NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 124-04-9
名称 アジピン酸
物質ID m-nite-124-04-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 発火点が420℃ (SIDS (2006)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
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- - ラットのLD50値として、940 mg/kg、3,615 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、5,050 mg/kg (HPVIS (2008))、5,560 mg/kg (SIDS (2006))、> 11,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の5件の報告がある。ガイダンスの改訂に基づき、最も多くのデータが該当する区分外 (3件) とした。なお、1件が区分4、1件が区分外 (国連分類基準の区分5) に該当する。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
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- - コーン油 (本物質40%濃度) を用いたウサギのLD50値として、> 7,940 mg/kg (純品換算値:> 3,176 mg/kg) との報告 (SIDS (2006)、HPVIS (2008)) に基づき、区分外とした。
新たな情報源 (SIDS (2006)、HPVIS (2008)) を追加し、分類を見直した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
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- - ラットのLC0値 (4時間) として、7.7 mg/L (SIDS (2006)、HPVIS (2008)) との報告に基づき、区分外とした。なお、LC0値が飽和蒸気圧濃度 (0.57 mg/L) より高いため、粉じんの基準値を適用した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
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- - ウサギを用いた皮膚刺激性試験において回復性の発赤や浮腫がみられ、刺激性スコア2.21であった (SIDS (2006))。その他にもウサギやモルモットを用いた皮膚刺激性試験において軽度の刺激性が認められた (SIDS (2006)、BUA 68 (1991))。また、ヒトにおいて皮膚を乾燥させ皮膚炎を起こすことがあるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。以上の結果から区分外 (国連分類基準の区分3) とした。ガイダンスの変更に従い区分を見直した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、角膜混濁 (スコア1~3) が認められている (SIDS (2006))。また別の眼刺激性試験において、角膜反応、虹彩炎、結膜炎、結膜浮腫の平均スコアはそれぞれ1.33、0.83、2、2と報告されている (SIDS (2006))。以上の結果から区分2Aとした。なお、本物質はEU DSD分類において「Xi; R36」、EU CLP分類において「Eye Irrit. 2 H319」に分類されている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、詳細不明であるがアジピン酸を扱う2人の作業者が気管支喘息を起こした (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) との記載がある。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた試験で皮膚感作性なしとの報告があるが (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012))、陽性対照群がない、アジュバントを使用していない等の理由から、分類に用いるには不十分な情報と判断した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラットの優性致死試験で陰性、ラットの骨髄細胞の染色体異常試験で陰性結果が報告されている (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、HPVIS (2008)、JECFA FAS 12 (1977)、PATTY (6th, 2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験でいずれも陰性である (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、HPVIS (2008)、JECFA 12 (1977)、PATTY (6th, 2012))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - 国際機関等による発がん性分類はない。SIDS (2006) では、ラットの2年間混餌試験 (雄:5 % (3,750 mg/kg bw/day) 以下の用量、雌:1 % (750 mg/kg bw/day) の用量) で発がん性がみられないとの報告があるが、この試験については非GLPであるほか、動物数、検査対象とした器官が少なく組織病理学的検査に使用した動物数が不明であるなど限定的な情報と報告されている。また、PATTY (6th, 2012) でもラットの2年間試験から発がん性の証拠なしと報告されているが十分な情報はない。さらに、BUA (1991) でもラットの2年間試験の記載がある。以上、総じて本物質についてはデータ不足のため、「分類できない」とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
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- - ラット、マウス、ウサギを用いた経口経路での催奇形性試験において催奇形性は認められていない (SIDS (2006)、JECFA FAS12 (1977)、ACGIH (2001)、PATTY (6th, 2012)) が、生殖能に関する情報が得られていないため分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ヒトでは、本物質のダストの作業者への吸入ばく露で自律神経系、胃腸管、上部気道粘膜の機能障害、鼻粘膜の刺激、本物質の溶液の吸入ばく露でぜんそく反応悪化、呼吸器の軽いしゃく熱感が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012))。
ラットでは、経口経路のガイダンス値を上回る用量で、死亡動物の急性心拡張、腺胃の急性うっ血・充血、潰瘍 (腐食性胃炎) など、本物質による刺激と出血の影響がみられているが、吸入経路及び閉塞経皮適用では毒性兆候がみられなかった (SIDS (2006)、HPVIS (2008))。以上より、区分3 (気道刺激性) とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 経口経路ではヒトボランティアが100 mg/kg/dayの用量を10日間内服しても毒性症状がみられなかったこと, ラットに混餌投与で2年間投与した試験で, "Not classified" の高用量 (2,250 mg/kg/日 (SIDS (2006) に記載された換算値) でdecreased body weight gainがみられたに過ぎない (SIDS (2006), ACGIH (7th, 2001), JECFA FAS 12 (1977), HPVIS (2008)) ことから, "Not classified" 相当と判断される.区分外相当と判断される。吸入経路ではラットに本物質のダストを0.126 mg/Lの濃度で、6時間/日、5日/週で3週間ばく露 (ガイダンス値換算濃度: 0.021 mg/L) したが、異常は認められなかった (ACGIH (7th, 2001)) との記述があるが、本試験を含め、区分2までの範囲をカバーした吸入ばく露試験が行われておらず、分類に利用可能なデータがない。よって、本物質は経口経路では区分外相当であるが、吸入及び経皮経路での分類に適したデータがなく、データ不足のため分類できないとした。なお、旧分類では本物質ダストを吸入した作業者で自律神経系への影響がみられたとの記述から、区分1 (自律神経系) と分類したが、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012) に該当する記述は単回ばく露による影響で、かつ眼刺激性を生じる濃度での影響であることを確認したため、今回の分類では除外した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 46 mg/L (環境庁生態影響試験, 1997)であることから、区分3とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
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- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度=85, 68, 90%(既存点検, 1989))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 6.3 mg/L(環境庁生態影響試験, 1997)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 97 mg/L(SIDS, 2004)であるが、急速分解性があり(BODによる分解度=85, 68, 90%(既存点検, 1989))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 0.08(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。
以上の結果より、区分外とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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