項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 112-07-2 |
名称 | エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート【2-ブトキシエチルアセタート又はEGBEA】 |
物質ID | m-nite-112-07-2_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 | P370+P378 P210 P280 P403 P501 |
引火点71℃ (closed cup) (HSDB (Access on June 2015)) に基づいて区分4とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点が340℃ (HSDB (Access on June 2015)) であり、常温で発火しないと考えられる。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分に該当しない |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,350 mg/kg (EU-RAR (2006))、3,000 mg/kg (雄)、2,400 mg/kg (雌) (EU-RAR (2006)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2003)、ATSDR (1998)、ECETOC TR 64 (1995)、DFGOT vol. 6 (1994))、7,000 mg/kg (EU-RAR (2006)、ACGIH (7th, 2003)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 | P302+P352 P362+P364 P280 P312 P321 P501 |
ウサギのLD50値として、1,485 mg/kg (EU-RAR (2006)、ACGIH (7th, 2003))、1,500 mg/kg (EU-RAR (2006)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2003)、ATSDR (1998)、ECETOC TR 64 (1995)、DFGOT vol. 6 (1994)) との報告に基づき、区分4とした。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。ラットに本物質を飽和蒸気圧濃度 (約400 ppm) で4時間吸入させた結果、毒性影響がなかったとの報告 (EU-RAR (2006)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2003)) があるが、このデータから区分を特定できない。なお、試験は飽和蒸気を用いたとの記載に基づき、ppmを単位とする基準値を適用した。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | ウサギを用いたドレイズ試験において、本物質を適用 (適用時間不明) した結果、6匹中4匹にわずかな刺激性を認められ皮膚一次刺激指数0.17であったとの報告がある (SIDS (2006)、EU-RAR (2006)、ATSDR (1998)、ECETOC TR 64 (1995))。そのほか、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、刺激性なし又は軽度の刺激性との報告が複数ある (EU-RAR (2006))。一方で、未希釈の本物質0.5 mLをウサギに4時間閉塞適用した結果、中等度の発赤がみられたとの報告がある (EU-RAR (2006)、ECETOC TR 64 (1995))。また、未希釈の本物質83 uLを8人のボランティアに48時間適用し皮膚血流量 (CBFV) を測定した試験において、本物質は軽度の刺激性と報告されている (EU-RAR (2006))。以上の結果から、区分外 (国連分類基準における区分3) と判断した。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | ウサギを用いた眼刺激性試験において、刺激スコアは0.67であり軽度の結膜発赤及び分泌物がみられたが48時間以内に回復した (SIDS (2006)、ATSDR (1998)、DFGOT vol. 6 (1994)、ECETOC TR 64 (1995))。ウサギを用いた他の試験においても、未希釈の本物質の適用により軽度の発赤及び浮腫がみられたが一時間後に回復したとの報告がある (EU-RAR (2006))。以上の結果から区分外と判断した。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | モルモットを用いたビューラー試験 (European technical guideline B6準拠、GLP適合) において、本物質 (99.1 %) による誘導及び惹起後の皮膚反応はみられなかったとの報告がある (EU-RAR (2006)、ATSDR (1998))。また、本物質の代謝物であるエチレングリコールモノブチルエーテルでは、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において感作性はみられなかったとの報告がある (SIDS (2006))。