NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 1461-22-9
名称 トリブチルスズクロリド
物質ID m-nite-1461-22-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない
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-
- - 引火点110℃ (測定方法不明) (GESTIS (Accses on July 2014)) に基づき区分外とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が> 150℃ (NITE総合検索 (Access on August 2014)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水溶解度 17 mg/L (20℃) (GESTIS (Access on July 2014))というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
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-
- - フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であり、この塩素が炭素、水素以外の元素 (Sn) と結合しているが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、122 mg/kg (SIDS (2010)、DFGOT vol. 1 (1991)、EHC 116 (1990)) との報告に基づき、区分3とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ラットを用いた皮膚刺激性試験において、投与後12-24時間以内に表皮の壊死及び紅斑がみられたが、壊死した表皮は真皮から剥離しその後表皮は再生し、紅斑は適用後72時間に回復したとの報告がある (EHC 116 (1990)、SIDS (2010))。また、本物質の原液をボランティア5人に適用した結果、発赤、かゆみ、毛胞の炎症、軽度の浮腫を生じたとの報告がある (SIDS (2010))。 以上の結果から、区分2とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
本物質はウサギの眼に対して重度の刺激性を持つとの記載や (DFGOT vol. 1 (1991))、ヒトへの健康影響について「重度の眼刺激がある」 (HSDB (Access on July 2014)) との記載があることから区分2Aとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - In vivoでは、マウスの骨髄細胞の小核試験で陰性 (SIDS (2010))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性及び陽性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性 (SIDS (2010)、ATSDR (2005)) であることから、分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ACGIH (7th, 2001) で、有機スズ化合物としてA4に分類されている。したがって、分類できないとした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路 (混餌) での2世代生殖毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制) がみられる用量 (10 mg/kg/day) で生殖影響 (同腹児数、出生率、胎児体重、胎児体重増加率の減少)、母動物毒性がみられない用量 (0.4 mg/kg/day) においても児動物の生殖器に影響 (精巣、精巣上体重量の減少、精子細胞及び精子数の減少、雌児動物でAGD (肛門-生殖突起間距離) の増加) が報告されている (SIDS (2010))。
ラットを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制) のみられる用量 (25 mg/kg/day) で胚致死及び胎児体重の抑制、催奇形性 (主として口蓋裂) の報告がある (SIDS (2010))。
旧分類はデータがなく分類できなかったが、その後、分類に用いることができる新たな情報が得られたことから、区分1Bとした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、肝臓)、区分3 (気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトでの単回ばく露による有害性知見はない。実験動物においては、ラットの吸入ばく露で鼻に軽微な刺激性、気道に炎症性変化 (SIDS (2010))、シリアンハムスターの29.6 mg/kg以上の経口投与で、総肝管及び総胆管の損傷、胆管の潰瘍性炎症、胆管壊死が報告されている (ATSDR (2005)、Takagi et al. (1992))。ラットの45-250 mg/kgの経口投与で、死亡動物には壊死性肺炎や胃腸管の出血、充血がみられている (SIDS (2010))。マウスの58 mg/kgの経口投与で、肝毒性の指標となる酵素 (血中オルニチンカルバミル転移酵素) の有意な上昇を示した (ATSDR (2005))。その他、マウスの187.5 mg/kgの経口投与で、円背位、立毛、375-2,000 mg/kgで、低迷、立毛、円背位、息苦しさが認められている (SIDS (2010))。また、「トリブチルスズ化合物は、中枢神経系を損傷する可能性がある」との記載 (DFGOT vol. 1 (1991))がある。実験動物に対する肝臓、中枢神経系への影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
旧分類では、「肝細胞の脂肪変性、腎尿細管に微量の脂肪、消化管と腎臓に出血 (EHC 116 (1990))」と記載され、区分2 (肝臓、腎臓)としていた。しかし、EHCは、これらの知見 (マウスの経口投与500 mg/kgによる) について、「肝臓、腎臓の脂肪変性はクリアな証拠がなく正しい結論はできない」と否定していることから、この所見は採用しなかった。また、腎臓に影響を与える知見がないため、腎臓を区分対象とはしなかった。
なお、有機スズ化合物としては気道刺激性 (ATSDR (2005)、 ACGIH (7th, 2001)) の可能性が記載されている。
以上より、本物質は、ヒトの知見がないものの、実験動物のデータから中枢神経系及び肝臓に影響を与える他、気道刺激性が考えられ、区分1 (中枢神経系、肝臓)、区分3 (気道刺激性) とした。


平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (免疫系、呼吸器、肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでの反復ばく露による有害性知見はない。実験動物では、ラットに14日間又は28日間混餌投与した試験において、区分1相当の用量範囲 (0.75-9.2 mg/kg/day (90日換算: 0.12-2.86 mg/kg/day)) で、胸腺への影響 (重量減少、胸腺細胞数の減少、リンパ球枯渇)、脾臓重量減少、腸間膜リンパ節の赤色化など免疫系への影響が認められ、肝臓相対重量の増加もみられた (SIDS (2010)、DFGOT vol. 1 (1991))。また、ラットに本物質 (ミスト状態と推定) を95日間吸入ばく露した試験では、0.3 ppm (4 mg/m3: 0.004 mg/L/6 時間) の濃度で、肺の充血、カタル性気管支炎及び肝臓の脂肪変性がみられた (ATSDR (2005)) との記述がある。
以上より、実験動物での知見に基づき、区分1 (免疫系、呼吸器、肝臓) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(スケレトネマ)の96時間EC50 = 0.99 μg TBTC/L (SIDS, 2007)であることから、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(OECD TG 301Fによる28日後のBODによる分解度:0%(SIDS, 2007))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の96時間NOEC = 1.2 μg TBTC/L (SIDS, 2007)であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(OECD TG 301Fによる28日後のBODによる分解度:0%(SIDS, 2007))、甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50 = 1.1 μg TBTC/L (SIDS, 2007、 ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1となる。
以上の結果より、区分1とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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