項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 126-99-8 |
名称 | 2-クロロ-1, 3-ブタジエン(クロロプレン) |
物質ID | m-nite-126-99-8_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点-20℃(ホンメル(1991))<23℃、および、初留点59℃(NFPA(13th, 2002))>35℃から区分2とした。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関わる原子団(不飽和C=C)を含むがUNRTDG(UN1991)ではクラス3副次危険6.1PGIであり安定剤(ヒドロキノンまたはフェノチアジン)を含むものである。したがってタイプGとした。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点は440℃(ホンメル(1991))で70℃超である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素を含まず、塩素は含んでいるが、この元素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値が 251 mg/kgおよび450 mg/kg(SIDS(1998))から、毒性の強い方の値に基づき区分3とした。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 |
危険 |
H310 | P302+P352 P361+P364 P262 P264 P270 P280 P310 P321 P405 P501 |
ラットのLD50値200 mg/kg(SIDS(1998))から区分2とした。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 |
危険 |
H331 | P304+P340 P403+P233 P261 P271 P311 P321 P405 P501 |
ラットのLC50値が11.8 mg/L(3259 ppmV)(SIDS(1998))および8.2 mg/L(2264 ppmV)(IARC 19(1979))に基づき、危険性の高い方の区分3とした。なお、飽和蒸気圧濃度は282895 ppmVであることから、分類にはガスの基準値を適用した。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ウサギ皮膚への閉塞適用後24時間で浮腫を伴う軽度から中等度の紅斑が観察され、同48時間で軽度から中等度の紅斑が残った(SIDS(1998))ことから区分2とした。なお、EU分類では、Xi; R36/37/38に分類されている。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
ウサギを用いた試験で結膜炎が10日間続いた(SIDS(1998))との報告およびEU分類でXi; R36/37/38に分類されていることから区分2とした。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | マウスおよびラットに吸入ばく露による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)に関して、低濃度で陽性、高濃度で陰性を示し、結果に矛盾がある(SIDS(1998))。また、マウスおよびラットの骨髄細胞を用いた複数のin vivo染色体異常試験および小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)も相反する結果(SIDS(1998))が得られているが、陽性知見は不純物による可能性があり、本物質の生殖細胞変異原性を評価するには追加検討が望まれている(SIDS(1998))ことから、データ不足により分類できない。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
IARCによるグループ2B(IARC 71(1999))の分類に基づき区分2とした。なお、ラットおよびマウスに2年間吸入ばく露した試験(NTP TR 467(1998))が実施されており、ラットでは口腔、甲状腺、肺、腎臓、乳腺など、また、マウスでも肺、循環器系、ハーダー腺、前胃、皮膚、乳腺などいずれも種ーの器官・組織において腫瘍発生頻度の増加が認められ、NTPは本物質を「合理的にヒト発がん性が予測される物質(Reasonably anticipated to be a human carcinogen)」に分類している(NTP ROC 11th(2000))。その他に、EUではカテゴリー2に分類されているが、EU分類についてはその判断根拠を示す必要があるとされており、確認できないので分類に使用しなかった。因みにDFGによる分類(MAK)はカテゴリー2(ヒトに発がん性を持つと考えられる物質)である(MAK/BAT(2007))。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットにおいて妊娠期間中に吸入あるいは経口ばく露により髄膜脳瘤の発生(IARC 19(1979))、また、吸入ばく露の場合に吸収胚の増加、胚毒性の増強と催奇形性(大腿骨・腓骨骨幹の短縮、水頭)(SIDS(1998)、ACGIH(2001))が報告され、ラットおよびマウスの雄の吸入ばく露では生殖不能(ACGIH(2001))が認められた。しかし、得られたデータが試験によって結果に著しい差異があったため、催奇形性と生殖毒性の証拠の重みは極めて限定的で不十分である(ACGIH(2001))と記述されている。したがって、区分1Bとするほど確かな証拠ではないとして区分2とした。