NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 126-98-7
名称 メタクリロニトリル
物質ID m-nite-126-98-7_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点<23℃、沸点(初留点)>35℃
【特記】UNRTDGではPGIに分類されているため、これに従えば区分1となるが、
初留点(沸点代用)からは、明らかに区分2となる。よって上記分類の妥当性に関して
専門家の判断を要する。
平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDG クラス3(副次危険6.1)に分類されている。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDG クラス3(副次危険6.1)に分類されている。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に金属または半金属を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
16 金属腐食性化学品 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDG クラス3(副次危険6.1)に分類されている。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値:64, 240, 120, 25, 50, 200 mg/kg(厚労省報告(2005), SIDS(2002), ACGIH(7th. 2001))に基づき統計計算を適用した。計算値:58.3mg/kgに基づき区分3とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギにおけるLD50:250, 280, 256 mg/kg(SIDS(2002), ACGIH(7th. 2001))に基づき統計計算を適用した。計算値:250 mg/kgに基づき区分3とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットにおけるLC50:0.899, 0.899, 1.92, 1.36 mg/l(SIDS 2002)に基づき統計計算を適用した。計算値:0.899 mg/l(328 ppm相当)に基づき区分2とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3
-
警告
- - ウサギでのドレイズテストで軽度の皮膚刺激性を示す(SIDS, 2002)との記述、およびヒトへの反復または長期の皮膚接触により皮膚炎を起こすことがある(環境省リスク評価第3巻、2004)との記述から、軽度の刺激性があると判断し、区分3とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギの眼に対して軽度な刺激性を示すが1時間以内に回復する(ACGIH 7th. 2001)との記述に基づいて区分2Bとした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - モルモットにおいては皮膚感作性はないとされている(PATTY 4th. 1994)が、皮膚感作性を明確に否定するデータがないため分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - ラットおよびマウスの骨髄細胞またはマウス末梢赤血球を用いたin vivoの小核試験でいずれも陰性であった(SIDS 2002, NTP DB 2005, NTP TR 497, 2001)ことに基づき区分外とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ラットおよびマウスを用いた2年間反復経口投与した試験では発がん性は認められていない(SIDS, 2002, NTP TR 497, 2001, 環境省リスク評価第3巻, 2004)が、データ不足のため分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
3省GHS分類根拠となった二世代繁殖試験で、F1世代の雄の精子数の有意な減少やメスの性周期の遅延について、元文献を精査した結果、認められた生殖毒性影響はいずれも軽度である。従って、ヒトに対する影響がありとして、「区分1」に分類するよりも「区分2」に分類するほうが適切である。 平成19年度(2007年度) マニュアル(H18.2.10 版)/技術上の指針(H17.12.6版)(GHS 初版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラットに経口投与すると区分1のガイダンス値範囲(300 mg/kg以下)で、運動失調、振戦、間代性痙攣、流涎等の中枢神経系の症状が見られ(NTP TR 497 2001, 厚労省報告 2005, SIDS 2002, ACGIH 7th. 2001)、ラットに吸入させた場合も約1~2 mg/lの気中濃度で同様の症状が見られたことから、区分1(中枢神経系)とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系)、区分2(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
パブリックコメントでは、認められた神経毒性は急性毒性であり、慢性毒性ではないと指摘している。しかし、Pozzaniらの文献(1968)に記載のイヌの90日間経口投与毒性試験では、「区分1」のガイダンス値範囲内(13.5 ppm群)で、強直性痙攣、速脈、多呼吸、後肢の制御不能が、暴露後すぐには認められず、暴露39日目以降に認められている。よって、当試験の中枢神経症状は反復暴露による影響であると言える。
また、パブリックコメントでは、神経毒性以外の毒性に関しては分類基準に当てはまる影響はない、と指摘している。しかし、厚労省報告(2005)に記載のラットの反復経口投与毒性試験では、「区分2」のガイダンス値範囲内(30 mg/kg群)で、溶血性貧血に関連する影響が有意に認められている。また、NTP TOX 47(2000)に記載のラットの13週間経口投与毒性試験では、「区分2」のガイダンス値範囲内(60 mg/kg/day 以上の群)で、嗅上皮の化生、壊死の発生率の有意な増加が認められている。また、NTP TR 497(2001)に記載のラットの2年間経口投与毒性試験では、「区分2」のガイダンス値範囲内(30 mg/kg /day群)で、鼻の嗅上皮の萎縮及び化生の発生率の増加、肝臓における細胞質空胞化の増加が認められている。よって、「区分2(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓)」とするのが妥当である。なお、3省GHS分類では、「嗅上皮の組織学的変化」が認められたことを根拠に感覚器を標的臓器としているが、鼻腔(嗅上皮)に変更するのが好ましいと考える。
以上から、GHS分類を「区分1(血液、中枢神経系、感覚器)」から「区分1(中枢神経系)、区分2(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓)」に変更する。
平成19年度(2007年度) マニュアル(H18.2.10 版)/技術上の指針(H17.12.6版)(GHS 初版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 = 21.7 mg/L (NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分3とした。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:83%(METI既存点検結果, 1999))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 1 mg/L(MOE既存点検結果, 1999、MOE初期評価, 2005、NITE初期リスク評価書, 2008)から、区分3となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性があり、魚類(ヒメダカ)の96時間LC50 > 100 mg/L(MOE既存点検結果, 1999、MOE初期評価, 2005、NITE初期リスク評価書, 2008、SIAR, 2002)から、区分に該当しないとなる。
以上の結果を比較し、区分3とした。慢性毒性の分類方法の変更及び新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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