NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 111-96-6
名称 ジエチレングリコールジメチルエーテル
物質ID m-nite-111-96-6_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点56 ℃(closed cup)(溶剤ポケットブック(1994))より区分3(引火点23℃以上60℃以下)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が240 ℃(溶剤ポケットブック(1994))で、70℃を超えている。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - LD50値5000mg/kg(ECETOC TR94(1995))、4760mg/kgbw(CICADS 41(2002))はJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当する。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義における液体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
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-
- - ラットLD50=24mg/L/4h(CICADS 41(2002))は区分外に該当する。なお、飽和蒸気濃度は21.4mg/Lであることから試験はミストで試験されたと考えられる。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギを用いた試験(US FDA TG)において、0.5mlの適用で24時間で軽度の刺激性(CICADs 41(2002))、他のウサギを用いた試験では刺激性なし(ECETOC TR94(1995))のデータから、軽微な刺激性を有すると判断しJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験(US FDA TG)において0.1mLの適用で24時間で軽度の刺激性(CICADs 41(2002))、他のウサギを用いた試験で刺激性なし(ECETOC TR94(1995))のデータより軽微な刺激性を有すると判断し区分2Bとした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - モルモットを用いたBuehler testとAltenative footpad methoにおいて感作性なし(ECETOC TR95(2005);ECETOC TR95(2005))の結果に基づき区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - ラットの吸入ばく露による優性致死試験(in vivo経世代変異原性試験)で妊娠動物数の減少、着床前胚損失が見られているが、受精能の低下によるものとしている(CICADs No.41(2002))。また、ラットの吸入ばく露による骨髄細胞を用いる染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性である(CICADs No.41(2002))ことから区分外とした。なお、in vitro変異原性試験:エームス試験の結果は陰性(CICADs No.41(2002))である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 発がん性 分類できない
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- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)のスクリーニング試験結果からは、親動物の一般毒性用量で雌の性機能・生殖能への有害影響とともに着床後胚損失率の増加、生後の生存率低下がみられた。また(2)~(4)の吸入及び経口経路における発生毒性試験では、母動物毒性がないか、体重増加抑制のみの用量で、明瞭な胎児毒性(吸収・胎児死亡増加)と奇形発生の増加がみられている。よって、区分1Bとした。旧分類からEUでGHS区分が変更されたため、生殖毒性を検討して見直した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG422、GLP)において、雄に貧血傾向(ヘモグロビン及びヘマトクリットの低下)がみられた中用量では出生児に体温低下がみられただけであったが、親動物に肝臓影響(小葉中心性肝細胞肥大、相対重量増加(雌のみ))、MCV低値(雄)、脾臓の髄外造血亢進(雌)が認められた高用量において、雌の性機能及び生殖能力への影響(性周期長の延長、妊娠期間の延長、着床後胚損失率の増加、分娩率の低下、哺育状態の異常)と出生児への発生影響(出生率の低下、4日生存率の低下、生後4日の生児数の減少)が認められた(経済産業省安全性試験結果 (2007))。
(2)ラットを用いた吸入ばく露による発生毒性試験(6時間/日、妊娠7~16日)において、明瞭な母動物毒性がない中用量(肝臓絶対重量増加のみ)で、胎児に低体重と奇形(主に脳と骨格の奇形)の頻度増加がみられ、母動物毒性(摂餌量減少、体重増加抑制)が認められた高用量では全胎児死亡を生じた(ECETOC TR95 vol. II (2005)、DFG MAK (1998)、EU REACH SVHC (2011))。
(3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠6~19日)において、最小限の母動物毒性(体重増加抑制)がみられる用量以上で、一腹当たりの異常着床物(吸収/後期胎児死亡/奇形胎児)の増加がみれらた。また、母動物に体重増加抑制のみを生じる用量で、胎児毒性(出生前胎児死亡の増加)と催奇形性(生存奇形児の発生率増加)がみれらた(最高用量群の母動物では15%が死亡)。胎児に高頻度でみられた奇形は肋骨癒合(最高用量群で17%)、水腎症(同23%)、骨の変形を伴わないこぶ状四肢であった(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、DFG MAK (1998)、ECETOC TR95 vol. II (2005)、 EU REACH SVHC (2011)、AICIS IMAP (2014))。
(4)マウスを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠6~15日)において、母動物に体重増加抑制、肝絶対重量増加がみられた高用量2群で着床後胚損失率の増加、胎児に奇形(外表奇形:神経管閉鎖不全、四肢と指の奇形等、骨格奇形:肋骨、椎弓及び椎骨の癒合・欠損等、内臓奇形(最高用量のみ):心血管系・尿路系)発生率の増加が認められた。さらに、胎児には最低用量から一腹当たりの生存胎児数の減少が認められた(REACH登録情報 (Accessed July 2022)、DFG MAK (1998)、ECETOC TR95 vol. II (2005)、 EU REACH SVHC (2011)、AICIS IMAP (2014))。

【参考データ等】
(5)EUではRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Jun 2022))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - ラットの吸入暴露(10mg/L/7h)において不整呼吸などの症状が認められているが(CICADs 41(2002))、他にデータがなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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-
- - ラットの2週間の吸入ばく露試験(0.614、2.06, 61.4 mg/L/6h)において、ガイダンスの区分2を超える61.4mg/L(90日換算値:9.6mg/L/6h)の用量で雌雄に骨髄、すい臓、胸腺、白血球、赤血球の変化が認められている(CICADs 41(2002))。また、ラットの3週間の吸入ばく露試験(1.12,、3.35 mg/L/6h)において、ガイダンスの区分2に相当する3.35mg/L(90日換算値:0.84mg/L)の用量で胸腺の萎縮と、副腎の鬱血が認められている(CICADs 41(2002))。いずれも、程度が不明であり、他にデータがないことからデータ不足で分類できない。なお、雄の精巣、精巣上体、精嚢、前立腺の重量減少が認められている(CICADs 41(2002))。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データなし。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
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- - 藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 > 10,000 mg/L(REACH登録情報(2022))、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 943 mg/L(REACH登録情報(2022))、魚類(ゴールデンオルフェ)96時間LC50 >2000 mg/L(REACH登録情報(2022))であることから、区分に該当しないとした。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
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- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(METI既存点検結果, 1997))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 320 mg/L(REACH登録情報(2022))から、区分に該当しないとなる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、魚類(ゴールデンオルフェ)の96時間LC50 > 2000 mg/L(HSDB(2022))であるが、難水溶性ではなく(水溶解度 = 1000000 mg/L(PHYSPROP Database(SRC, 2005)))、生物蓄積性は低いと推定される(log Kow = -0.36(PHYSPROP Database(SRC, 2005)))ことから、区分に該当しないとなる。
以上の結果から、区分に該当しないとした。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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