NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 1321-65-9
名称 トリクロロナフタレン
物質ID m-nite-1321-65-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
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- - 可燃性 (ICSC(J) (2001)) であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
モルモットの100%死亡投与量 (1,800 mg/kg) 及び100%生存投与量 (400 mg/kg, HSDB (Access on October 2016)) の報告に基づき、区分4とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ポリクロロナフタレンを経皮ばく露したモルモットで強い皮膚刺激性が報告されているが (CICAD 34 (2001))、本物質に起因した刺激性であることを特定できなかったため、採用しなかった。また、旧分類で採用した情報はList 3の情報であり、出典が確認できなかったため、不採用とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ポリクロロナフタレンにばく露した労働者で眼の刺激性が報告されているが、他の化学物質にばく露された可能性も指摘されている (CICAD 34 (2001)) ことから、採用しなかった。また、旧分類で採用した情報はList 3の情報であり、出典が確認できなかったため、不採用とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露のデータはない。なお、塩素化ナフタレン化合物は肝臓毒性を示すとの記載 (CICAD 34 (2001)、DFGOT vol. 13 (1997)) 及び、塩素化ナフタレン化合物にばく露された労働者は眼の刺激、疲労感、頭痛、貧血、血尿、食欲不振、嘔吐、腹部の激しい疼痛などの症状を示したとの記載 (CICAD 34 (2001)) があるが、いずれもばく露回数の情報はない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (肝臓、皮膚)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質についての情報はない。
なお、ヒトについては、重篤な皮膚反応 (塩素ざ瘡) 及び肝疾患がいずれも塩素化ナフタレンへの職業ばく露で報告されている (CICAD 34 (2001)、DFGOT vol. 13 (1997)、ACGIH (7th, 2001))。塩素化数によって毒性が異なり、ヒト及び動物の研究から毒性は同属体/異性体により決まることが証明され、ペンタクロロナフタレン及びヘキサクロロナフタレンの毒性が最も強いことは全ての研究で一致しているとの報告がある (CICAD 34 (2001))。
このうち、皮膚に対する影響については、本物質あるいは塩素数がそれより多いもので塩素ざ瘡がみられたとの報告がある (DFGOT vol. 13 (1997))。本物質 (通常ある程度のテトラクロロナフタレンとの混合物) の使用による塩素ざ瘡の例では頻度及び程度はペンタ-あるいはヘキサクロロナフタレンによって生じる塩素ざ瘡より少ないとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。一方、ボランティアによる皮膚への塗布実験では塩素ざ瘡を生じたのはペンタ-、ヘキサクロロナフタレンを成分とするHalowax 1014 だけで、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ヘプタ-、オクタクロロナフタレン含有のHalowax では生じなかったとの報告がある (CICAD 34 (2001))。また、肝臓に対する影響のうち、物質についてある程度同定されている情報として、本物質 (おそらくテトラクロロナフタレンを含んでいる (CICAD 34 (2001)) の3 mg/m3の職業ばく露による非致死性の肝炎の報告があり (ACGIH (7th, 2001))、一方、塩素化数の多いペンタクロロナフタレン及びヘキサクロロナフタレンの混合物の濃度1~2 mg/m3の作業環境において黄色肝萎縮による致死の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。
実験動物では、ラットを用いた本物質 (少量のテトラクロロナフタレンを含む) の2.5ヵ月間 (1,232時間) あるいは4ヵ月間 (1,896時間) 吸入毒性試験において、区分1の範囲内で0.0013 mg/Lで非常に軽度の肝臓腫大、0.011 mg/Lで肝臓の肥大、有糸分裂像を伴う顆粒球増加が認められている (ACGIH (7th, 2001))。
なお、ラット及びモルモットにポリ塩化ナフタレン の工業用混合物を用いた中期毒性試験で肝障害 (主に顆粒状化及び空胞形成の亢進を伴う肝細胞肥大) 等が認められたが、塩素化の進んだ混合物のほうが、毒性が高いとみられるとの報告がある (CICAD 34 (2001))。
以上、塩素化ナフタレンにより肝臓、皮膚に影響がみられ、塩素化数5のペンタクロロナフタレン及び塩素化数6のヘキサクロロナフタレンが塩素化ナフタレンの毒性の主要な原因物質と考えられる。本物質単独の情報はない。しかし、塩素化数3の本物質についても毒性の程度は低いと考えられるが、同様な標的臓器を示すと考えられることから区分1 (肝臓、皮膚) とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず、分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず、分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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