なお、IARCの1979年版の記事として、クロロプレンを扱う女性労働者が身体的・精神的欠陥を有する子供を生んだ事例、クロロプレン労働者の妻に自然流産が3倍多かったとの報告(IARC 19(1979))があるが、1999年版には掲載されていない。また、この情報はACGIH(2001)および(NTP TR 467(1998))にも掲載されているが、データの収集方法に問題があると述べられている。さらにSIDS(1998)では、ヒトの情報に関して意味のある結論を得るに十分な信頼性のあるデータはなかったと記述されていることから、ヒトの事例は分類の根拠としなかった。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ラットに吸入ばく露により、225 ppm(0.810 mg/L)以上で肝障害が観察され(IARC 71(1999))、別の試験では500 ppm(1.810 mg/L)以上で肝酵素の上昇を伴う著しい肝毒性が報告されている(IARC 71(1999))。さらにラットに経口投与により中枢神経系の抑制が見られ(PATTY(5th, 2001))、吸入ばく露により気道傷害が明らかになった(IARC 71(1999))ことが述べられている。一方、ヒトで急性ばく露の影響として、肝臓の他に中枢神経系の抑制や、肺、肝臓および腎臓の傷害が報告されている(IARC 71(1999))が、中枢神経系については具体的な症状や抑制の程度の記載が無く, 麻酔作用と関連した記述もない。以上の影響はラットでガイダンス値区分1に該当する用量で認められ、かつヒトの事例でもあることから区分1(中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓)とした。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、血液、神経系、胃、呼吸器系、心血管系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ラットに4週間吸入ばく露によりガイダンス値区分1に該当する160 ppm(= 0.579 mg/L = 0.178 mg/L<90日換算>)以上で、肝臓に小葉中間帯の変性と壊死の所見(PATTY(5th, 2001))に基づき区分1(肝臓)とした。肝臓への影響については、さらにラットに200 ppm(0.724 mg/L)を13週間吸入ばく露により肝細胞壊死の有意な増加(NTP TR 467(1998))、イヌおよびモルモットの吸入ばく露おいて肝臓障害または黄疸の報告(SIDS(2009))がある。 ・血液に関しては、ラット200 ppm(0.724 mg/L)を13週間吸入ばく露により正球性、正色素性貧血が見られ(NTP TR 467(1998))、マウスに32 ppm(0.116 mg/L)以上を13週間吸入ばく露(NTP TR 467(1998))により、ヘマトクリット値、赤血球数の有意な減少および血小板数の変化が報告され、用量としてガイダンス値範囲区分1にも相当しているので区分1(血液)とした。 ・神経系に関しては、ヒトで慢性クロロプレン中毒症患者の44%で(心血管系を含め)神経系に病理学的変化を認めたとの報告に加え、めまい、不眠などの症状が記載され(IARC 19(1979))、職業ばく露において血中コリンエステラーゼの低下も知られている(IARC 19(1979))。ラットではばく露後、低運動性、不穏、嗜眠などの症状が見られている。したがって、区分1(神経系)とした。 ・胃に関しては、マウスに13週間吸入ばく露(NTP TR 467(1998))により80 ppm(0.290 mg/L)以上で前胃の扁平上皮過形成が観察され、ヒト慢性ばく露の症状として胃腸障害が記載されている(IARC 19(1979))ので区分1(胃)とした。 ・呼吸器に関しては、ラットに4週間吸入ばく露(PATTY(5th, 2001))によりガイダンス値区分1に該当する160 ppm(= 0.579 mg/L = 0.178 mg/L<90日換算>)以上で肺の組織損傷、13週間吸入ばく露(NTP TR 467(1998))により80 ppm(0.290 mg/L)以上で嗅上皮の変性および気道上皮化生が見られ、ヒトの慢性ばく露で気道刺激が報告されていることから、区分1(呼吸器系)とした。 ・心血管系に関しては、慢性クロロプレン中毒患者の44%が心血管系に病理学的な変化があり、心筋ジストロフィーも報告されている(IARC 19(1979))とのヒトの事例に基づき区分1(心血管系)とした。 なお、免疫系に関しては、情報源であるIARCの1979年版の記事が1999年版では記載がなく、他の評価書でも言及されていないので分類の根拠としなかった。また、歯・歯周組織に関しても、IARC 19(1979)での記載とNTP TR 467(1998)の緒言における簡単な引用のみで、その他の評価書で全く採用されていないので分類の根拠としなかった。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 魚類(ブルーギル)での96時間LC50 = 245 mg/L(SIDS, 2003)、甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 348 mg/L(SIDS, 2003)であることから、区分外とした。 | 平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性でない(水溶解度=874.9 mg/L(PHYSPROP Database、2009))ことから、区分外とした。 | 平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 平成21年度(2009年度) | ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009) |
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