NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 115-90-2
名称 チオりん酸O,O-ジエチル-O-[4- (メチルスルフィニル) フェニル] (別名:フェンスルホチオン)
物質ID m-nite-115-90-2_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水溶解度 0.15 g/100 mL (25℃) (ICSC (2001)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (P) と結合しているが、データがなく、分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分1


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、10.5 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2005))、1.8-2.3 mg/kg (雌)、3.96-10.5 mg/kg (雄) (JMPR (1972))、1.8-10.2 mg/kg (PATTY (5th, 2001))、3.5 mg/kg (PIM G001 (1998)) との複数の報告がある。分類ガイダンスに従い、最も多くの報告が該当する区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分1


危険
H310 P302+P352
P361+P364
P262
P264
P270
P280
P310
P321
P405
P501
ラットのLD50値として、3.5 mg/kg (雌)、4.1 mg/kg (雌)、19 mg/kg (雄)、30.0 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2005)) 及び3.5-13 mg/kg (雌)、14-30 mg/kg (雄) (JMPR (1972)) との報告に基づき、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分1


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50 (4時間) として、0.0295 mg/L (ACGIH (7th, 2005)、PATTY (5th, 2001)) 及び0.030 mg/L (JMPR (1972)) との報告に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.000832 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質はヒトにおいて皮膚との接触により刺激性を示す可能性がある (HSDB (Access on July 2014)) との記載があるが、一般的記載であるため分類に採用しなかった。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、有機リン系農薬は眼との接触により慢性結膜炎や角膜炎を起こす (HSDB (Access on July 2014)) と記載があるが、一般的記載であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性 (JMPR (1982)、HSDB (Access on August 2014))である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の姉妹染色分体交換試験で陰性である (JMPR (1982)、ACGIH (7th, 2005)、HSDB (Access on August 2014))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ACGIHでA4に分類されている (ACGIH (7th, 2005)) ため、分類できないとした。ガイダンスの変更に伴い区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - マウスを用いた経口経路 (混餌) での3世代生殖毒性試験において親の生殖能力、児の発生・発育のいずれにも影響がみられていないとの報告、
ウサギを用いた経口経路 (混餌)、(強制経口) での催奇形性試験において、催奇形性はないとの報告、ラットを用いた吸入経路での生殖毒性試験において生殖能に影響がみられていないとの報告がある (ACGIH (7th, 2005)、JMPR (1972) JMPR (1982))。したがって、区分外とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系、呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質はコリンエステラーゼ阻害作用がある (ACGIH (7th, 2005)、HSDB (Access on August 2014))。ヒトにおいては、経口又は経皮ばく露で、徐脈、血圧低下、発作、痙攣、呼吸不全、衰弱、昏睡、ばく露経路は不記載であるが、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまい、痙攣、見当識障害、縮瞳、衰弱、麻痺、昏睡、呼吸困難、ラ音、気管支漏、気管支痙攣、頻呼吸、呼吸不全、化学性肺炎、重症例では、非心原性肺水腫が報告されている (ACGIH (7th, 2005)、HSDB (Access on August 2014))。実験動物では、ラットの550 mg/kg経口投与で、反射能力の消失がみられている (ACGIH (7th, 2005))。
以上より、ヒトに対し神経系及び呼吸器への影響がみられることから、区分1 (神経系、呼吸器) とした。



平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでの有害性知見はない。実験動物では本物質をラットに17ヶ月間、及びイヌに12週間又は2年間混餌投与した各試験において、1-2 ppm (0.025-0.05 mg/kg/day相当) の飼料中濃度から、血清、赤血球及び脳内のコリンエステラーゼ活性の阻害が認められ、上の用量 (5 ppm) ではコリン作動性の中毒症状 (具体的な記述はないが、縮瞳、振戦、痙攣などが観察されたと推測される) がみられ、体重低下、死亡例も生じた (JMPR (1972)、ACGIH (7th, 2005))。また、ラットに本物質 (ミスト状態と推定) を12週間吸入ばく露した試験でも、0.818 mg/m3 (0.00076 mg/L/6時間) で、コリンエステラーゼ阻害作用、7.21 mg/m3 (0.0067 mg/L/6時間) で、中毒症状、体重低下、死亡例が生じた (JMPR (1982)、ACGIH (7th, 2005))。
以上より、実験動物では経口及び吸入の両経路で、区分1の範囲内の用量からコリンエステラーゼ阻害による神経毒性が生じ、重篤な場合、死に至ることが示された。よって、区分1 (神経系) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ブルーギル)の96時間TLm=0.12mg/L(PDS、1980)から、区分1とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.23(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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