NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 112-55-0
名称 n-ドデシルメルカプタン
物質ID m-nite-112-55-0_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない
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- - 引火点は128℃ (open cup) (NFPA (14th, 2010)) であるが、所定の密閉式測定法でも93℃超えと判断できるため区分外とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属及び半金属 (B, Si, P Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
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- - ラットのLD50値として、> 5,000 mg/kg (SIDS (2014)) との報告があり、区分外に該当する。マウスのLD50値として、4,225 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2014)) との報告があり、区分外 (国連分類基準の区分5) に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
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- - ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (SIDS (2014)) との報告に基づき、区分外とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ラット及びマウスにおいて飽和蒸気 (約8~9 ppm) の1~6時間の単回吸入ばく露で死亡例はなく、毒性症状も認められなかったとの報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404及びEEC Method B4準拠) で、本物質の3分間の適用で軽度から強度 (slight to severe) の紅斑と軽度又は中等度 (slight or moderate) の浮腫を生じて症状は観察期間中続き、1時間の適用では明瞭な状態から強度の (well-defined to severe) 紅斑と軽度または中等度 (slight or moderate) の浮腫が生じて観察期間中続き、痂皮が13日目まで続いた。4時間適用では2匹ともに明瞭な紅斑及び中等度から強度 (well-defined, moderate to severe) の紅斑と2匹目には軽度から強度 (slight to severe) の浮腫が生じた。4時間適用における、24、48、72時間後における2匹の平均スコアはそれぞれ紅斑2.3、3.0、浮腫0.0、1.0で、14日以内に回復せず腐食性を示した (SIDS (2014)) との報告から、区分1とした。なお、本物質に皮膚刺激性はないとの報告がある (SIDS (2014)、ACGIH (7th, 2014)) が、ガイドライン試験の結果ではないため採用しなかった。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
皮膚腐食性/刺激性が区分1に分類されていることから、区分1とした。なお、ウサギを用いた眼刺激性試験において非可逆性の強い眼刺激性を示すとの記述 (ACGIH (7th, 2014)) や、別のウサギによる試験では眼刺激性を示し回復に7日以上を要したとの記述 (SIDS (2014))、また、別のウサギによる試験では軽度 (slightly) の刺激性を示したとの記述 (SIDS (2014)) がある。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406及びEPA OPPTS 870.2600相当) で、10匹中5匹に非常に軽度から明確な (very slight to well-defined) 紅斑が惹起後24、48時間に生じ、うち1匹は非常に軽度の紅斑が72時間後まで続いた。1匹には非常に軽度 (very slight) の浮腫が24時間後に、2匹には脱色が観察された。この結果から、本物質は感作性を有すると考えられたとの報告 (SIDS (2014)) に基づき、区分1とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - In vivoでは、ラットの染色体異常試験、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験でいずれも陰性 (SIDS (2014)、ACGIH (7th, 2014))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (SIDS (2014)、ACGIH (7th, 2014)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on August 2017))。以上より、ガイダンスに従い、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
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- - ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物ではラットを用いた混餌投与による3世代試験において、最大2,500 ppm (約170 mg/kg/day) までの用量では生殖及び授乳への有害影響はみられなかったとの記述がある (ACGIH (7th, 2014)) が、記述不足に加え、親動物に一般毒性影響がみられる用量まで投与されていない可能性があり、生殖毒性影響の評価には十分な試験結果ではないと考え、分類に利用できないと判断した (原著は試験報告書で入手不可)。なお、妊娠ラットに10 ppm (実測値: 7.4 ppm) を妊娠6~19日に吸入ばく露した発生毒性試験では、ばく露群の母動物に被毛粗剛、眼・鼻への刺激様症状、膣に湿潤性赤色/黒色物質の付着がみられた他、1/25例が体重増加量の顕著な減少を示し、妊娠15日に切迫屠殺されるなど母動物毒性がみられたものの、胎児に影響はなく発生影響は示されなかった (SIDS (2014)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2014)) との報告があるが、経口経路での発生毒性試験データはない。
  以上、本物質の経口及び吸入経路での生殖発生影響を評価するには情報が不足しており、データ不足のため分類できないとした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトに関する情報はない。
  実験動物については、ラット、マウス、イヌを用いた4週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、ラットでは区分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲内である7.0 ppm (90日換算値: 0.0129 mg/L) で皮膚の乾燥、ひび割れ及び剥離、耳介の腫脹・紅潮、鼻及び口からの分泌物、喘ぎ呼吸、呼吸困難、体重増加抑制、白血球数増加、ヘマトクリット値減少、AST及びALT増加、BUN増加、皮膚の表皮肥厚、角化亢進、慢性活動性炎症及び局所リンパ節の二次的変化等がみられ、マウスでは区分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲内である2.0 ppm (90日換算値: 0.004 mg/L) 以上で、低頻度の肝臓の小葉中心性肝細胞肥大、7.0 ppm (90日換算値: 0.0129 mg/L) で死亡又は切迫屠殺、活動性低下、振戦、眼瞼下垂、外部生殖器あるいは腹部の湿潤な黄色の汚染がみられ、イヌでは区分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲内である2.0 ppm (90日換算値: 0.004 mg/L) 以上で、皮膚の肥厚あるいは痂皮形成、皮膚の表皮肥厚及び角化亢進、皮膚炎、7.0 ppm (90日換算値:0.0129 mg/L) で活動性低下、眼瞼下垂、皮膚の乾燥、ひび割れ及び剥離、局所リンパ節の二次的変化等がみられている (SIDS (2014))。なお、SIDS (2014) には、マウスで死亡がみられているが死亡と関連する形態学的所見がなく死因について不明であるが全ての動物が死亡したため被験物質投与と関連したものとしている。
  以上のように皮膚刺激性を中心とした影響がみられている。皮膚病変については刺激性によるものであることから分類根拠としなかった。呼吸器に対する病理学的所見はないが、本物質には刺激性があり鼻及び口からの分泌物、喘ぎ呼吸、呼吸困難がみられていることから呼吸器への影響とした。ラットでのAST及びALT増加については関連する病理学的変化が認められていないことがSIDS (2014) に記載されていることから分類根拠としなかった。
  したがって、区分1 (呼吸器) とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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