NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 120-78-5
名称 ジ(ベンゾチアゾール‐2‐イル)ジスルフィド(別名MBTS)
物質ID m-nite-120-78-5_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、難燃性である(GESTIS(Accessed Sept. 2018))との記述がある。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は365℃(GESTIS(Accessed Sept. 2018))であり常温で発火しないと考えられる。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
ラットのLD50値として、(1)~(7)のデータが報告されており、1件が区分4、6件が区分外に該当する。よって、最も件数の多い区分を採用し、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50値:433 mg/kg(BUA Report(1993))
(2)ラットのLD50値:>5,000 mg/kg(BUA Report(1993))
(3)ラットのLD50値:ca.7,000 mg/kg(BUA Report(1993))
(4)ラットのLD50値:7,000 mg/kg(BUA Report(1993))
(5)ラットのLD50値:>7,000 mg/kg(BUA Report(1993))
(6)ラットのLD50値:>7,940 mg/kg(BUA Report(1993))
(7)ラットのLD50値:12,000 mg/kg(BUA Report(1993))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
ウサギのLD50値として、(1)のデータが報告されており、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50値:> 7,940 mg/kg(BUA Report(1993))
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体である。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)被験者6名の皮膚に本物質(個体の状態)を24時間適用したが、刺激性は示さなかったとの報告がある(BUA 126(1993))。
(2)繰り返しパッチ試験において、皮膚刺激の徴候は示さなかったとの報告がある(BUA 126(1993))。
(3)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(FHSA method)において24時間適用で6/6例に反応なしとの記載がある(BUA 126(1993))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験(FHSA method)において、適用後24時間で6/6例にわずかな反応が見られたが、48時間以内に回復したとの記載がある(BUA 126(1993))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)~(7)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)1,698人に対してパッチテストをした結果、25人で陽性反応を示したとの報告がある(BUA Report No. 126(1993))。
(2)男性78人、女性70人に対してパッチテストをした結果、男性は50/78(64%)で、女性は33/70(74%)で陽性反応を示したとの報告がある(BUA Report No. 126(1993))。
(3)特定の靴を着用して接触性皮膚炎を発症した21人に対してパッチテストを実施したところ、本物質1%調剤と陽性反応を示したとの報告がある(BUA Report No. 126(1993))。
(4)ゴムに対して接触性皮膚炎を発症した21人中9人が、本物質に対して陽性反応を示したとの報告がある(BUA Report No. 126(1993))。
(5)ゴム若しくはビニル手袋にアレルギー症状を示す21人のうち1人が、本物質に対して陽性反応を示したとの報告がある(BUA Report No. 126(1993))。
(6)2-メルカプトベンゾチアゾール(CAS:149-30-4)に対して感作反応を示す17人に対して本物質1%溶液でパッチテストを行ったところ、全ての被験者が陽性反応を示し、また、20人の非アレルギー患者を対象とした対象試験では陰性だったとの報告がある(BUA Report No. 126(1993))。
(7)モルモットを用いたMaximization試験で感作反応が見られたとの記載がある(BUA Report No. 126(1993)、GESTIS(Accessed Jul. 2018))。

【参考データ等】
(8)鉱山で使用されるランプのケーブルに含有されていた本物質により接触過敏症を発症した鉱夫の事例が記載されている(HSDB(2002)、BUA Report No. 126(1993))。
(9)EU CLPでは本物質をSkin Sens. 1に分類している。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
In vivoのデータはないが、(1)で類似物質での陰性結果があること、及びin vitroにおいて、細菌を用いた復帰突然変異試験及び乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性であったことから、ガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1)類似物質MBT(2-Mercaptobenzothiazole) のin vivo ラット小核試験で陰性の結果であった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた試験は陰性あるいは評価できなかった(GESTIS(Accessed Jul. 2018))。
(3)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性であった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
(4)In vitroでは、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性であった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
発がんに関して、本物質の利用可能なヒトを対象とした報告はない。
(2)で既存分類はなく、(1)の実験動物による陰性の報告はあるが、データ不足で分類できないとした。

【根拠データ】
(1)2系統のマウスの18ヵ月経口投与による発がん性試験において、最高用量の1,577 ppmにおいて対照群と比べて有意に高い腫瘍の発生はみられなかった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
(2)国内外の分類機関による既存分類はない。

【参考データ等】
(3)試験条件は不明であるものの、発がん性は示さなかったとの報告がある(GESTIS(Accessed Jul. 2018))。
(4)類似物質MBT(2-Mercaptobenzothiazole)のマウスにおける2年間混餌投与による発がん性試験において、背景データを考慮すると対照群と比較して有意な結果は得られず、明確な発がん性は結論づけられなかった(REACH登録情報 Accessed Sept. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)のように本物質の発生毒性は認められず、(2)、(3)のように類似物質MBTについても生殖毒性影響や発生影響は検出されなかった。結論として、本物質(MBTS)に関して発生影響はないと考えられるものの繁殖毒性に関する知見がなく、データ不足のため分類できない。


【根拠データ】
(1)ラットに対するMBTSの発生毒性として、最高用量の 596mg/kg/day の投与においても胎児毒性および催奇形性の影響が見られなかった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。

【参考データ等】
(2)ラットによるMBTの2世代繁殖毒性試験では、生殖能に関する影響は見られていない(GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
(3)妊娠ウサギに対するMBTの発生毒性試験では、50, 150, 300 mg/kg/day の経口投与で発生毒性及び催奇形性を誘発しなかった。300 mg/kg/dayの投与により、母動物の体重増加の減少、肝臓重量の僅かな上昇がみられている(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - 【分類根拠】
(1)のデータから本物質は経口経路では区分外相当であるが、他経路での毒性情報が不足しており、分類できないとした。

【根拠データ】
(1)区分2の範囲外の7,940 mg/kgの用量で経口投与した急性毒性試験ラットにおいて、1~3日後に食欲及び活動の抑制が見られたが、7日後の生存例の剖検においては、臓器に変化は見られなかった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 【分類根拠】
(1)~(3)のデータから本物質は経口経路では区分外相当であるが、他経路での毒性情報が不足しており、分類できないとした。

【根拠データ】
(1)ラットの21日の経口投与試験で596 mg/kg/day(90日換算:139 mg/kg /dayの用量で一時的に体重増加抑制がみられた(BUA Report No. 126(1993))。
(2)ラットの3ヵ月の経口投与試験でガイダンス値の区分2の上限である100 mg/kg /dayの用量で乳酸、リンゴ酸酸脱水素酵素活性の低下が認められているが、その他の毒性所見の記載はない(BUA Report No. 126(1993))。
(3)ラットの31日の経口投与試験ではガイダンスの区分2の範囲外である375、750、1500 mg/kg bw/day(90日換算:125、250、500 mg/kg bw/day)の用量で、体重増加抑制以外に影響は認められていない(BUA Report No. 126(1993))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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