヒトで感作性を示さないとの報告がある(ECETOC TR95 vol. II(2005))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、ガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1)マウス骨髄を用いたin vivo小核試験(腹腔内投与、1,980 mg/kgを2日連続投与)で、陰性の結果が得られている(SCCS(2013)、ECETOC TR 95(2005)、SIAR(2005)、DFG(2007))。
(2)ラット初代肝細胞を用いたin vivo不定期DNA合成試験(経口投与、最大2,000 mg/kg、単回投与)で、陰性の結果が得られている (SCCS(2013))。
(3)In vitroでは、複数の細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性(弱陽性1件)であった(ECETOC TR 95 vol. II(2005)、SCCS(2013)、SIAR(2005)、NTP DB(Accessed Jan. 2019))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。
国内外の分類機関による既存分類はなく、データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)ラットを用いた2年間混餌投与(約1,000 mg/kg/day)、および718日間飲水投与(最大950 mg/kg/day)試験で、腫瘍発生の増加はみられなかったが、いずれも現行の発がん性試験の要求基準を満たさず、発がん性評価に利用できない(SIAR(2005)、ECETOC TR 95 vol. II(2005)、DFG(2007)、Patty(6th, 2012))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質は経口経路では繁殖毒性を示さないと考えられる。また、(3)、(4)から経口経路での発生影響は、限度量、ないしそれを上回る大量投与にも関わらず、ラットで最小限の影響、マウスで不検出であり、分類根拠とすべき所見はみられていない。その他の経路についても、(5)、(6)から、発生影響に関して懸念すべき所見はない。ただし(3)では母体に影響のないレベルで軽度の影響(骨化遅延)がみとめられていること及びウサギのデータが得られなかったことを踏まえ、区分外ではなく分類できないとした。

【根拠データ】
(1)マウスを用いた飲水投与による2世代試験(NTPによる連続交配試験)において、F1雄親動物の25,000 ppm(4,400 mg/kg/day:SCCS(2013))で精巣上体尾部の精子運動能の低下がみられたが、F0、F1親動物ともに最高用量の25,000 ppmまで繁殖能への影響は認められなかった(SIDS Dossier(2005)、ECETOC TR95 vol. II(2005)、DFG(2007)、SCCS(2013)、Patty(6th, 2012))。
(2)本物質製品(Transcutol HP、純度:99.9%)を被験物質とした経口投与によるラット1世代生殖毒性試験(最大2,000 mg/kg/day:OECD TG 415、GLP準拠)では、雄に交配63日前から交配期間を経て剖検前日まで、雌には交配14日前から交配期間を経て妊娠7日まで投与した結果、親動物には1,000 mg/kg/day以上で体重増加抑制や症状(流涎、鎮静)がみられたが、最大投与量である2,000 mg/kg/dayまで生殖発生影響は認められなかった(SCCS(2013))。
(3)本物質製品(Transcutol HP、純度:99.98%)を被験物質としたラット出生前発生毒性試験(OECD TG 414、GLP準拠)では、妊娠ラットの器官形成期(妊娠6~17日)に強制経口投与された。その結果、2,000 mg/kg/dayの投与により母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少)がみられ、より低用量の1,000 mg/kg/dayの投与により胎児に骨化遅延がみられたが、他に発生影響はみられなかった(SCCS(2013))。
(4)妊娠マウスの器官形成期(妊娠6~13日)に本物質を5,500 mg/kg/dayで強制経口投与した試験では、母動物の14%(7/50例)が死亡したが、得られた胎児には異常所見はみられなかった(SIDS Dossier(2005)、DFG(2007)、SCCS(2013))。
(5)妊娠ラットの器官形成期(妊娠7~15日)に本物質を102 ppmで吸入ばく露(7時間/日)した試験では、母動物、胎児ともに異常所見はみられなかった(SIDS Dossier(2005)、Patty(6th, 2012)、DFG(2007)、SCCS(2013))。
(6)妊娠ラットの器官形成期(妊娠7~16日)に本物質を4回/日で計1.4 mL/rat/day(5,600 mg/kg/day:SCCS(2013))を経皮適用した試験では、母動物、胎児ともに異常所見はみられなかった(SIDS Dossier(2005)、DFG(2007)、Patty(6th, 2012)、SCCS(2013))。なお、SCCSは本試験では被験物質が閉塞適用されていないため、適用部位からの蒸発による損失を無視できず、結論を導けないと指摘している(SCCS(2013))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1)本物質47%を含む液体を300 mL飲んだアルコール依存症男性が重篤な中枢神経症状、呼吸器障害(呼吸困難)、口渇およびアシドーシスを生じ、尿にはアルブミンが含まれていたとの報告がある(SCCS(2013)、ECETOC TR 95 vol. II(2005)、DFG(2007))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)より区分1(呼吸器)とした。なお、(2)~(4)より経口経路、経皮経路では、区分2までの用量範囲では標的臓器を特定可能な所見はない。

【根拠データ】
(1)ラットの28日間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週:蒸気と推定)において、270 mg/m3(ガイダンス値換算:0.06 mg/L、区分1の範囲)から、喉頭と鼻甲介の軽度刺激、および喉頭の腹側小軟骨の壊死(2/5~3/5例)が認められた(SIAR(2005)、ECETOC TR 95 vol. II(2005)、DFG(2007)、Patty(6th, 2012)、SCCS(2013))。なお、試験空気の濃度範囲(0.02~0.24 mg/L:3.6~10.9 ppm)は飽和蒸気圧濃度(126 ppm)の90%未満であり、蒸気の基準を適用した。

【参考データ等】
(2)げっ歯類を用いた経口投与試験としては、ラット6週間強制経口投与1試験、ラット90日間混餌投与2試験、およびマウス90日間混餌投与1試験の報告があるが、全般に本物質は低毒性で、最小のNOAELはラット90日間混餌投与試験の250 mg/kg/dayであった。なお、各試験とも区分2超の高用量では腎臓への影響が共通してみられている(SIAR(2005)、ECETOC TR 95 vol. II(2005)、DFG(2007)、Patty(6th, 2012)、SCCS(2013))。
(3)本物質製品(Transcutol HP、純度(本物質として):> 99.9%)をイヌに90日間強制経口投与した試験(OECD TG 408、GLP準拠)で、最高用量の2,000 mg/kg/dayでは雄2例、雌1例が死亡し、死亡例の腎臓に重度の尿細管変性が認められた。それ以下の用量では肝臓重量増加がみられたが、適応性の変化と判断され、NOAELは1,000 mg/kg/dayと報告されている(SCCS(2013))。
(4)ウサギに12週間経皮適用(5日/週)した試験、およびウサギに90日間経皮適用した試験で、いずれも1,000 mg/kg/day相当以上で腎臓への影響がみられ、NOELが約300 mg/kg/dayと報告されている(SIAR(2005)、DFG(2007)、SCCS(2013))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
-
-
- - 甲殻類(オオミジンコ)48時間LC50 = 3340 mg/L(EPA AQUIRE: 2018、Thurston,R.V. et al. (1985))、魚類(アメリカナマズ)96時間LC50 = 6010 mg/L(EPA AQUIRE: 2018、NLM HSDB:2018、Thurston,R.V. et al. (1985))であることから、区分外とした。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 急速分解性があり(良分解性: 類似化学物質の分解性との比較により判定(化審法DB: 2012))、甲殻類(ネコゼミジンコ)の7日間NOEC (繁殖) = 7.38 mg/L(OECD SIDS: 2005)であることから、区分外とした。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


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