以上の結果から区分外と判断した。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足により分類できない。本物質のデータはないが、本物質の関連物質であるエチレングリコールモノブチルエーテルのデータは存在する。すなわち、in vivoでは、ラット、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験、ラット、マウスの脳、肝臓、腎臓、脾臓、精巣を用いたDNA損傷試験でいずれも陰性である (EU-RAR (2006)、SIDS (2006))。また、in vitroでは、遺伝子突然変異試験及び姉妹染色分体交換試験で高用量でのみ陽性結果が認められるが、その他の試験、すなわち、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (SIDS (2006))。なお、EU-RAR (2006) では、本物質のデータが存在しないためエチレングリコールモノブチルエーテルの変異原性データが本物質のデータとして適用できると記載している。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質自体の発がん性試験報告はないが、本物質は生体内でエステラーゼにより分解され、エチレングリコールブチルエーテル (EGBE) に代謝される (SIDS (2006)、EU-RAR (2006))。EGBEに関しては、ラット、マウスを用いた2年間吸入ばく露試験が実施されており、肝臓の血管肉腫 (雄マウス)、及び前胃の扁平上皮における乳頭腫、又はがん (雌マウス) の発生率の増加が既知情報として知られており (SIDS (2006)、EU-RAR (2006))、ACGIH はこの知見に基づき、本物質の発がん性をA3に分類した (ACGIH (7th, 2003))。しかし、雌雄ラットには肝臓血管肉腫も前胃の腫瘍も認められておらず (SIDS (2006)、EU-RAR (2006))、IARC、及びEUはマウスの腫瘍発生に対する詳細な作用機序の検討の結果、肝臓の血管肉腫は本物質の溶血作用による肝臓への色素沈着による作用機序の可能性が考えられ、ヒトでは赤血球溶血に対する抵抗性が高く、この機序は起こりにくいこと、前胃の腫瘍はヒトには当てはまらないこと (EU-RAR (2006)、IARC vol. 88 (2006)) から、EGBEの発がん性に対して、IARCはグループ3に分類し (IARC vol. 88 (2006))、EUはEGBEの分類の2000年再評価で、作用機序から判断してヒト発がん性に対する重大な危険性はなく、EGBEは発がん性物質の区分に該当せずと結論し、この結論は2004年に再確認されたと発がん評価の経緯が記述されている (SIDS (2006))。以上、本物質の代謝物であるEGBEを発がん性物質として分類する根拠は薄く、本物質も同様と考えられるが、ヒトでの疫学知見がないこと、EGBEについてのIARCグループ3の分類結果に基づき、本項は「分類できない」とした。なお、分類ガイダンスの改訂による分類基準の変更に伴い、旧分類結果 (区分外: 平成21年度) とは異なる結果となった。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質の生殖毒性に関する情報はない。生体内での代謝物であるエチレングリコール・ブチルエーテル (EGBE) については、マウスを用いた飲水投与による連続交配試験で、親動物には一般毒性影響 (肝臓・腎臓の相対重量増加) が発現する用量よりも高用量 (限度量を超える、1,340 mg/kg/day相当) で、妊娠腹数及び同腹生存児数の減少、児動物に低体重などの生殖毒性影響がみられたとの記述 (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2003))、並びにEGBEを妊娠ラット、又は妊娠ウサギの期間形成期に吸入ばく露した各試験において、ラットでは母動物に貧血、体重増加抑制がみられる用量においても、胎児に骨格変異の頻度増加以外に異常はなく、ウサギも母動物に体重増加抑制及び一部死亡例が生じる用量で、着床胎児数の減少がみられたのみであった (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2003))。しかし、本物質の直接的な試験結果ではないことから、本項は「分類できない」とした。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質のヒトの情報はない。18歳の男性が本物質の代謝物である22%のエチレングリコールモノブチルエーテルを含むガラスクリーナーを360-480 mL飲み込んだ事例において、重度の中枢神経抑制、代謝性アシドーシス、血尿がみられている。50歳の女性がガラスクリーナーとして9-13%のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む洗浄液 (約30-60 mLのEGBEを摂取) 30-60 mLを飲み込んだ事例では、呼吸困難、昏睡、散瞳、血尿、ヘモグロビン減少、代謝性アシドーシス、低カリウム血症がみられている。その他にもエチレングリコールモノブチルエーテルを含む複数のヒト誤飲事例で、中枢神経抑制、血尿、代謝性アシドーシス、赤血球数減少、ヘモグロビンの減少が見られている (SIDS (2006)、ATSDR (1998))。 実験動物では、本物質に関する複数の情報がある。