NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 1307-96-6
名称 酸化コバルト(II)
物質ID m-nite-1307-96-6_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC (2004))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC (2004))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC (2004))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。
水溶解度:3.13 mg/L (GESTIS (Access on August 2015))
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲン元素を含まず酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 無機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、159 mg/kg (ATSDR (2004))、202 mg/kg (環境省リスク評価第11巻 (2013)) に基づき、区分3とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質は機械的刺激を引き起こすことがあるとの記載がある (環境省リスク評価第11巻 (2013))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質は機械的刺激を引き起こすことがあるとの記載がある (環境省リスク評価第11巻 (2013))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
日本産業衛生学会はコバルト化合物として気道感作性第1群としている (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。以上から区分1とした。なお、感作性に関わる全ての物質が同定されているわけではないとの記載がある (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。

平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
日本産業衛生学会はコバルト化合物として皮膚感作性第1群としている (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。以上から区分1とした。なお、感作性に関わる全ての物質が同定されているわけではないとの記載がある (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。なお、本物質はEU CLP分類において「Skin sens. 1 H317」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質自体ではないが、コバルト、又はコバルト化合物への職業ばく露と肺がん死亡との関連性を示唆した疫学研究が複数あったが、いずれもIARCによる評価で、ニッケル、砒素などと同時にばく露された集団、又は他の硬金属粉じんへの同時ばく露を受けた集団で、コバルト単独ばく露による影響ではなく、ヒトでの発がん性に関しては評価可能な情報は不十分であると結論された (IARC 52 (1991))。
一方、実験動物では本物質粉末 (酸化コバルト) をラットに筋肉内注射 (20~30 mg/rat、単回) した2件の試験で、25~74週間後、注射部位局所に肉腫が認められたとの結果、酸化コバルト粉末の生理食塩水中縣濁液をラットに一定間隔で気管内注入した試験で、2年後に発生頻度は低いが、良性又は悪性の肺腫瘍の発生を増加させたとの結果、さらに、ラットを用いた酸化コバルト粉末を皮下注射、又は腹腔内注射した試験でも、局所の腫瘍 (組織球腫、肉腫、中皮腫) の発生増加が認められたとの陽性の結果が得られている (IARC 52 (1991))。他方で、酸化コバルト粉じんをハムスターに吸入ばく露 (10 mg/m3、生涯ばく露) した試験では陰性であったとの報告もあるが、IARCは酸化コバルトは実験動物では発がん性の十分な証拠があると結論し、コバルト、及びコバルト化合物全体の発がん性を「グループ2B」に分類した (IARC 52 (1991))。この他、ACGIH がコバルト (金属元素及び無機化合物) に対し「A3」に (ACGIH (7th, 2001))、日本産業衛生学会がコバルト、及びコバルト化合物に対し「2B」に分類している (日本産業衛生学会許容濃度の勧告 (2015))。以上より、分類ガイダンスに従い、本項は区分2とした。
なお、IARCは2006年に金属コバルト粒子の発がん性評価を行い、タングステン・カーバイドを含む金属コバルトへの製造施設での職業ばく露に対しては肺がんのリスク増加に対して、限定的な証拠があり、グループ2Aとしたが、金属コバルトへの単独ばく露に対しては、グループ2Bに分類している (IARC 86 (2006))。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - デ-タ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (肝臓)、区分2 (心臓)


危険
警告
H370
H371
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質のヒトデータはない。実験動物については、ラットの経口投与(157.3 mg/kg、区分1相当用量) で、肝臓の充血、肝細胞の器質的変化の報告、ラットの経口投与 (795 mg/kg、区分2相当) で、心臓間質性細胞の増殖、心筋線維の肥大、変性の報告があるのみである (ATSDR (2004))。以上より、心臓、肝臓を標的臓器とし、区分1 (肝臓)、区分2 (心臓) とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器、甲状腺、血液系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトで本物質自体へのばく露が明らかな有害性情報はない。
コバルト及びコバルト化合物のヒトでの健康影響に関し以下の知見があり、本物質の有害性評価に利用が可能と考えられる。すなわち、ダイヤモンドの研磨作業中に飛散したコバルトにばく露された作業者では咳など呼吸器症状の主訴、高濃度ばく露症例では肺機能への影響 (努力肺活量、1秒量、最大中間呼気流量の有意な減少) がみられた (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006)、ACGIH (7th, 2001)) との記述、コバルト精錬所の作業者では、皮膚病変 (湿疹、紅斑)、呼吸器症状 (呼吸困難、喘鳴、慢性気管支炎)、肺機能の低下、貧血所見 (赤血球数数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値の減少)、甲状腺機能影響 (T3の低値、甲状腺ホルモンの異常値) がみられた (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006)、ACGIH (7th, 2001)) との記述がある。このうち、皮膚病変は皮膚感作性による影響と考えられ、特定標的臓器の対象外の所見と判断した。
実験動物ではハムスターに本物質 (酸化コバルト) を生涯吸入ばく露した試験で、10 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0083 mg/L/6 hr/day) で肺気腫、肺胞上皮及び遠位気管支に増殖性変化がみられた (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006)) との記述がある。
以上、ヒトでのコバルト及びコバルト化合物の反復ばく露による影響を本物質の反復ばく露影響とみなすことは妥当であると考え、本項は区分1 (呼吸器、甲状腺、血液系) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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