NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 1118-46-3
名称 ブチルトリクロロスズ
物質ID m-nite-1118-46-3_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点81℃ (密閉式) (HSDB (Accses on July 2014)) に基づき区分4とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が560℃ (GESTIS (Access on July 2014)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水に可溶 (GESTIS (Access on July 2014)) という結果が得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であり、この塩素が炭素、水素以外の元素 (Sn) と結合しているが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、2,140 mg/kg (EHC 15 (1980))、> 2,000 mg/kg (雌雄) (SIDS (2009)) との報告に基づき、区分外とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質の原液0.5 mLをウサギに適用した結果、重度の紅斑、軽度の浮腫及び重度の組織破壊がみられた (SIDS (2009)) との報告から、区分1とした。List 1の情報を基に区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
本物質の眼刺激性に関するデータはないが、本物質の皮膚刺激性試験で腐食性が認められ区分1とされていることから、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - In vivoでは、マウスの骨髄細胞の小核試験で陰性 (SIDS (2009))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性及び陽性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験で陰性 (SIDS (2009)、ATSDR (2005)、CICAD 73 (2005)、NTP DB (Access on September 2014)) であることから、分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ACGIH (7th, 2001) で、有機スズ化合物としてA4に分類されている。したがって、分類できないとした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた経口経路 (混餌) での生殖毒性スクリーニング試験 (OECD TG 421、雌にのみ投与) において、最高用量 (7,500 mg/kg 餌 (雌:433-685 mg/kg/day)) において、雌親の一般毒性、生殖能、児に影響がみられていない (SIDS (2009))。
ラットを用いた経口経路での催奇形性試験において、最高用量 (400 mg/kg/day) で、母体毒性及び発生毒性はみられなかった (CICAD 73 (2006))、ラットの経口経路での催奇形性試験において、死亡を含む母体毒性 (死亡:5/11例、体重減少) を示す用量 (1,500 mg/kg/day) で胎児に体重の低値はみられたものの外観に奇形はみられなかった (CICAD 73 (2006)、SIDS (2009))。ラットの経口経路での催奇形性試験において、母体毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量 (903 mg/kg/day) で雌児動物体重の低値がみられたが、催奇形性は示されなかった (SIDS (2009))。
以上の結果があるが、スクリーニング試験なので分類できないとした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ラットの2,800-4,000 mg/kgの経口投与で、無関心、肺気腫、肺の病変、粘液腺の出血性びらん、広範な腸及び膵臓の出血、肝臓及び腎臓の壊死、マウスの200-6,000 mg/kgの経口投与で、浅呼吸が認められ、肉眼所見では、胃の膨張、胃内容物の血液痕、胃腸粘膜の出血、腸壁と漿膜の充血、肝臓と腎臓の暗色化と腫大、腎臓の淡赤色化とわずかな腫大の報告がある (SIDS (2009)、EHC 15 (1980)、HSDB (Access on July 2014))。また、本物質は、肝毒性を示さないとの報告もある (ATSDR (2005))。有機スズ化合物として気道刺激性 (ATSDR (2005)、ACGIH 7th (2001)) の可能性が記載されている。
以上より、本物質に関するヒトの情報はなく、実験動物の結果は、旧分類と同様、区分対象とせず、気道刺激性を除き分類対象としなかった。
したがって、区分3 (気道刺激性) とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでは本物質反復ばく露に関する有害性知見はない。
実験動物では、ラットに13週間混餌投与した試験において、区分2上限用量 (96 (雄) -101 (雌) mg/kg/day) まで毒性影響はなく、区分外の高用量で肝臓 (重量増加、血中肝由来酵素活性の上昇) 及び血液系 (網赤血球比、白血球数、リンパ球比率の増加、MCHの減少) への影響がみられたのみであった (SIDS (2009))。一方、吸入経路ではラットに本物質 (平均粒子径:0.98-1.7μm (ミストと想定)) を4週間鼻部ばく露した試験において、刺激性による肺への影響が強く、区分1範囲内の極低濃度 (2.4 mg/m3 (90日換算: 0.00074 mg/L/6時間)) から、肺の退色、組織学的に肺胞の水腫、気管支周囲のリンパ球集蔟、肺胞マクロファージ蓄積が認められ、濃度に依存して影響は重度化し、区分1をやや上回る濃度 (71.3 mg/m3 (同: 0.022 mg/L/6時間)) で死亡例が発現しているが、呼吸器以外に標的臓器を特定可能な所見は得られていない (SIDS (2009))。
以上より、区分1 (呼吸器) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類 (Scenedesmus subspicatus)による72時間ErC50=0.31 mg/L (SIDS, 2009)であることから、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(SIDS, 2009))、藻類(Scenedesmus subspicatus)の72時間ErC10 = 0.012 mg/L(SIDS, 2009)であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(SIDS, 2009))、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 25 mg/L(CICADs 73, 2006)であることから、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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