ラット、マウスの経口投与 (ラット(LD50=3,089 mg/kg)、マウス(LD50=1,774 mg/kg) 区分2相当) で、活動低下、努力呼吸、衰弱、振戦、ヘモグロビン尿、血尿、腎臓の肉眼的変化。ウサギの経口投与 (188 mg/kg、区分1相当) で、ヘモグロビン尿、貧血がみられたが3週間後に回復した。ラットの吸入ばく露 (LC50 > 0.56 mg/L、区分1相当) で、浅呼吸、協調運動失調、ウサギの吸入ばく露 (2.66 mg/L、区分1相当) で、一過性のヘモグロビン尿、血尿、溶血がみられたが、この症状は48時間以内に回復した。ウサギの経皮ばく露 (435-1,500 mg/kg、区分1相当) で、衰弱、低体温、ヘモグロビン尿、経皮ばく露 (610-2,200 mg/kg、区分1相当) で、ヘモグロビン尿、血尿、赤血球数減少、溶血作用がみられ死亡したが、生存例ではばく露8-14日後に回復し、剖検で病理学的傷害はみられなかった (以上、SIDS (2006)、ATSDR (1998)、ACGIH (7th, 2003)、EU-RAR (2006)、DFGOT vol. 6 (1994))。 アルコキシエタノールの酢酸エステルは生体内に吸収されると、容易にアルコキシエタノールと酢酸に加水分解されるため、エチレングリコールモノブチルエーテルの毒性および代謝 (生物学的モニタリングを含めて) は本物質にもあてはまるとの記載 (産衛学会生物学的許容値の暫定値 (2008)) があることから、エチレングリコールモノブチルエーテルのヒトデータも採用した。 以上より、本物質の代謝物であるエチレングリコールモノブチルエーテルで、ヒトにおいて中枢神経抑制、代謝性アシドーシス、血尿、赤血球数減少、ヘモグロビンの低下が見られ、実験動物でも中枢神経抑制、血液系、腎臓への影響が見られることから、区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓) とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (血液系、腎臓) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
ヒトに関する情報はない。 実験動物では、血液系及び腎臓への影響がみられている。 血液系の影響として、ラット、ウサギを用いた1ヶ月間吸入毒性試験において400 ppm (ガイダンス値換算: 0.39 mg/L) でラットではヘモグロビン尿、ウサギではヘモグロビン尿、血尿、RBC・へマトクリット値減少がみられた (EU-RAR (2006)、ACGIH (2003)、DFGOT vol. 6 (1994))。また、ラット、ウサギを用いた4週間吸入毒性試験において340 ppm (ガイダンス値換算: 0.49 mg/L) でヘモグロビン尿、溶血性貧血がみられた (EU-RAR (2006)、ATSDR (1998)、ACGIH (2003)、DFGOT vol. 6 (1994))。 腎臓への影響として、ラットを用いた1ヶ月間吸入毒性試験において400 ppm (ガイダンス値換算: 0.39 mg/L) で尿細管腎症、混濁腫脹、出血性壊死、ラットを用いた10ヶ月間吸入毒性試験において100 ppm/6h (ガイダンス値換算: 0.44 mg/L) で皮質の尿細管腫大あるいは萎縮を伴った尿細管腎炎、炎症性線維化と遠位曲尿細管及びヘンレのワナ拡張、硝子円柱を伴う尿細管腫大、ウサギを用いた1ヶ月間吸入毒性試験において400 ppm (ガイダンス値換算: 0.39 mg/L) で腎臓の肥大、血液による腎臓の腫大、膀胱内の血液貯留、壊死性尿細管腎炎、萎縮性尿細管拡張、管腔内顆粒状沈着物がみられた (EU-RAR (2006)、ATSDR (1998))。 なお、これらはいずれも単一用量であり、明確なLOAEL、NOAELは決定できない。また、SIDS (2006) では信頼性のあるデータはないとしている。しかし、いずれも少なくとも区分2の範囲で影響がみられた。したがって、区分2 (血液系、腎臓) とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 |
- |
H402 | P273 P501 |
魚類(ニジマス)96時間LC50 = 20~40 mg/L(EU-RAR, 2006)であることから、区分3とした。 | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分3 |
- |
H412 | P273 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する適切なデータが得られていないが、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 300 mg/L(SIDS, 2006)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する適切なデータが得られておらず、魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 20~40 mg/L(EU-RAR, 2006)であることから、区分3となる。 以上の結果を比較し、区分3とした。 |
平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成27年度(2015年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
|