NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 120-80-9
名称 カテコール(別名:ピロカテコール)
物質ID m-nite-120-80-9_v2
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 可燃性(ICSC(J)(1997))との情報があるが、所定の試験法のデータがなく分類できない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は510℃であり(HSDB(2009))、常温で発火しないと考えられる。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値は260 mg/kg(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))および300 mg/kg(SIDS(Access on Apr. 2012))に基づき、区分3とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ラットのLD50値は600 mg/kg(NITE初期リスク評価書(2008))、およびウサギのLD50値は800 mg/kg(NITE初期リスク評価書(2008))はいずれも区分3に該当する。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - ラットに1.5 mg/Lの濃度を8時間ばく露(4時間換算値:3.0 mg/L)して死亡が発生しなかった(ACGIH(2001))ことから、LC0 > 3.0 mg/L/4hとなるが、区分を特定できないので分類できない。なお、試験濃度(1.5 mg/L)は飽和蒸気圧濃度(0.13 mg/L)より高いため粉塵による試験とみなした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギ(6匹)に本物質0.5 gを24時間の閉塞適用した皮膚一次刺激性試験(US Federal Register(1961))において、24時間後に全動物で中等度の紅斑とわずかな浮腫が見られたが、72時間後には症状は軽減、14日後には消退し、中等度の刺激性との評価結果(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))に基づき、区分2とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギ(6匹)に本物質0.1gを適用した眼一次刺激性試験(US Federal Register(1961))において、点眼直後から結膜に中等度の発赤、浮腫、滲出液分泌及び角膜混濁がみられ、24時間後には結膜充血、眼瞼閉鎖、著しい滲出液分泌、虹彩炎、重度の角膜混濁を示した。48、72時間後も回復がせず、14日後には全例に角膜パンヌスの形成及び円錐角膜がみられ、重度の刺激性と判定された(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))。14日後の角膜パンヌスの形成及び円錐角膜は不可逆性の症状であり、この判定結果に基づき区分1とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
永久型染毛クリームを使用した18歳の女性が眼の周囲に急性の接触皮膚炎を生じ、皮膚炎の回復後、クリームの構成成分についてICDRG(国際接触皮膚炎学会)基準に基づくパッチテストの結果、本物質は陽性反応を示し、アレルギー性接触皮膚炎の原因物質であることが示された(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))との報告、さらに、10年間レントゲン撮影及び写真現像技師として働いていた33歳の女性が作業2年後から手に皮膚炎を発症し、かゆみを伴う扁平上皮の角化がみられ、現像薬の一つである本物質でICDRG基準のパッチテストの結果、中等度の陽性反応がみられた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))との報告がある。以上より、本物質によりアレルギー性接触皮膚炎が生じることを示した症例報告が別ーの機関から計2件あることから、区分1とした。なお、動物試験ではOECDで承認された試験法ではないが、モルモットを用いた2種の皮膚感作性試験(Freund's Complete Adjuvant TestおよびSplit Adjuvant Test)でいずれも陽性の結果(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))が報告されている。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスに経口または腹腔内投与により、骨髄細胞を用いた小核試験の陽性結果(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))に基づき区分2とした。マウスの経口または腹腔内投与による別の小核試験では、陰性の結果(NTP DB(1994)、NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))が報告され、また、ラットに経口投与による遺伝毒性試験(DNA合成、切断、修復試験)では陰性および陽性の両方の結果(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))が報告されている。一方、in vitro試験では、エームス試験で概ね陰性、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験、染色体異常試験および小核試験で陽性の結果(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))が報告されている。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、試験動物1種ではあるが、複数の独立した研究で悪性を含む腫瘍の増加が一貫してみられること及び(2)、(3)を踏まえ、区分1Bとした。旧分類からEUでGHS区分1B相当に分類されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による2つの2年間経口投与試験では、8,000 ppmで雌雄および複数の系統に腺胃の腺がんの明らかな発生増加がみられたと報告されている(IARC 71 (1999)、CLH Report (2015))。
(2)既知発がん物質との併用投与によるラットを用いた複数のイニシエーション・プロモーション試験において、本物質は舌の乳頭腫、食道がん、前胃の扁平上皮がん及び腺胃の腺がんの発生頻度の増加を生じた(IARC 71 (1999))。
(3)国内外の分類機関による既存分類として、ECHAがCarc. 1B(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2021:2016年提案)に分類している。その他、IARCがグループ2B(IARC 71 (1999))、日本産業衛生学会が第2群B(産衛学会許容濃度等の勧告 (2020、2001年提案))、ACGIHがA3(ACGIH (7th, 2001))にそれぞれ分類している。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットの妊娠11日目に経口投与した試験において、母動物の体重増加抑制、および用量に依存した死亡の増加がみられ、出生後6日までの仔動物数が減少し、後肢の麻痺、短尾または曲尾の出生仔の割合が用量依存的に増加した(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))ことから区分2とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトについての情報として、本物質は短期ばく露により中枢神経系に影響を与え、抑制、痙攣、呼吸不全を生じる(環境省リスク評価第2巻(2003))、また、皮膚からの吸収により、中枢神経系に対する影響(けいれん等)はフェノールより強い(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))と記載されている。以上の知見に基づき区分1(中枢神経系)とした。また、本物質は短期ばく露により気道を刺激する(環境省リスク評価第2巻(2003))、あるいは吸入により咽喉および肺の灼熱感に続き、著しい呼吸数増加を来たす(PATTY(5th,2001))と記載されていることから、区分3(気道刺激性)とした。なお、動物試験ではラットに吸入ばく露後2.0 mg/L以上で継続的な震えがみられ(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))、また、ラットに経皮適用した試験では875 mg/kg以上で投与5分後から著しい震えが現れた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))と報告されている。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラットに104週間混餌投与による影響として、0.1%(33 mg/kg/day)以上の投与群で胃幽門腺過形成、胃周囲リンパ節ののう胞性腫大または拡張、0.2%以上投与群で胃幽門部の肥厚、さらに0.4%以上投与群では前胃に扁平上皮の過形成がみられた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0 No.145(2008))。また、ラットおよびマウスに150~300 mg/kg/dayを13週間経口投与した試験では、前胃の過形成と扁平上皮乳頭腫の発生が見られている(ACGIH(2001))が、胃以外のその他の諸器官での悪影響を示す報告は見当たらない。本物質は刺激性/腐食性であることから、経口投与による消化器での局所影響を生じ、また、ラットの胃で発がん性を示し、前がん病変も発生していることから、本項ではこの結果を分類に用いず「分類できない」とした。なお、ヒトの情報として、本物質およびフェノールにばく露した30人の労働者で、喉の痛み、咳、眼の刺激の訴えがあり、中でも皮膚への障害が多く、検診を行なった結果、造血系、肝臓、腎臓の機能低下は見られず、尿検査でも異常はみられなかった(IUCLID(2000))との記述がある。また「腎細管の変性病変」(PATTY(4th, 1999))との記載もあり、腎臓への影響が示唆されるが詳細は不明である。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)による24時間EC50 = 1.66 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分2とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。
甲殻類(オオミジンコ)による24時間EC50 = 1.66 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であるが、急速分解性があり(良分解性(2週間でのBODによる分解度:83%)(既存点検, 1979))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 0.88(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。
以上の結果より、区分外とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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