項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 123-73-9 |
名称 | クロトンアルデヒド(別名:(E)-2-ブテナール) |
物質ID | m-nite-123-73-9_v2 |
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項目 | 情報 |
---|---|
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点8℃(closed cup)、沸点102℃(GESTIS(Accessed June 2021))に基づいて区分2とした。なお、UNRTDG分類は安定剤入りの場合を含めUN.1143、クラス・区分6.1、副次危険3、PGⅠである。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、UNRTDG分類は安定剤入りの場合を含めUN.1143、クラス・区分6.1 、副次危険3、PGⅠであることから、優先評価項目の自己反応性物質には該当しないため、タイプGとした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点は230℃(GESTIS(Accessed June 2021))であり常温で発火しないと考えられる。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分3」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットのLD50:300 mg/kg(DFG MAK (2012)) (3)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットのLD50:174~300 mg/kg(AICIS IMAP (2016)) (4)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットのLD50:200~300 mg/kg(CICAD 74 (2008)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分2」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたウサギのLD50:380 mg/kg(DFG MAK (2012)) (3)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたウサギのLD50:128~380 mg/kg(AICIS IMAP (2016)) (4)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたウサギのLD50:128~324 mg/kg(CICAD 74 (2008)) (5)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたウサギのLD50:324 mg/kg(CICAD 74 (2008)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットのLC50(4時間):200~290 mg/m3(69.8~101.2 ppmV)(CICAD 74 (2008)) (3)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットのLC50(4時間):69~120 ppm(AICIS IMAP (2016)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1B」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)EU CLPではSkin irrit. 2に分類されている。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)EU CLPではEye Dam. 1に分類されている。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B |
危険 |
H340 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、そのデータはない。2-ブテナールのデータ(1)、(2)より区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験(5日間腹腔内投与、最大27.2 mg/kg)で陽性(DFG MAK (2018) 、REACH登録情報(Accessed June 2021))、マウスの骨髄細胞及び精原細胞を用いた染色体異常試験(単回腹腔内投与、最大27.2 mg/kg)で陽性(DFG MAK (2018), MOE 初期評価 (2015)、REACH登録情報(Accessed June 2021))、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(強制経口投与)で陰性(CICAD 74 (2008)、REACH登録情報(Accessed June 2021))、ラットに強制経口投与後に肝臓、肺、腎臓でDNA付加体形成が認められた(DFG MAK (2012)、AICIS IMAP (2016)、MOE 初期評価 (2015))。ただし、優性致死試験の陽性報告については、妊娠雌のと殺時期、早期/後期着床後胚死亡率、吸収率のデータが与えられていない、方法的にも問題があり、適切なパラメータで評価されていないことから、本物質の遺伝毒性の有無は判定できないとされた。また、マウスの染色体異常試験における陽性の結果も細胞分裂指数の減少がみられる用量のみで生じており、細胞毒性による影響の可能性も示唆されるとの指摘がある(DFG MAK (2018))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験で陽性又は陰性、ほ乳類培養細胞(CHO、ヒトリンパ球/リンパ芽球様細胞)を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある(AICIS IMAP (2016)、CICAD 74 (2008)、DFG MAK (2012)、REACH登録情報 (Accessed June 2021))。ほ乳類培養細胞(V79、マウスリンパ腫細胞)を用いた遺伝子突然変異試験で陽性の報告がある(IARC, 2021) 【参考データ等】 (3)本物質は健康障害を防止するための指針(強い変異原性が認められた化学物質)の対象物質である(平成24年10月10日付け健康障害を防止するための指針公示第23号)。 (4)Cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1B」である(2021年度GHS分類結果)。 (5)EU CLPでは、Muta. 2に分類されている(CLP分類結果 (Accessed June 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分1Bとした。なお、新たな情報源に基づき区分を変更した。 【根拠データ】 (1)雄ラットを用いた本物質(trans-異性体:123-73-9)の2年間飲水投与試験において、肝細胞腫瘍(腫瘍性結節、肝細胞がん)の発生頻度増加が認められた(IRIS (1991)、ACGIH (7th, 2001)、AICIS IMAP (2016)、CICAD 74 (2007)、DFG MAK (2018)、MOE 初期評価 (2015))。 (2)ラット及びマウスを用いたクロトンアルデヒド(4170-30-3)の2年間吸入ばく露による発がん性試験において、マウスの試験では腫瘍発生の増加は認められなかったが、ラットの試験では雌雄とも少数例(1~2/50例)ではあるが自然発生が稀な鼻腔腫瘍の発生が認められ、本物質の発がん性を示す証拠と考えられた(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2001)、MOE 初期評価 (2015))。 (3)本物質は労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための改正指針の対象物質である(平成24年10月10日付け健康障害を防止するための指針公示第23号)。 (4)国内外の評価機関によるクロトンアルデヒド(CAS番号 4170-30-3)の既存分類結果として、IARCでグループ3に(IARC 63 (1995))、EPAでC(possible human carcinogen)に(IRIS (1991))、ACGIHでA3(ACGIH (7th, 2001))に、DFGでCategory 3B(DFG MAK(2018))にそれぞれ分類されている。 【参考データ等】 (5)旧東ドイツのアルデヒド製造工場で雇用された労働者220人の調査では、9人が悪性腫瘍(口腔の扁平上皮がん2人、肺の扁平上皮がん5人、胃の腺がん1人、大腸の腺がん1人)と診断されており、労働者の過剰発がんリスクが疑われた。職場濃度の調査では本物質は 1~7 mg/m3であったが、同時に他の化学物質も検出された。IARCは本報告から結論を得るには余りにも貧弱な報告としている(IARC 63 (1995)、CICAD 74 (2008)、MOE 初期評価(2018))。 (6)Cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1B」である(2021年度GHS分類結果)。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1)では繁殖能に対する影響はみられていないが、発生毒性影響に関するデータがない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による一世代生殖毒性試験(OECD TG 415、GLP、交配前61日間(雄)、交配前31日間(雌))において、最高用量の10 mg/kg/dayまで親動物、児動物ともに有害影響はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed June 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1(呼吸器)」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)をヒトボランティアに12 mg/m3(4.1 ppm)でばく露すると30秒後に流涙、15分間ばく露中に鼻と上気道に高度の刺激性を生じた(CICAD 74 (2008)、ACGIH (7th, 2001))。 (3)ヒトではクロトンアルデヒド(CASRN:4170-30-3)の吸入ばく露後に気道粘膜刺激が誘発される(DFG MAK (2012))。 (4)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 420)において、180 mg/kg(区分1の範囲)で7/10例、300及び500 mg/kg(区分2の範囲)では全例死亡した。生存例の致死量以下でみられた影響は、嗜眠、流涎、自発運動の変化、流涙であったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (5)クロトンアルデヒド(CASRN:4170-30-3)は強い肺刺激物質で、吸入ばく露後の影響には呼吸障害、興奮期後に末梢の痙攣を生じる。ラットの4時間ばく露での致死濃度は100 ppmであり、200 ppmで10分間単回ばく露後には肺機能の変化を生じるとの報告がある(ACGIH (2001)、Patty (2012))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はcis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のtrans-異性体であるが、trans-異性体単体としてのデータはない。cis-、trans-異性体混合物である2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)のGHS分類の本項は「区分1(呼吸器、肝臓)」である(2021年度GHS分類結果)。 (2)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットを用いた強制経口投与による13週間反復経口投与試験において、5 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で鼻腔の急性炎症(雌)、10 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で前胃上皮の過形成、20 mg/kg/day以上(区分2の範囲)で鼻腔の急性炎症(雄)、前胃の肥厚と結節、40 mg/kg/day(区分2の範囲)で前胃の過角化・潰瘍・中程度の壊死・急性炎症がみられたとの報告がある(CICAD 74 (2008)、AICIS IMAP (2016)、MOE 初期評価 (2015)、REACH登録情報(Accessed Aug. 2021))。 (3)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラット(雄)を用いた飲水投与による113週間反復経口投与試験において、42 mg/L以上(2.0~7.6 mg/kg/day相当、区分1の範囲)で肝細胞変異巣がみられ、420 mg/L(15.75~53.9 mg/kg/day相当、区分2の範囲)で中程度から高度の肝臓傷害(脂肪変性、巣状壊死、線維化、胆汁うっ滞、単核細胞浸潤)がみられたとの報告がある(CICAD 74 (2008)、AICIS IMAP (2016)、MOE 初期評価 (2015))。 (4)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラット及びマウスを用いた13週間吸入(蒸気)ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、マウス(雄)の6 ppm以上(ガイダンス換算値:4.3 ppm、区分1の範囲)、ラット及びマウス(雌)の12 ppm以上(ガイダンス換算値:8.7 ppm、区分1の範囲)以上で鼻腔粘膜の扁平上皮化生、呼吸器粘膜の炎症性変化(炎症性細胞浸潤・鼻腔背側壁の浮腫)がみられ、24 ppm(ガイダンス換算値:17.3 ppm、区分1の範囲)で鼻咽頭、喉頭、気管粘膜の扁平上皮化生がみられたとの報告がある(厚労省 がん原性予備試験 (2001) 、MOE 初期評価 (2015))。 (5)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたラットを用いた104週間吸入(蒸気)ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、3 ppm以上(区分1の範囲)で鼻控への傷害(呼吸上皮の炎痕、過形成、扁平上皮化生及び扁平上皮過形成、嗅上皮の萎縮と呼吸上皮化生、異物性鼻炎等)がみられたとの報告がある(厚労省 がん原性試験(2001)、MOE 初期評価 (2015))。 (6)2-ブテナール(CASRN:4170-30-3)を被験物質としたマウスを用いた104週間吸入(蒸気)ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、6 ppm以上(区分1の範囲)で鼻腔への傷害(呼吸上皮の壊死、萎縮、立方化及び扁平上皮化生、 嗅上皮の萎縮と呼吸上皮化生、腺の過形成と呼吸上皮化生、 滲出液の出現、粘膜固有層の浮腫等)がみられたとの報告がある(厚労省 がん原性試験(2001)、MOE 初期評価 (2015))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 |
- |
H401 | P273 P501 |
魚類(Menidia beryllina)96時間LC50 = 1.3 mg/L(HSDB, 2021)であることから、区分2とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(BODによる28日間分解度:平均82%(METI既存点検結果, 1987))、生物蓄積性が低いと推定される(logKow =0.6(KOWWIN v1.68))ことから、区分に該当しないとした。慢性毒性の分類方法の変更及び新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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