NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 12125-02-9
名称 塩化アンモニウム
物質ID m-nite-12125-02-9_v2
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 本化合物は、見かけ上 N-Cl 結合を有するが、この結合はクロルアミン類等とは異なりイオン性結合であるために爆発性に関わる原子団とはならない。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である(Weiss(2nd, 1986))ことから区分外とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である(Weiss(2nd, 1986)等)ことから区分外とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である(Weiss(2nd, 1986)等)ことから区分外とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50 = 1650 mg/kg(ACGIH(2001))、1410 mg/kg bw(SIDS(2009))、1658 mg/kg bw(IUCLID(2000))が区分4に相当する。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 6匹のウサギの各2箇所の適用部位(合計12箇所)を用いたDraize試験(GLP準拠)において、適用24時間後の紅斑のスコアが、2が7部位、3が5部位であった。48及び72時間後の紅斑、浮腫及び痂皮のスコアは全ての動物で0であり、個体毎の平均スコア値は何れも1以下である(SIDS(2009))ことから区分外とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験で軽度(mild)の刺激性との記述(ACGIH(7th, 2001))、また、点眼後10分、1時間、24時間に中等度(moderate)の刺激性が認められ、発赤、浮腫ないし角膜混濁などの変化は8日以内に跡形も無く回復したとの記述から(SIDS(2009))区分2Bとした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - モルモットを用いた皮膚感作性試験(maximization test: GLP準拠)で陽性率10%(2/20)であり、基準の30%より低いため「感作性なし」との報告(SIDS(2001))により区分外とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞を用いるin vivo変異原性試験)で陰性(SIDS(2009))とする報告に基づき区分外とした。なお、in vitro変異原性試験のAmes試験で陰性(SIDS(2009)、IUCLID(2000))、Cytogenetic assayで陽性(SIDS(2009))の報告がある。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 飲水投与によるプロモーション作用を調べた試験の報告(SIDS(2009))はあるが、被験物質の直接的な発がん性試験のデータはなく分類できない。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - マウスに経口ばく露による二世代試験において、外見上の奇形はなく、高用量で生存仔が得られず中用量でも同腹仔の半分が死亡した(IUCLID (2000))が、試験物質として混合物(本物質42.9%)が使用されたため評価が困難であり分類根拠としなかった。ラットに妊娠7日目から飲水投与により催奇形性は認められず、胎児の成長阻害が認められたが、投与量から明らかに母獣の代謝性アシドーシスによるものと結論付けられている(SIDS (2009))。一方、ラットの妊娠9から12日に混餌投与(6%)により代謝性アシドーシスを認め、60例が懐胎、20例が吸収されたとの記述があるがそれ以上の情報はなく、対照群も設けられていないので分類できない(IUCLID (2000))。また、マウスの妊娠10日目に600 mg/kgを1日4回経口投与により、胎仔の7%が欠指との記述(Teratogenic (12th, 2007))があるが、詳しいデータがない上1日合計2400 mg/kgの投与は、LD50が約1500 mg/kgであることから極めて高い用量と言えるので分類の根拠とはしなかった。以上より、分類根拠とするにはいずれもデータ不十分であり「分類できない」とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
経口投与により、ラットでは1000 mg/kg bw以上で呼吸困難、無関心、姿勢異常、よろめきの症状、マウスでは1200 mg/kg bwで下痢、チアノーゼ、失調性歩行が観察された(SIDS(2009))。これらの症状と剖検での脳出血の所見(SIDS(2009))、さらに塩化アンモニウムの摂取後に中枢神経障害の発現が報告されている(EHC 54(1986))。以上の記述に基づき、1000~1200 mg/kg bwはガイダンス値区分2に該当することから区分2(神経系)とした。なお、ヒトで大量摂取の場合、嘔気、嘔吐、頭痛などの症状とともに進行性の嗜眠状態を生じ、アシドーシスと低カリウム血症を起こす可能性があると記述されている(SIDS(2009))。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(全身毒性)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
塩化アンモニウムの長期間(6ヵ月)摂取により疲弊と空気飢餓感のため、あるいは呼吸亢進と錯乱のため入院に至った(代謝性)アシドーシスの症例、および短期間摂取後軽度の(代謝性)アシドーシスを発症した症例など、アシドーシスに関して複数の報告(SIDS(2009)、ACGIH(2001))があることから区分1(全身毒性)とした。なお、ウサギに高用量を経口反復ばく露によりアシドーシスが観察されているが、ラットに経口による反復ばく露試験では重大な毒性影響は認められず、NOAELに関しては70日混餌投与試験で684 mg/kg bw/day(90日補正:532 mg/kg bw/day)(SIDS(2009))、56日混餌投与試験で493 mg/kg bw/day(90日補正:307 mg/kg bw/day)(SIDS(2009))であった。また、ウシに112日間混餌投与ではNOAELが206 mg/kg bw/day(SIDS(2009))であり、経口ばく露の場合いずれもガイダンス値範囲の上限を超えている。

平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
本物質は専門家判断により、総アンモニアとして分類する方針とした。魚類(ニジマス)96時間LC50 = 40.8 mg/L (pH: 8.29)(Thurston et al., 1981)であることから、区分3とした。分類対象物質の考え方の変更により、旧分類から分類結果を変更した。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 本物質は専門家判断により、総アンモニアとして分類する方針とした。急速分解性があり(水生環境中で速やかに硝化される(SIDS, 2007))、藻類(ナビクラ属)の10日間NOEC=26.8 mg/L (pH: 8.0)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=14.6 mg/L (pH: 8.3-8.6) 、魚類(Menidia beryllina)の28日間NOEC = 8 mg/L (pH: 7.36-7.86)(いずれもSIAR, 2004)であることから、区分に該当しないとした。分類対象物質の考え方の変更及び慢性毒性の分類方法の変更により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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