NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 149-57-5
名称 2-エチルヘキサン酸
物質ID m-nite-149-57-5_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品ではない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 引火性液体 区分に該当しない
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- - 引火点118-120℃に基づき区分外(GHS基準:引火点93℃超)とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点371℃(ICSC(J)(1996)、溶剤ポケットブック(1997)) 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
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- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義による液体である。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
17 鈍性化爆発物 -
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-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
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-
- - ラットを用いた経口投与試験のLD50値は1,600-3,200 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))、1,600 mg/kg(PATTY(5th, 2001))、3,640 mg/kg、3,270 mg/kg、2,043 mg/kg(IUCLID(2000))との記述がある。GLP準拠試験のLD50値2,043 mg/kgが区分外の範囲にあり、また区分外に存在するデータが多い。LD50値2,043 mg/kgは国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P362+P364
P280
P312
P321
P501
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値1,140 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))1,260 mg/kg(PATTY(5th, 2001))、またウサギを用いた経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)のLD50値>2,000 mg/kg(IUCLID(2000))との記述がある。OECD TG準拠で区分外相当の結果があるが、List1の情報源に区分4に相当するデータが複数個あるので、区分4とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
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- - 20℃の飽和蒸気圧濃度が0.23 mg/Lの液体である。ラットを用いた8時間吸入暴露試験で「飽和蒸気に8時間暴露しても1匹も死ななかった」(ACGIH(7th, 2001))との記述より、蒸気基準を適用すると4時間換算LC50値は>0.46 mg/Lで、区分を特定できないので、分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
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- - 20℃の飽和蒸気圧濃度が0.23 mg/Lの液体である。ラットを用いた6時間吸入暴露試験で「2.36 mg/Lに6時間暴露しても1匹も死ななかった」(PATTY(5th, 2001))との記述より、ミスト基準を適用すると、4時間換算LC50値>3.54 mg/Lとなる。区分を特定できないので、分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
PATTY(5th, 2001)に、モルモットに24時間経皮投与した試験(1955年)では「非希釈液はslight な浮腫, 紅斑, 壊死 だが、20%希釈液では浮腫はないか very slightな浮腫、slight to moderateな発赤」との記述、6匹のウサギに非希釈液を4時間投与した試験(1986年)でも「5匹にslightな壊死とそれに続くslight to moderateな痂皮の形成」との記述がある。さらにIUCLID(2000)に、ウサギの4時間皮膚刺激試験で「corrosive」との記述が3件あり、1件は上述の1986年のウサギの試験結果である。一方、IUCLID(2000)にウサギを用いた皮膚刺激試験(OECD TG 404、GLP)で「not irritating」との記述があるが、一次文献は企業レポートなので希釈条件は不明である。1955年のデータでモルモットに用量依存的なデータがあり、さらにIUCLID(2000)に回復性に関する記述はないが、「corrosive」と評価されたデータが3件あることは無視できないので、区分1とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ACGIH(7th, 2001)に「ウサギの眼損傷に関する2件の研究結果より、本物質を10段階の分類で5に評価した」との記述がある。IUCLID(2000)には、ウサギの眼に希釈液を滴下した眼刺激性試験結果で「5%ではirritating、1%ではonly trace injury」との記述と、ウサギの眼刺激性/腐食性試験(OECD TG 405、GLP)で「not irritating」との記述がある。一方、ヒト事例として「結膜損傷が1例あるが、迅速に治癒した」(PATTY(5th, 2001))との記述もある。OECD TG準拠の試験は企業データで希釈率が不明なので、細区分せずに「区分2」とした。
なお、別のウサギを用いた眼刺激性試験について、ACGIH(7th, 2001)には「severe corneal necrosis」と記述されているが、IUCLID(2000)では「irritating」、PATTY(5th, 2001)では「severe corneal irritation」と評価が分かれている。このデータは情報源により評価が分かれており、一次文献J. Ind. Hyg. Toxicol. 26(1944)には「Range Finding Testなので、精度は十分でない」との記述もあるので採用しない。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - in vivo試験のデータがないので分類できない。
なお、in vitro変異原性試験では、CHO培養細胞を用いた染色体異常試験と姉妹染色分体交換試験でともに「陽性」(NTP DB(Access on January 2009))との記述、ネズミチフス菌を用いたAmes試験で「陰性」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 発がん性 分類できない
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- - 主要な国際的評価機関による評価がなく、データもないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
妊娠6-19日のラットにNa塩として100-600 mg/kgで飲水経口投与した試験で「高用量では母動物に体重減少が見られそれ以下では影響がなかったが、胎児には用量依存的に内反足、多指、腓骨欠如などの骨格異常がみられた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があった。この試験の一次文献(Fundam. Appl. Toxicol. 19(1992))を精査したところ、「骨格奇形の見られた一腹あたりの胎児数はコントロール群に比べ用量依存的に増加しているが、内反足が最も重大な骨格奇形である」と記述され、この試験についてNTP-CERHR(2000)は「内反足の他に統計的に有意な増加を示した奇形はなかった。骨格変異として波状肋骨は、全ての投与群で増加していた」と記述している。さらに、Na塩として100-600 mg/kgで、雌ラットは交配前の2週間から妊娠期と授乳期、雄ラットは交配前の10週間飲水投与した試験で「最高用量群の雌に摂餌量と体重の減少が見られた以外に影響はほとんど見られず、雄の精巣上体、精巣、前立腺、精嚢と非妊娠雌の卵巣、子宮、膣に病理組織学的な変化は見られなかった。しかし、最高用量群の雄と交配すると、受胎は遅延し一腹あたりの児数が減少した」(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(5th, 2001))との記述がある。以上より、区分1Bとした。
なお、PATTY(5th, 2001)とACGIH(7th, 2001)には、妊娠7日と8日のマウスに昼と夜1回ずつ(R)体、(S)体、ラセミ体の各ナトリウム塩を腹腔内投与した試験で「(S)体では催奇形性も胎児毒性も見られないが、(R)体は外脳の高い発生率を示し、ラセミ体は両者の中間程度の影響を示した」旨の記述があり、胎児毒性の程度の差を本物質がラセミ体であることと関連付けている。
EU分類はRepr. Cat. 3; R63(EU-Annex I)である。
平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(呼吸器系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ACGIH(7th, 2001)に、ラットの経口致死量を求める試験で「一過性の衰弱が見られた」旨の記述と、ラットに飽和蒸気圧以上の濃度で吸入暴露した試験で、区分2のガイダンス値範囲内で「臨床兆候は見られなかった」旨の記述がある。一方、List 2の情報源であるHSDB(2008)のヒト影響の項には「吸入による喉頭と気管支の浮腫や痙攣、化学性肺炎、肺水腫が致命的である可能性」との記述があるなので区分2(呼吸器系)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - ラットとマウスを用いた13週間混餌投与試験で、区分2のガイダンス値の範囲外で「ラットとマウスともに体重、体重増加、摂餌量がわずかに低下し、肝細胞肥大と肝臓の好酸球増加がみられた。マウスでは、近位尿細管の細胞質における好塩基球増加、マウス雄に前胃の表皮肥厚と過角化症がみられた」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。経口経路では重大な影響はみられていないが、吸入経路、経皮経路での影響が不明なので、分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=85.4mg/L(IUCLID、2000)から、区分3とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
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H412 P273
P501
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.64(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性が不明であることから、区分3とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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